ジュークハタチ

書いたかも？書かなかったかも？
むかしむかし（結局メモする記憶不安者）

上野、ヤマシロヤ並び（○イ並び、でいーじゃん）の服屋で何か見てた。
仲間数人の内の一人が何か、確か鞄だったか、見たいって言って中に入っていった。

別に鞄どーでも良かったので店の前で待ってた。

すると、外人のおばあちゃんが肩を叩いた。
見るからにカネもってそーなおばあちゃんで、旅行で上野に来てうかれてるんだろうか。

私に対してだけなんかごにょごにょ言ってくる。
まず、それが、なんなんだかよくわからん。
何？何なのよ？としばらくぐだぐだやり取りしてたら、
外で待ってた仲間の一人が察した。

「写真撮りたいんじゃないの？」

ああそうか。上野駅の入り口を背に写真撮りたかったんだね！いいよ！カメラ貸しな！
と手を差し出すと、のんのんのん、と手を振り、
「お前ソコに立て！」と言わんばかりに指差しで指示してきた。

は？
ワシの写真を撮らせろって言ってんの？
なんで？…と、聞いたところで話が噛み合わないのはすでに実証済みで諦めるしかなく
「なんでやねん」感ムキ出しでアゴしゃくれさせて一枚撮らせてやった。

おばあちゃん、シャッターを切り、ファインダから目を外しつつ
「ほわい？」と肩をすくめてすたすた高架下方面にただただ消えていった。

こっちも何が目的なんだかよくわからんかったしほんまに「ほわい」だった。


当時、ちょっと自分でも気に入ってた変なGジャンをよく着てた。
流行りだす前の中田商店で買ったベルト付けポケットとかもつけてた。
そこらへんに面白味を感じた服飾関係のおばあちゃんだったんだろうか。
見た事ないけど。


数十年後


ジャ兄さんが死んだ。
ジャ兄さんってどんな顔してんの？と常日頃思っていたが、
死んだ途端に顔がバンバン流れた。
見て思った。
コノ顔、あのおばあちゃんそっくりやんか！

えええええ。
もしかしてジャ兄さん女装してスカウトして歩いてんの？しかも上野とか。
こええ。
シャクレといて良かった〜っと思った。
居候先の皆様にこの件を語って聞かせるも、
まーた始まったよボケが…て態度。
くそが！


さらに数年後


ジャ兄さんにジャ姉さんがおり、そのジャ姉さんが死んだと報道された。
さすがにジャ兄さんより報道分量は少なかったが、私は見た！
ジャ姉さんの顔を…
それはまさしく、あのおばあちゃんだった。
そーいうことだったのかー。
と、
わかったからなんやねんどしたらええねんて話だけれども。

よかったよ
女装したじじいに写真撮られたわけじゃなかったんだ〜。ホ。
とは思った。