大根の煮物

大根の煮物をストーブの上で弱い火で煮ている。今日は２０本ほど収穫して畑の隣家と親戚に分けてきた。まだ畑には２０本はあるが、来週以降少しずつ収穫する。

食べ物にはほとんど好き嫌いがなく、外国へ行ってもこれはちょっと食えんなというものはなかった。だがそれでも不得手なものは3つあった。カボチャと大根と里芋である。カボチャは大人になって食べられるようになったが、大根が食べられるようになったのは50代になってからかな。里芋は今でも食べられない。食べると吐いてしまう。だからおでんはずっとたべられなかった。

大根が苦手だったのは、昔この時期になると母親がいつも大根をストーブの上で煮ていて、その匂いが我慢できなかったのだ。母も父も山の中で育ったので、よく言えば季節感のある、わかりやすく言えばその時期には同じ物が延々続くのだ。いつも居間には豆か大根が煮てあった。だからずっと食べなかった。母の口癖は「豆を食べると声が良くなる」と「豆を食べるとマメになる」だった。嫌がらずに食べていたらもっとマシな人間、マシな声になってたかもしれない。

今こうして部屋中に煮物の匂いが充満していると昔を思い出す。今日は手羽とうすあげを入れた。