18980722 NO5614 韓国問題に関連する日露議定書に関する件
자료일람 | 한국사데이터베이스 (history.go.kr)
012_0120_0190 駐韓日本公使館記録 12巻 一二. 本省往来信 (19) [韓国問題に関連する日露議定書に関する件]
文書題目 (19) [韓国問題に関連する日露議定書に関する件]
文書番号 送第四七号
発信日 明治三十一年七月二十二日 ( 1898年 07月 22日 )
発信者 外務大臣 伯爵 大隈重信
受信者 在韓 弁理公使 加藤増雄
(19) [韓国問題に関連する日露議定書に関する件]
送第四七号
韓国問題に関する日露両国間締結の議定書が、本年五月十一日の露国官報に発表された件について、別紙の通り在同国・林公使より申報がありましたので御心得のためこの写しをここに差し進みます。
明治三十一年七月二十二日
外務大臣 伯爵 大隈重信 印
在韓 弁理公使 加藤増雄 殿
[別紙]
文書題目 韓国に関する日露議定書が当国官報で発表された件（＊林公使より申報）
韓国に関する日露議定書が当国官報で発表された件
(送第二十九号)
韓国に関する日露協商の事がついに去る四月二十五日に調印が成立しました事、及び同議定書が五月十日発刊の官報で公布されました事は、同じく去る四月二十五日発第四十四号、及び去る五月五日発第四十七号の貴電をもって御報せいただきました。
当国においては、一昨十日は官報の休刊日に当たりましたので、昨十一日の官報において発表致しました。
先ず冒頭に
「日清戦争終了以来、露国政府の注意は韓国の主権及びその完全な独立を担保することに終始向けられている」
と述べ、次に
「当邦（韓国）、この未熟な国の財政及び兵備の組織に完全な基礎を設定しようとするには、当然外国の援助を求める外はなかった状態であり、そのため韓国君主は一八九六年において我が露国皇帝陛下に対し、露国の訓練士官及び財政顧問官を京城へ差し遣わせていただきたい旨をねんごろに懇願して来ていた。これに対し露国が時機に適した援助を韓国に与えたので、今では韓国はその政治上全く独立をもって行動し得る状況に達している。
この事情から、露国及び日本は両国はそれぞれこの韓国半島の新形勢に対する各自の関係をはっきりと確定する目的で、互いに友誼的意見の交換を行う事ができるようになっているので、両国はモスコー条約の補充として、下記のような議定書を締結し、これに在東京・露国公使は皇帝陛下（＊ロシア皇帝陛下）の命によって調印した。
この議定書の主要な規定により、
『両国は韓国の主権及び完全な独立をはっきりと確認する事に同意し、さらに同国の内政に対する一切の干渉をしない事を互いに約定し、もし韓国が両国の一方から援助を借りようとする必要を認める事があっても、露国及び日本は互いに予め交渉する事なくてなこれに関しなんらの処置をもしない事を約束している。』云々
と書き下し、次に議定書の全文を掲げて、終りに
『上述の外交文書は、日露両大国が絶東において広大で、且つ互いに衝突しない所の利害を有し、おのおのが未熟な韓帝国の独立及び内政の秩序を促進し、相隣の半島において平和を担保する事の必要を認めたる事を説明するものにして、この友誼的協商の締結により、露国は太平洋沿岸において多年経営せる平和的問題の実行に向って全力を尽す事ができることになっている」云々
と結んでおります。なお原文官報、及び「ジユルナル•ド•サン•ベーテルスブール」より仏文を切抜き差し進みますので、御査閱頂くよう致したく、この件を申し進みます。 敬具
明治三十一年五月十二日
在露国 特命全権公使 男爵 林董
外務大臣 男爵 西徳二�� 殿
追記 この議定書の発表について当地新聞紙「ノウヲスチ」及び「ノウヲエ•ウレーミヤ」の説及び評論がありますので、なお御参考のため訳書を添付に及びました。
付箋 別紙付属の原文官報、並びに「ジユルナル•ド•サン•ベーテルスブール」の切抜きは略す。
[別紙][付属書 一]
文書題目 韓国に関する日露議定書の発表に関する「ノウヲスチ」の評論(五月十二日)
韓国に関する日露議定書の発表に関する「ノウヲスチ」の評論(五月十二日)
韓国に全く他国の干渉を受けないようにさせる事に関して露政府が日本政府と締結した条約は、昨日の政府通告書をもって公示されているが、これは実に絶東（＊極東）における我が政界の最近の手腕と言うべきである。振り返れば、我々は僅かに三週間前、日露の同盟での問題を掲げて論述したのであった。
そもそも日本は太平洋上においてなくてはならない我が同盟国である。我々がまだ日英同盟が成立したことを耳にしていないのは、取りも直さず日本が、その利害が我が露国と相関連していることを認めるからである。
日本は、英と友誼を厚くする価値を知るとともに、比較的に我がロシアとの交わりを滑たかにすることを悦ぶ国である。我々はどこから見ても、我々に出す手を取って握手しない理由を見いだせない。
一方韓国は日露間にもめ事を生じる唯一の地である。日本人に取ってはこの半島は由�卆�からざる事あたかも手放せない幼児のようであるが、露よりこれを見る時は、まことに無用の死地であるに過ぎない。それなのにどうして東方の地において多年にわたって武裝的平和を維持し、ついには避けられない軍争の犠牲となる必要があろうか。朝鮮半島はこのような犠牲のため万分一でも値いしない土地である。
このような状況であるからこそ、昨日の横浜電報にもあるように、朝鮮半島に関する日露新条約の締結は促されたのである。とにかく既に一度日露両国の同意が成立した以上は、更に進んで強固な同盟条約を締結するのもまた決して難事ではないであろう。
この度締結された日露条約は、たとえなおまだ僅かに該半島における両国の商工業上、及び両国が有する勢力の範囲を取り決めただけであるが、従来朝鮮国の独立は日本外政上の利益とする所であることから見れば、この新条約こそ即ち日露の同盟条約である。
したがって我が政府は通告書中に充分な自信をもって
「同該友誼的条約の締結は、ますます露国を専ら太平洋沿岸において多年経営してきた平和的問題だけに力を用いることができる希望を開かせた」
と宣言することになった。
政府が所謂平和的問題たるや、広漠限りない我が帝国の辺境を相接近せしめ、太平洋に臨める諸隣邦と共に永久平和的事業を確立し、露領アジアの工業をして外国市場に向わせる良門を開こうとするわけである。
[別紙][付属書 二]
文書題目 「ノウヲエ•ウレーミヤ」の評論
「ノウヲエ•ウレーミヤ」の評論
(前写真一葉欠文)…
…において所有する商業上の優勢は、どのような場合があるとしても、他の外国がこれを有するより、われわれに対しては多くの不便を与えないのである。
この度の条約に関しては、日本の愛国狂の新聞紙類が前後を顧みて妄りに絶叫しないでいることは、我々と日本人との関係が友好・親密であるため、ただ我が露国に取ってのみならず、いわゆる他帝国に取ってひとえに望ましい事があるであろう。
さて東京政府は真実誠実にこの条約を重んじこれを拒まないことはできないであろうから、必ず朝鮮に関しなにか短慮な突然の行動によってこの後関係を傷つけないように戒心しないわけにはいかない。日本人さえ控えめに行動すれば、この好関係を初歩としてさらに一層の友誼を受け入れることが出来るだろう。
今や満州鉄道は世界商業及び日本人のために満州を開放しようとしている。この時機に当って日本人はその政府（＊清国政府）と露国政府の間にどのような約束が存在するのかについて冷然としてはいられないであろう。
またかつて旅順・大連が我が露国の手に渡った際、二三の外交国がしきりに露国の意向を減殺しようとの希望を懐いていた事は明らかな政略であったが、この度の日露新条約は実に著しき程度まで極東におけるこれら諸国の進歩を促すことができるものである事は全く言外に置く必要のないことである。
（＊二三の外交国が）前記のような希望を懐いて、
「日本に韓国全体を獲得させる事とすればついには反露的同盟国中に日本を誘致できるだろう」
と主張した事はまた疑うべくもない。実に英国においては新たな意見が公然と表白されている事があるが、今より以後は最早容易にこのようなことを公言できないであろうし、少なくも社会公衆は傾聴するだけの信頼を置かないのである。
ログインしてコメントを確認・投稿する