今日の出来事：７４０年−藤原広嗣の乱：藤原広嗣が斬首される、１１８３年−源平合戦：福隆寺縄手の戦い、１５５５年−第二次川中島の戦い：犀川の戦い、１６００年−関ヶ原の戦い：宇土城の戦い、１８８３年−東京・麹町に日本初の洋式社交クラブ「鹿鳴館」が開館
今日は、藤原広嗣の乱です。７３７年、朝廷の政治を担っていた藤原四兄弟（藤原武智麻呂・藤原房前・藤原宇合・藤原麻呂）が天然痘の流行によって相次いで死去しました。代って政治を担ったのが橘諸兄で、唐から帰国した吉備真備と玄�靴�重用されるようになり、藤原氏の勢力は大きく後退しました。７３８年、藤原宇合の長男・広嗣は大養徳から大宰少弐に任じられ、大宰府に赴任しました。藤原広嗣はこれを左遷と感じ、強い不満を抱きました。藤原広嗣は、天地による災厄の元凶は反藤原勢力の要である右衛士督・吉備真備と僧正・玄�靴傍�因するとの上奏文を朝廷に送りますが、時の権力者左大臣・橘諸兄はこれを謀反と受け取りました。聖武天皇はこれに対して藤原広嗣の召喚詔勅を出しました。藤原広嗣は勅に従わず、弟・綱手と共に大宰府の手勢や隼人などを加えた１万余の兵力を率いて反乱を起こしました。藤原広嗣が挙兵の報に、聖武天皇は大野東人を大将軍に任じて節刀を授け、副将軍には紀飯麻呂が任じられました。東海道、東山道、山陰道、山陽道、南海道の五道の軍１万７０００人を動員するよう命じました。勅使・佐伯常人、阿倍虫麻呂が隼人２４人、兵４０００人を率いて渡海して、板櫃鎭（豊前国企救郡）を攻略、登美、板櫃、京都三鎮の兵１７６７人と兵器多数を鹵獲しました。藤原広嗣は大隅国・薩摩国・筑前国・豊後国の兵５０００人を率いて鞍手道を進軍、弟の綱手は筑後国・肥前国の兵５０００人を率いて豊後国から進軍、多胡古麻呂が田河道を進軍して三方から官軍を包囲しようとしました。藤原広嗣軍１万騎が板櫃川（北九州市）に至り、河の西側に布陣しました。勅使・佐伯常人、阿倍虫麻呂の軍は６０００人余で川の東側に布陣しました。その後、藤原広嗣軍は板櫃川の会戦に敗れて敗走しました。藤原広嗣は船に乗って肥前国松浦郡値嘉嶋（五島列島）に渡り、そこから新羅へ逃れようとしました。ところが耽羅嶋（済州島）の近くまで来て船が進まなくなり、風が変わって値嘉嶋に吹き戻されました。値嘉嶋に潜伏していた藤原広嗣は安倍黒麻呂によって捕らえられました。大野東人は藤原広嗣と綱手の兄弟を、肥前国唐津で斬首しました。乱の鎮圧の報告がまだ「平城京」に届かないうちに、聖武天皇は突如関東に下ると言い出して都を出てしまいました。聖武天皇は伊賀国、伊勢国、美濃国、近江国を巡り「恭仁京（山城国）」に移りました。その後も「難波京」へ移り、また「平城京」へ還って、と遷都を繰り返すようになります。これは、遠い九州で起きた「藤原広嗣の乱」を聖武天皇が極度に恐れたためとされています。
次に、源平合戦：福隆寺縄手の戦いです。福隆寺縄手の戦いは、備前国福隆寺縄手（現岡山市北部）で起こった木曾義仲軍と平氏方の武将・妹尾兼康の戦いです。妹尾兼康は平家譜代の家人で、「保元・平治の乱」では平家軍に属して戦い、「鹿ケ谷の陰謀」でも平清盛の手足となって働いた腹心でした。妹尾兼康は北陸の反乱追討軍に従いましたが、「倶利伽羅峠の戦い」で平氏軍は大敗し、妹尾兼康は木曾義仲の武将・倉光成澄に捕らえられました。木曾義仲は妹尾兼康の武勇を惜しんで助命し、身柄を倉光成澄の弟・倉光成氏に預けました。妹尾兼康は木曾義仲に従いながらも、反撃の機会を伺っていました。その後、平家一門は都を落ち、妹尾兼康は平家を追討すべく西国へ向かった木曾義仲軍に加わりました。「水島の戦い」で木曾義仲軍が敗れた後、妹尾兼康は自領である備前国妹尾荘に案内すると倉光成氏を誘い出して殺害しました。出迎えた嫡子・妹尾宗康や備前・備中・備後三ヶ国で現地に残っていた平家方の武士たちをかき集め、軍勢２０００余人をもって福隆寺縄手の笹の迫に要塞を構え、木曾軍に反旗を翻しました。妹尾兼康軍は木曾軍の猛攻に激しく抵抗しましたが、木曾の大軍の前に城郭は攻め落とされました。妹尾兼康は落ち延びようとしましたが、取り残された子・宗康のために引き返し、今井兼平の軍勢に突入して討ち死にしました。木曾義仲は備中国鷺が森にかけられた妹尾兼康主従３人の首を見て、その武勇を惜しみました。
その次に、第二次川中島の戦い：犀川の戦いです。「第二次川中島の戦い」は、「犀川の戦い」とも言います。武田晴信（後の武田信玄）と長尾景虎（後の上杉謙信）は、２００日余におよぶ長期にわたり対陣しました。１５５４年、武田晴信は南信濃の伊那郡を制圧すると同時に、関係改善が図られていた相模国の後北条氏、駿河国の今川氏と三者で「甲相駿三国同盟を結び、北関東で長尾方と対峙する北条氏と共同して上杉氏と対決していく事になりました。その上で、長尾氏の有力家臣北条高広に反乱を起こさせました。長尾景虎は北条高広を降しましたが、背後にいる武田晴信との対立が深まりました。１５５５年、信濃国善光寺の国衆・栗田鶴寿が武田方に寝返りました。これにより、善光寺平の南半分が武田氏の勢力下に置かれ、善光寺以北の長尾方諸豪族への圧力が高まりました。長尾景虎は善光寺奪回のため善光寺平北部に出陣しました。栗田鶴寿と武田氏の援軍兵３０００は、栗田氏の旭山城（長野県長野市）に籠城しました。長尾景虎は旭山城を封じ込めるため、前進拠点として葛山城を築きました。武田晴信も旭山城の後詰として川中島へ出陣し、犀川を挟んで両軍は対峙しました。長尾軍が犀川を渡って戦いをしかけましたが決着はつかず、両軍は２００日余に渡って対陣する事になりました。兵站線の長い武田軍は、兵糧の調達に苦しみました。長尾軍の中でも動揺が起こり、長尾景虎は諸将に忠誠を確認する誓紙を求めました。１１月２８日、駿河国の今川義元の仲介で和睦が成立し、両軍は撤兵しました。和睦の条件として、武田晴信は須田氏、井上氏、島津氏など北信濃国衆の旧領復帰を認め、旭山城を破却する事になりました。これにより長尾氏の勢力は、善光寺平の北半分（犀川以北）を確保しました。その後、武田晴信は木曽郡の木曾義康・義昌父子を降伏させ、南信濃平定を完成させました。
その次の次に、関ヶ原の戦い：宇土城の戦いです。１６００年、小西行長が西軍に呼応すると、加藤清正は徳川家康から肥後・筑後の切り取り次第の御内書を取り付けました。１０月、加藤清正は豊前国・黒田官兵衛を応援のため豊後国へ出陣しました。しかし、豊後戦線が黒田官兵衛の優位になると直ちに軍を反転し、宇土城攻撃に取りかかりました。前哨戦である「石ノ瀬口の戦い」、翌日の「宇土城下の戦い」を経て宇土城へ到着し、５方向からの惣攻めが開始されました。宇土城は小西行長の弟で城代・小西行景が南条元琢・内藤如安と共に守備しました。小西行景は薩摩に援軍を要請し、島津義久は島津忠長・新納忠元らを肥後に派遣し、肥後水俣城に籠って芦北を攻めるなどしました。１１月には三ノ丸を抜き、本丸・二ノ丸の攻防戦に入りました。しかし、小西行長の家臣・加藤内匠、芳賀新伍により「関ヶ原本戦」での西軍の敗戦と小西行長の刑死が城内へ伝えられました。これにより、小西行景は家臣全員の助命を条件に１１月2８日に開城し、その翌日に熊本城下・下河元宜の屋敷で切腹しました。その後、宇土城は加藤清正が所有する事になります。加藤清正は、戦後の論功行賞で小西行長の旧領・肥後南半を与えられ、５２万石の大名となります。
最後に、鹿鳴館が開館です。「鹿鳴館」は、外国からの賓客や外交官を接待するために明治政府によって建てられた社交場です。当時の極端に走った欧化政策を象徴する存在でもあります。鹿鳴館を中心にした外交政策を「鹿鳴館外交」といいます。計画を推進したのは外務卿・井上馨です。当時の日本外交の課題は「不平等条約改正交渉」、特に外国人に対する治外法権の撤廃でした。日本に住む外国人の多くは数年前まで行われていた磔刑や打ち首を実際に目撃していました。外国政府は自国民が前近代的で残酷な刑罰に処せられる事を危惧して、治外法権撤廃に強硬に反対していました。そのため井上馨は日本の欧化を推進し、欧米風の社交施設を建設して外国使節を接待し、日本が文明国である事を諸外国に示す必要があると考えました。それまでは外国賓客の迎賓館として準備された建物はなく、１８７０年、急遽改修した浜離宮の延遼館か、あるいは港区三田の蜂須賀侯爵邸などを借用していました。「鹿鳴館」の建設地は内山下町の旧薩摩藩装束屋敷跡（現在の千代田区内幸町、現帝国ホテル隣のＮＢＦ日比谷ビルの地）に決まり、１８８０年に着手しました。途中で規模変更があり３年がかりで１８８３年７月、落成しました。設計はお雇い外国人のジョサイア・コンドルです。施工は土木用達組（大倉喜八郎と堀川利尚との共同出資で設立した組織）が担当しました（大倉喜八郎が創立した大倉組商会の建設部門は大成建設株式会社の源流）。煉瓦造２階建てで１階に大食堂、談話室、書籍室など、２階が舞踏室で３室開け放つと１００坪ほどの広間になりました。バーやビリヤードも設備されていました。「鹿鳴館」落成の明治１６年より明治２０年までの時期が「鹿鳴館時代」です。明治１６年（１８８３年）１１月２８日、１２００名を招待して落成の祝宴が行われました。「鹿鳴」は詩経の「鹿鳴の詩」に由来し、来客をもてなす事を表す語で、中井櫻洲が名付けました。祝宴当日は井上馨の誕生日でした。鹿鳴館では外国からの賓客接待ばかりでなく、天長節（１１月３日、明治天皇誕生日）の祝賀会行事をはじめ、数々の国内行事も行われるようになりました。これらの夜会、舞踏会、高官婦人による慈善事業などが世間の注目を集めました。一方、欧化政策を批判する国粋主義者は「嬌奢を競い淫逸にいたる退廃的行事」として非難の声を挙げていました。また当時は、日本の政府高官やその夫人でも大部分は西欧式舞踏会のマナーやエチケットなどを知らず、その物の食べ方、服の着方、舞踏の仕方などは、西欧人の目からは様にならないものでした。西欧諸国の外交官も連夜の舞踏会を楽しみながら、その書面や日記などにはこうした日本人を「滑稽」などと記して嘲笑していました。また、ダンスを踊れる日本人女性が少なかったため、ダンスの訓練を受けた芸妓が舞踏会の「員数」として動員され、さらに高等女学校の生徒も動員されていました。井上馨の「鹿鳴館外交」への風当たりは次第に厳しいものとなり、さらに「条約改正案」が世間に知られると、大反対が起こりました。面目を失った井上馨は１８８７年９月に外務大臣を辞任しました。「鹿鳴館時代」はこうして井上馨とともにその短い歴史に幕を下ろす事になりました。１８９０年に宮内省に払い下げられ、華族会館が一部を使用しました。１８９４年６月２０日の「明治東京地震」で被災し、修復後に土地・建物が華族会館に払い下げられました。「旧鹿鳴館」の建物は１９２７年、日本徴兵保険会社（大和生命保険を経て現在は、プルデンシャルジブラルタ ファイナンシャル生命保険）に売却された後も保存されていましたが、１９４０年に取り壊されました。「鹿鳴館」の正門として使用された「旧薩摩藩装束屋敷跡」の通称「黒門」は旧国宝に指定されていましたが、１９４５年、空襲により焼失しました。
今日の誕生日：細川忠興、宇野千代、向田邦子、常陸宮正仁親王、城卓矢、里見浩太朗、渡辺篤史、与那城ジョージ、大口広司（元ザ・テンプターズ）、あべ静江、大貫妙子（元シュガー・ベイブ）、松平健、馬淵史郎、松木安太郎、小木茂光（元一世風靡セピア）、安田成美、原田知世、蓮舫、ｋｅｎ（Ｌ’Ａｒｃ〜ｅｎ〜Ｃｉｅｌ）、堀内健（ネプチューン）、名波浩、松雪泰子、升野英知（バカリズム）、樽美酒研二（ゴールデンボンバー）、河井ゆずる（アインシュタイン）、吉井小百合、河北麻友子、高見奈央（元ベイビーレイズＪＡＰＡＮ）
今日の記念日：税関記念日、洗車の日、太平洋記念日、いいニーハイの日、フランスパンの日、いい地盤の日、Aｍazonアプリストアの日
今日の「今日訓」：本日は、１８７２年１１月２８日に運上所の呼称を「税関」に統一する事が決定された日で「税関記念日」となりました。１５２０年１１月２８日に、ポルトガルの航海者フェルディナンド・マゼランが、後に「マゼラン海峡」と命名される南米大陸南端の海峡を通過して「太平洋」に出て「Ｅｌ Ｍａｒｅ Ｐａｃｉｆｉｃｕｍ（平穏な海）」と命名した事で「太平洋の日」、２０１２年に日本で初めてAmazonアプリストアのサービスを開始した事で「Aｍazonアプリストアの日」、「い（１）い（１）ニー（２）ハイ（８）」の語呂合わせで「いいニーハイの日」、４と２８で「ヨイツヤ（良い艶）」、１１と２８で「イイツヤ（良い艶）」と読む語呂合わせから、４月２８日と１１月２８日は「洗車の日」、「い（１）い（１）フランス（２）パン（８）」の語呂合わせで「フランスパンの日」、「い（１）い（１）地（２）盤（８）」の語呂合わせで「いい地盤の日」となりました。
ログインしてコメントを確認・投稿する