小説 夢幻世界の迷い人
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BJDXJKCB/ref=cm_sw_r_tw_dp_YEXSJ28A8MQNVCW7Z4D9
17日にイタリアでゲームブック「夢幻世界の迷い人」の英語版のGAMEBOOK「Lost in an Infinite World」が売れ、イギリスでそのペーパーバック版が売れていましたので、初の小説の英語版も書いてみようかとまずは日本語版をと出版したものです。
ゲームブック版をクリア後に読むことをおすすめします。小説版のペーパーバック化はたくさん読まれたらしようと思います。ページ数が少ないので、そのときは安めで。
午後10時35分、君は2階の自分の部屋に向かった。パジャマに着替えると、暖かい毛布に頭までもぐり込み、右腕だけ伸ばして目覚まし時計をセットする。自転車通学の君は、いつも朝7時に起きる。
今日は特に疲れたようだ。君はすぐに深い眠りに落ちていく。
「ジリリリリ……」
まだそれほど眠っていないようなのに目覚まし時計が鳴った気がした。どうもセットする時間を間違えたらしい。
目覚まし時計を止めるために右腕を伸ばす。右手は空を掴んだ。寝ている間にベッドの下にでも転がったのかと思い、寝ぼけ眼をこすりながらゆっくりと上体を起こす。
「……」
君は目を見張る。殺風景で何もない小さな部屋にいたからだ! 自分の部屋ではないことは、まだ少し寝ぼけている君でもすぐにわかった。
天井は低く、窓はなく、左手側の壁の中央にドアが一つある。床に目を向けると、一面に魔法陣のような円形の奇妙な模様が描かれ、君はその中心にいる。おまけにパジャマを着て寝たはずなのに、白いTシャツと青いジーパンという格好になっていて、さらにはスニーカーを履いているではないか!
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