深層リポート
岩手発 参院選でどう動くか小沢王国の有権者 3月の奥州市長選で現職大敗
2022/6/11 08:00
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小沢一郎衆院議員(石田征広撮影)
3月初め、4選を目指す現職に新人がほぼ3倍の得票で圧勝した岩手県奥州市長選に注目が集まった。奥州市が立憲民主党の小沢一郎氏(80)のお膝元であり、小沢氏が選挙区で初めて敗北を喫した昨年10月の衆院選後に初めて行われた市長選だったからだ。現職大敗の影には、これまでとは違った有権者の動きがあったとみられる。夏の参院選では果たしてどう動くのか注目される。
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奥州市長選(3月6日投開票)はいずれも無所属で、元飲料メーカー役員で新人の倉成淳氏(65)と4選を目指す現職の小沢昌記氏(63)が激突した。得票数は倉成氏の4万625票に対して小沢昌記氏は1万3760票と伸び悩み、2万6865票もの大差がついた。
奥州市は、水沢市、江刺市、前沢町、胆沢町、衣川村の5市町村が合併して平成18年に誕生した。地縁、血縁の濃い土地柄で、市長選は合併前の各自治体を代表する候補の対決が続いた。このため小沢一郎後援会は特定候補を表立って支援することはなかった。特定候補を支援してしこりが残れば、国政選挙にも影響しかねないからだった。
ところが、今回は様子が少し違った。告示まで3週間に迫った2月6日、倉成氏の後援会事務所開きに小沢一郎氏の側近、地元選出の郷右近浩県議が出席したのだ。昨年10月の衆院選岩手3区で小沢一郎氏に初勝利した自民党の藤原崇氏(38)の選対総括責任者で奥州商工会議所前会頭の海鋒(かいほこ)守氏も同席。地元紙で�犖皹枡噂��瓩半匆陲気賚誕蠅砲覆辰拭�
地滑り的勝利
今回の市長選、市立医療施設集約を柱とする「市立病院・診療所改革プラン案」で不評を買った現職の小沢昌記氏には、批判的な空気が流れていた。小沢一郎後援会は従来通りのスタンスで市長選に臨んだが、�犖皹枡噂��疂麁擦�小沢一郎支持者に倉成氏投票へのゴーサインに映ったとしても不思議はない。
新人の倉成氏は3年前にUターンしたばかり。知名度は現職の小沢昌記氏が圧倒的に上だった。倉成氏は「政党色を出したくない」と議員にも極力会おうとはしなかったという。それが、当選した倉成氏本人も「これほど差が開くとは思わなかった」と驚く圧勝。地滑り的な勝利だった。
倉成陣営の選対関係者は「(一騎打ちになった)今回は勝てる選挙だった。3人立候補した前回の負けた2人の票の合計が小沢(昌記)さんの票を上回っていた。(加えて)経済界を中心に4年前に現職を応援した人の多くが、今回は倉成陣営に移ってきたから」と明かす。
後援会存在薄く
岩手県政界は小沢一郎氏を盟主とする小沢王国が四半世紀以上も続いてきた。しかし昨年10月の衆院選では、小沢一郎氏が初めて選挙区で敗北、比例東北ブロックで復活当選したものの、高齢化が進む後援会の弱体化は隠しようがなかった。市長選では表立って動かないとはいえ、今回の市長選では特に後援会の存在感が希薄だった。
衆院岩手3区の小沢氏の敗北は自民党を勢いづかせている。今夏の参院選では岩手選挙区(改選数1)に弁護士の広瀬めぐみ氏(55)を擁立し、30年ぶりの議席奪還に攻勢をかけている。迎え撃つのは小沢氏の元秘書で再選を目指す木戸口英司氏(58)。今回は達増拓也知事の後援会が野党共闘の受け皿となり前面に出て戦うことになる。果たして小沢王国はどうなるのか、注目の選挙となる。
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【小沢一郎氏】 昭和17年5月、東京生まれ。急逝した父、佐重喜氏の後継として44年の衆院選で旧岩手2区から出馬、27歳の若さで初当選した。比例復活も含め18回連続当選は現役最多。自民党時代には自治相兼国家公安委員長、内閣官房副長官、党幹事長を歴任、野に下り新生党代表幹事、新進党党首、民主党代表、自由党代表などを歴任、2度の政権交代を実現した。岩手県選出の国会議員の多くを自派で占め、小沢王国と呼ばれてきた。民主党が政権を奪取した平成21年の衆院選では県内4選挙区で自派が勝利、参院選は平成13年以降無敗だ。
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【記者の独り言】 「剛腕」の異名をとった小沢一郎氏が自民党を飛び出し政権交代を実現させた平成5年は奥州市(当時は水沢市)に勤務していた。それから28年たった昨年10月、まさか同じ岩手県に勤務していて、小沢氏の選挙区での敗戦に立ち会うことになるとは思いもよらなかった。さて、小沢王国の行方はどうなるのか、いよいよ目が離せなくなってきた。(石田征広)
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