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2022年07月03日21:22

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助け人走るにエバタン

第7話 「営業大妨害」(1973年)

根津権現裏の岡場所、
そこの巴屋で働いている労咳の女郎、お浜(京唄子)からの依頼で
中山文十郎(田村高廣)と辻平内(中谷一郎)は岡場所に出向く。

その日は警動で女郎屋は静まり返っていた。
警動とは私娼窟への町方の手入れの日であり
女郎たちは仕事を休んで別の場所で過ごし
翌朝帰ってくるのだ。
残っているのは病人や年寄りだけだ。

お浜の依頼はある悪い女衒をいためつけてほしいというもの。
しかし実は好いた女衒が別の女郎に熱を上げて
巴屋に来なくなったのでヤキモチを焼いての依頼だった。
どうやら痴話喧嘩の御先棒を担いでしまったようだ。

しかし翌日、お浜は首を縊って死んでいた。
書置きによると労咳を苦にしての事。

だがこれは古物商唐津屋喜平(西山嘉孝)が
自分が経営している女郎屋で病で稼ぎが悪く
他の店にも売れない女郎を、人がいない警動の晩に
自殺に見せかけて殺していたのだった。。

平内は岡場所には助け人を必要としている女が沢山いるはず、と考える。
注文をとるにはまず顔馴染みにならねば。。
そして岡場所に入り込む謀をめぐらす。

平内は巴屋で豪遊を決行。

そんな巴屋に、地回りエバタンが暖簾をくぐって登場!
「どーしたんだ、どーしたんだおい。ええ?大した景気だね〜笑」

巴屋の雇われ女将、おくら(小柳圭子)
「お浜がね」
エバ「うん?あっあっお浜?」
両手で首つりのジェスチャーをする。
おくら「あんな事してくれたのがね、かえって厄を払ってくれたんですね」
エバタンはおくらに座布団を渡されたので横になる。

おくら「福の神、福の神」
両手を合わせてから柏手を打つ。

平内「おーいおかみー、酒だよ酒が足りないよ。
それからな、刺身はていだぞ!めでてい、やりてい、あやかりてい」
タイヘイの刺身だったら犬に食わせるからそう思えよコノヤロ、ハッハッハッ」

おくら上機嫌♪
一転、しかめっ面でこめかみを押さえる。
積まれた穴明銭。
すまなそうな平内の顔。

平内「どうだろおかみ、これで一つその・・」
おくら「しゃべんないでおくれ。
あんたの声を聴くと(音が消される)ってまうよ!っとにもう」
お茶を注ごうとするが、勢い余って急須の蓋が落ちる。

「あぁぁぁぁぁ!もう腹が立つぅ!!(ムッキー)」

そこにエバタンがやって来た。
おくら「ああ、どうでした?」
エバ「言ってる事に嘘はなさそうだな。
確かにゆうみ坂下の長屋にいる男だ。ったく。
それにしても何て事をしてくれた。ええ?
あれだけ遊んで600文で足りるはずがねーだろ」

平内「近いうちに金が入るんだ、そん時には必ず。。」
おくら「ふん、あてになるもんか」
平内「じゃあどうしろってんだい、
町奉行者に突き出したって、へッ、一門の銭にもならないんだぜ?」

おくら、机をたたく。
「何だって?いけ図図しい、
テメェの様なヤロウ、盗人猛々しい・・」
平内に掛かっていこうと前に出たおくらは
積まれた銭につまずいてひっくり返る

おくら「あーーもうちくしょう、この泥棒ヤロウが、えーい」
平内をバシバシひっぱたく。

エバ「ほらほらよしな、よしな、よしなってんだよ」

熱くなるおくらと恐縮する平内のやり取りをクールな顔で見ていたエバタンが
おくらを抱えて止めに入る。

エバ「おい、こうなったら桶伏せにするしかないが、どうだろう」
おくら「ふん、しかたないね」

エバ「おーい、オメーは知るめーが、
こういうところにはシキタリがあってな、
遊んだ金の払えねー奴は金が届くまで
ここで暮らしてもらう事になってんだ。
もっともチョイとばかり窮屈だがな」

ワッショイ!ワッショイ!
女郎たちが小さな窓を開けた大きな風呂桶を担いで持ってくる。
岡場所に遊びに来た男たちも大勢集まってくる。
ワッショイ!ワッショイ!
平内は桶をかぶせられ、桶の上に大きな石を置かれた。
岡場所の女たちも周りの男たちもミンナ楽しそう。

エバタンは棒で桶を叩きながら
「やいコラ文無し、金が来るまでこうやって晒し者になるのが
桶伏せの掟だ、ずらかったり
ちょっとでもこの中から外に出てみろ、
借金は倍になるから、そう思え」
おくらもエバタンの隣でニヤニヤしながら平内を見ている。

平内「ああ、いいとも。住めば都だ、へッ、こんな中もなかなか乙なもんだぜ!ハハハハハハっ〜」

エバタン、バシッと棒で桶を叩く。
おくら、アチャーっとした顔。

ある朝。
エバタンが男たち数名を引き連れて桶の前にやってきた。

エバ「あけてやれ」

握り飯を食っていた平内。

エバ「おけぶせ、今日は一日だけ勘弁してやる」

桶に置いてあった大きい石の上に座るエバタン。
持っていた棒を顎に当て両手を重ねる。

平内「どういうわけだ」
エバ「警動があんだよ、どこへでもいって金作ってこい」
平内「作れるぐれーなら苦労はしねーや、
うん、それよりどうだ、おまえさん何か困ってる事ねーのか?
賭場の揉め事から女絡みのいざこざまで何でもいい
助けてやるから3両だ!
いや、2両でいい、2両でどうだ、ああ?」

平内が話している間、エバタンは無表情。目は横を向いている。

平内は握り飯を食いながら話していたので飯が喉に詰まり、胸をパンパン叩く。
平内「おみず!」
平内はエバタンが顎に当てていた棒をチョップ。エバタンがズルっとなった。

エバタンもおくらも悪事には関わっていないので(エバタンは)ここまで。

※2021‎年‎7‎月 ‎8‎日 テレ玉
※2021年8月13日 ホームドラマチャンネル

★助け人走るにエバタン(2019年11月29日)

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