古都の晩秋

　駅前に降り立って仰天。
見たことのないような群衆。学ランに制服のブレザーに老人たちの団体。タクシーの乗り場やバス乗り場には果てしなく続く列，列、列に人の波。
ようやく乗ったタクシーで洛北の紅葉を目指す。川沿いの近道を目指すが、目的地を前に大渋滞。狭い道にバスの列。間に県外の自家用車の群れ。
業を煮やして、流石の運転手さんが口を開く。
「道がお分かりなら、ここで降りられて…。」
勿論、従う。土手沿いは写真スポットとて，３，４０人の塊が続く。写真屋さん、添乗員に先生方のかすれた声が飛び交う。狭い小路は、ワンサカの人、人、人。
この街に、通って半世紀、こんなに人が溢れたのは見たことが無い。