文科省と統一教会の「関係」はなぜ生まれたか? その「隠された歴史」をさかのぼる
11/6(日) 20:03 現代ビジネス 配信より
https://news.yahoo.co.jp/articles/62e657956727f8c8a02b995ca2407456cbdc43a1?page=4
現代ビジネス
宗教法人の「表と裏」
もっとも、これは、あくまでも反共主義という政治イデオロギーを原点にしながら、宗教ビジネスに宗旨替えした統一教会の「表の世界」の話でしかすぎない。治安当局が「特異な集団」と名づけた、その先にある「裏の世界」は、一向に可視化されないでいる。
1987年の朝日新聞阪神支局襲撃事件に始まる一連の「赤報隊事件」の捜査対象に、統一教会関係者が数名上がったことがある。事件はすでに時効となったが、朝日新聞でこの事件の取材班のメンバーを務めた人物が、近著(樋田毅『記者襲撃』)のなかで、元信者の証言として、教団の関連団体には秘密の軍事組織があり、武闘訓練もしていたと、宗教組織の裏側をうがってみせた。
あまたある宗教法人・団体の中で、治安当局が「表か裏か」を選別する基準は、その組織が暴力装置を持つか、持たないかなどにあるようだ。具体的には、(1)先の赤報隊事件を巡る軍事組織(銃、盗聴・尾行等の諜報活動)、(2)非公然の司法セクションやマスコミ・世論対策のオペレーショングループ(例えば、スラップ訴訟)が想定される。
いずれも、目的は、組織の理念を実現するため、あるいは、外部からの攻撃に対抗する「組織防衛」のために用いられるのだろうが、今回も旧統一教会が、早々とテレビ番組での出演者の発言で名誉が傷つけられたとして、出演した弁護士のみならず、読売テレビ、TBSの放送局を相手取って、賠償と謝罪放送を求める「スラップ訴訟」を起こした。これも合法的な「威嚇と牽制」という「暴力」による、れっきとした「言論封じ」である。
また朝日新聞が10月20日付け朝刊の1面トップで「旧統一教会側、自民党議員に『政策協定』 選挙支援見返りに署名求める」と報じた。“スクープ”かと思いきや、その後これといった続報もなく、逆に政権内から署名した政務三役らが平然と名乗り出るなど、不可解な点が多く、解散請求に前のめりになり始めた岸田首相を揺さぶる、情報戦の一つと官邸側も警戒感を強めている。
その脈絡で言えば、創価学会が、政界進出から勢力拡大への移行期に相次いで引き起こした、「言論出版妨害事件」(1969年)、「日本共産党・宮本顕治委員長宅電話盗聴事件」(1970年)も、「統一教会問題」の前史と言えるかもしれない。
また統一教会と公安警察との攻防については、本サイトですでに詳述した(7月29日)が、一つ付け加えるとすれば、教会信者、関係者らと自衛隊との接点が、公安当局によって何度も確認されてきたことである。自衛隊は警察組織と同じ、武力集団であり、公安警察も思想集団や宗教団体と自衛隊員との関わりを厳しくチェックしてきた。
オウム事件でも、マインドコントロールによって自衛官の取り込み工作が行われたが、このときは自衛隊側の刑事責任は不問に付された。それだけに、軍事組織を持つといわれる統一教会が、宗教組織の枠内に収まるのか、見極めるのにはまだ時間を要するようだ。「反社会的」と名指しされながらも、政治を“安全弁”にして「表社会」と棲み分けてきた暴力団組織が生きながらえる「裏社会」とは、捜査権力からしても、どうやら勝手が違うようだ。
最後に、被害者救済や解散請求といった行政の「不作為」は、先述したコラムではないが、「岸田首相、各省庁の背中を押して」に尽きるのだろう。ただ、統一教会問題の「空白の30年」が、衰退期に入った日本の「失われた30年」と時代的に重なっていることを考え合わせると、若干不安を覚えるのは私だけだろうか。
「被害救済の法整備」に絡み、自民、公明、立憲、維新4党が共産、国民、少数野党を蚊帳の外に置いた「談合政治」の復活で、「統一会問題」は玉虫色の“決着”で終わりそうなのが気がかりである。だからこそ、政界の「教会除染」は、私たち有権者の「覚悟と行動」が問われることになる。
川邊 克朗(ジャーナリスト)
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最終更新:11/6(日) 20:03 現代ビジネス
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