なんと破滅的な！

10月17日(月)。


阿部薫はボクの目の前に突然現れて突然消えたがその後も阿部薫にうなされるようになった。
彼を追いかけて彼が東京の根城にしていた幡ヶ谷の「騒」に話を聞きに行ったり、福島県の「ぱすたん」と言うジャズ喫茶に阿部薫の生活ぶりを聞きに行き、ここでライブをたくさんやったので音源やビデオを回したものがある。なんとか世の中に出せないものかと相談されたことがある。
その過程で女性関係が明らかになった。
阿部薫は結婚していて子どももいる。
結婚相手は鈴木いずみ。


鈴木いずみ。うわー！
鈴木いずみは阿部薫を知る前から知っていた。
ピンク映画の女優をしながら作家活動もしていて、ある種ピンクグラウンドのヒロインだった人だ。
ボクは新宿の喫茶店で一度見かけてその肉体的重量に目が眩んだことがある。

鈴木いずみを見かけたことがもう一回。
映画「俗物図鑑」の打ち上げの会場でのこと。
一体鈴木いずみがこの映画とどう言う関係があるのか知らないがとにかく賑やかに笑っていた。
後で調べると写真家荒木経惟と繋がりがあったみたいだから、その関係だろう。

阿部薫は1978年に29才の若さで死亡した。
「俗物図鑑」は1982年公開。
鈴木いずみは1986年 健康を害して生活保護を受けながら首吊り自殺した。
なんと過激な！なんと破滅的な！
この二人をモデルにした小説「エンドレスワルツ」が発表され映画も制作された。
こんなドラマチックな二人はなかなかいない。
格好の題材だったろう。
しかし、そっとしといてやれよ。