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2022年10月05日21:05

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Sinfonia Dramatique 第12回演奏会

新鮮な作品の数々を心から楽しんだ演奏会。

☆Sinfonia Dramatique 第12回演奏会
■2022年9月19日(月祝)13:00開場/13:30開演
■ティアラこうとう大ホール
■曲目
♪チャイコフスキー/交響曲第2番 ハ短調 op.17  ※1872年原典版
♪プロコフィエフ/シンフォニエッタ イ長調 op.5/48
♪プロコフィエフ/交響曲第1番 ニ長調 op.25 「古典」

9月19日、台風14号の接近により関東地方の天気も大荒れだった。
住吉駅で豪雨に見舞われた私達はA4出口から出られなくなった。
多少、小降りになったところで何とか会場に移動できた。
悪天候の影響で、いつもより聴衆が少なかったが已むを得まい。
演奏会が無事に開催されて何よりだった。
フォト


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プログラムを見て、曲順に驚いた。
思っていたのと全く逆だった。
てっきり小規模な「古典」が前プロで、大規模なチャイコフスキーがメインかと思っていた。
聴いてみたら、これは納得の曲順だった。
チャイコがメインでは、奏者も聞き手も集中力が持たなかっただろう。

♪チャイコフスキー/交響曲第2番 ハ短調 op.17  ※1872年原典版
チャイコの初期交響曲には全く疎いから、会津で「冬の日の幻想」を聴く前のように、今回もYouTubeで予習した。

カラヤンの古い録音と、ゲルギエフによるライブ録音を聴いた。
カラヤンの演奏は改訂版によるもので、ゲルギエフのは原典版による演奏だったようだ。
カラヤンの演奏では、第一楽章が短すぎて物足りなかった。
ゲルギエフのは素晴らしい演奏で、ゲルギエフの実力を見直したほどだった。
改定版より原典版の方がずっと面白いという印象を持った。

さて、佐藤氏と劇響の演奏だが、大変素晴らしかった。
ゲルギエフの演奏にも引けを取らなかったと感じた。
私は終始心から楽しんだ。

劇響のツィッターでは「変な曲」というのを売り文句にしていたが、私は「変な曲」に対しては強力な免疫があるので、全く平気だった。
チャイコフスキー自身が、自作の良さを見失って「支離滅裂」と評したが、私は熱い歌心が全編に流れていて、非常に首尾一貫した曲と感じた。

後期の交響曲を基準に考えるから「変な曲」に聞こえるのであり、私はむしろ若き日のチャイコフスキーの膨張し続けるファンタジーに大いに魅力を感じた。
もちろん、晩年の「悲愴」も非常に大胆だが、初期の交響曲も別の大胆さがあり、前衛的ですらあると感じた。
私が似ていると感じたのは、マーラーだ。
特に、交響曲第7番のデーモニッシュなファンタジーや、膨張していく感じは似ていると思う。
溢れる新鮮さや活力に、聴いていてワクワクが止まらなかった。
前プロからスタンディングオベーションである。
他の人が立たないことの方が理解できない(笑)


♪プロコフィエフ/シンフォニエッタ イ長調 op.5/48
これも全く聴いたことがなかったから、動画で予習をした。
どこかのアマオケの演奏で、割と上手いオケなのか、音楽は流れていたが、よく聴くと縦の線は至る所揃っていなかった。
リズム的に非常に合奏しづらい曲なのだなと思った。

劇響の演奏は、縦の線も揃い、音楽が心地よく流れていた。
この曲は、のどかな感じを基調としながら、想像力の赴くままに楽しんで書いている感じがする。
よくよく聞けば、全5楽章のうち奇数楽章は同じテーマによるアレンジだと分かったが、プロコフィエフの曲にありがちな「狙って」書いている感じがしない。
そこがいい。
非常に楽しく聴くことができた。

♪プロコフィエフ/交響曲第1番 ニ長調 op.25 「古典」
この曲は、バーンスタインやデュトワの演奏で聴き馴染んでおり、全曲記憶している。
今回のプログラムの中で、一番シンプルで、分かり易い曲だと思っていたが、「分かり易い」≠「弾き易い」だったようだ。

開始直後から、あまりに遅いテンポに驚いた。
第一〜第三楽章までは、史上最も遅いテンポの演奏だった。
佐藤氏がそのテンポを望んだというより、アンサンブルの破綻を少なくするために必要な遅さだったように聞こえた。
特に第一楽章では第一ヴァイオリンが手こずっていて、思わず会津市民オケの「こうもり」序曲を思い出したほどだった。
それでも、第二楽章では、思わずうっとりと聞き惚れた部分もあった。
近年の劇響の美しい響きやハーモニーを存分に味わえた演奏だった。。

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今回、一番良かったのはチャイコフスキーだったが、プロコフィエフの曲も面白くて、心から楽しめたコンサートだった。
劇響は挑戦的なプログラミングで、いつも楽しませてくれる。
悪天候など、困難を乗り越えて演奏会を開催してくれた劇響と佐藤氏には、感謝の気持ちしかない。

今年度は、まだまだ意欲的、野心的な演奏会が目白押しで控えている。
多くの方々に聴きに行っていただきたいと思っている。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1982206961&owner_id=26363018
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