昨日の仕事の帰り、自宅近くでのこと。
僕は点字ブロックの上をゆっくり歩いていた。
そこへ白杖に強い衝撃!
その後、前方で何かが転げる音と若い女性の小さな悲鳴。
どうやら女性が運転する自転車がまともに僕にぶつかって来たようだった。
女性は完全に転倒し、痛みもあってなかなか起きれそうにない。
僕は手探りでその自転車に手をかけて起こそうとしたが、傍にいた男性が起こしてくれていた。
僕のほうはと言うと全くの無傷。
白杖が全面的に受け止めてくれて、僕自身には痛みの一つもない。
僕は最初、「見えていなかったの〜!?」と声をかけたが、相手はそれにも答えられないくらい痛そうだった。
おそらくは相手の不注意、もしかしたらスマホを診ながらの運転だったのかもしれない。
でも、僕にはどうだったのか伝わっても来ないし、追及するほどのダメージがあったわけでもない。
かえって相手のほうがダメージが大きいようだし、なんだか申し訳なくなって来た。
少々のことでは転ばないおじさんにぶつかったのが不運だね。
僕は相手がぶつかって来た瞬間、反射的に白杖に力をこめたから、軽く押し返した形になったんだろう。
女性もある程度落ち着いて来たようなので、こちらも「転ばしてしもてごめんね」の気持ちをこめて一応謝罪をしてその場を立ち去った。
あちらが100%悪いのかもしれないし、かと言ってこちらにはさほどの迷惑がかかったわけでもないが、あまりいい気分ではなかった。
それにしても自分の白杖がご主人様をお守りする任務を果たしたことに感心するばかりだった。
この白杖は買った時から重いものを売りつけられたもんだと不満があったけど、感謝せねばと思ったしだいだ。
まさに魔法の杖だわ!
杖のほうでは「今更なんだよ〜!この薄情者!」と思ってたかもしれないが…。
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