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2022年07月30日19:10

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死刑制度の賛否と、制度存続の難しさ

■秋葉原連続通り魔事件、死刑執行で考える「日本の死刑」のリアル(漫画)
(日刊SPA! - 07月30日 09:12)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=81&from=diary&id=7054205

先に言っておきますが、私は死刑制度自体は賛成です。
よって、制度賛成の目線から書いています。
気分を害するという方は、ここでブラウザバック推奨します。

【死刑制度のメリットとデメリット】

死刑制度のメリットは大まかに上げてこんな感じ。

・凶悪犯罪に対する抑止力
・凶悪犯罪者が世に放たれることがない(現在では殆ど0になっているが、無期懲役は制度上では仮釈放がある)
・命を奪った者に対し、命で償うのは当然のことだという道義上の問題
・死刑執行後は後始末こそあれど、その先何十年もかけて対象の相手を生かすためにかかる諸費用が掛からなくなる(死刑囚は労役がないため、生かしていても世間様の役に立つことがない)

デメリットは大まかに上げてこんな感じ。

・冤罪だった場合に取り返しがつかない
・相手が罪人で、法律に基づくとは言え、人が人の命を奪う事が許されるのかと言う道義上の問題
・死刑執行をする刑務官の多大なストレス

【メリットとデメリットを考えれば制度存続は賛成】

私は以下のメリットとデメリットを考えた上で制度存続は賛成なわけです。
上で掲げたデメリットは全て反論される内容ですし。
 冤罪だった場合→現行犯などで冤罪の可能性が0なら問題ないよね?(この、加藤死刑囚など)
 人が人の命を奪う事が許されるのか→その許されないことをやってきたから死刑になるだけの話。
死刑囚が何をやって死刑判決を出されたのか振り返れば、そんな理屈は偽善に過ぎないと言う事はすぐわかる。
 死刑執行に当たる人のケア→ここが一番の問題。
普通に考えて、当該刑務官が被害にあったわけでもないですし、常識的に考えて「世間様に代わって俺が殺してやる」などと考える人は皆無でしょう。
日本の刑法の性格など完全に横に置いて考えるなら、被害者もしくは遺族が希望するなら被害者もしくは遺族に執行ボタンを押させると言った所ですかね。
(この際、日本の刑法は罪に対して罰を与えて償わせるのが目的で、復讐を目的としていないと言う法理論は横に置く)

【仮に死刑を廃止したとして、代わりの刑をどうするのか】

現在、日本の刑法では死刑の次に重い刑は無期懲役です。
無期懲役とはその名の通り「有期ではない」「生きている限りずっと続く刑」です。
無期懲役には仮釈放がある。
仮釈放の審理が始まるのは、現在では収監から30年以上が経った後と言われており、仮に25歳で犯罪を犯して収監され、55歳で娑婆に出ようとしても、高齢となっており、引き受けてくれる身元もおらず、結局仮釈放が認められないと言う事も多々あるとのこと。
こちらの弁護士の記事によると、2013年時点で仮釈放が認められる確率は0.3%程度との記載もあり。

無期懲役とは
https://keiji-pro.com/columns/53/#toc_anchor-1-4-1

そして、それらの厳しい内容をクリアして娑婆に出たとしても、定期的に保護観察官の指導を受けねばならないこと、引っ越しにも制限がかかること、街中で信号無視や喧嘩などをやらかして、一般人ならせいぜい注意や罰金で済むような内容でも問答無用で刑務所に逆戻り。

ただ、どんな理屈を重ねようが、制度や実例について掲げようが、「0.3%だろうが0.01%だろうが、死刑になるような奴が死刑を無くしたために無期懲役になり、出てくる可能性があると言うのはおかしいし、怖い」と考える人もいて、それは当然の事だと思います。

ではどうするのか。
仮釈放のない終身刑を導入するのか。
仮釈放のない終身刑を導入した場合のメリットとデメリットを考えてみましょう。

【仮釈放のない終身刑を導入した場合のメリットとデメリット】

メリットはこんな感じ。

・死刑ではなくとも、その犯罪者は一生涯、外に出てくることは無いので国民は安心できる
・海外に対し、「日本は罪人であっても不必要に命を奪いませんよ」と言うアピールが出来る

デメリットはこんな感じ。

・死刑にすればそれ以上の費用は掛からないが、終身刑にするとそいつが死ぬまで税金で食わせないといけないのか、という国民感情
・無期懲役囚は「もしかしたら仮釈放で出られるかも」と言うか細い希望に縋ることでムショの中で真面目に刑に服するが、終身刑の場合は「どんなに真面目にやってもどうせ出られないんだ」とヤケを起こし、問題を起こしまくるようになることが想定できる。
(例としては労役の拒否。他の懲役囚との喧嘩。刑務官への反抗・傷害。脱獄など)
・希望が無い終身刑のため身も心も消耗し、介護が必要になった場合の刑務官たちの負担

などなど。

そして最後に、「終身刑は命を奪わないから人道的な刑だ」と考えている人がいたら、それは大きな間違いです。
どういうことかと言うと。
死刑の場合は、苦しむのは死ぬその時まで。
終身刑の場合、残りの30年、50年、70年と言う長い長い期間をずっと「自分は外に出られない、一生刑務所の中」と言う絶望の中で生きさせて行かねばならない。
人間は希望が無いと生きていけない生き物であり、パンと水だけでは生きていけません。
それが死刑以上にどれだけ残酷な刑かを考えれば、安易に「命を奪う死刑は残酷だが、終身刑なら人道的」などとは言えないはずです。
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