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2022年05月26日15:38

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TITANE チタン(Titane)

 「RAW 少女のめざめ」で鮮烈なデビューを飾ったフランスのジュリア・デュクルノー監督の長編第2作。頭にチタンを埋め込まれた主人公がたどる数奇な運命を描き、2021年・第74回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた。幼少時に交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア。それ以来、彼女は車に対して異常なほどの執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになってしまう。自身の犯した罪により行き場を失ったアレクシアは、消防士ヴィンセントと出会う。ヴィンセントは10年前に息子が行方不明となり、現在はひとり孤独に暮らしていた。2人は奇妙な共同生活を始めるが、アレクシアの体には重大な秘密があった。ヴィンセント役に「ティエリー・トグルドーの憂鬱」のバンサン・ランドン。(映画.comより)





<2022年5月22日 劇場鑑賞>

 こんな突拍子もないものが田舎に!この監督の前作「RAW 少女のめざめ」は都会まではるばる出た時に鑑賞したのでした。しかし大阪市内でも、一館の上映だったと思います。なんとも感性を試される、凡人には理解の難しい映画ではありました。

 そして今作。前作が当たったから公開数が増えたのでしょうね、田舎者も見れてよかった。しかし、結論から言うと、前作と同じくらいのぶっ飛びかたで、「進歩したな」とか「こう来たか」という感じの”新しさ”を感じることはなかったです。もう少し「う・・・さすがだ」みたいなことを体感したかったかな。

 主人公の女性は、小さい頃から落ち着きがなかったのか、父親の車でBGMより大きな声でうなったり、音楽のボリュームを上げられると、後ろから運転席を蹴ったり、それを咎められるとシートベルトを外して席を移動しようとしたり、ともかく冒頭からそんなシーンで「うわ、こんな子供嫌やろうな」とつい親目線で考えてしまいました。案の定、父親は「シートベルトをしなさい!」とよそ見をしたのが原因で事故を起こし、女の子は大けがを負ってしまい、頭にチタン(!)を組み込むはめになってしまいます。

 しかし、成長に問題はなかったみたいで、次のシーンでは背の高い美人になってます。彼女は事故のトラウマからか、車に執着があったみたいで、ストリップダンサーとして働くのも、車の上です(写真3つめ)。美人だし、ダンスもうまいのでファンもついてます。でも、ある時しつこく追いかけて来たファンを殺してしまったため逃亡し、ある行方不明の青年になりすましてその父親と住むようになります。10年会ってなかった父親は、多少の違和感はどうでもよくてとにかく息子に帰って来て欲しかったのでしょうね、薄々「違う」とは思っているようです。でもまぁ、消防士のチーフである彼は、息子を消防士見習いに採用するのです。

 でも元々女性ですから、ほころびは出てきますよね。見ていてハラハラします。





<ここからネタバレ>

 異様なのは、彼女が妊娠していること。しかも、どうやら「悪の法則」のキャメロン・ディアスばりに車とセックスして(キャメロンのように車にまたがるのではなく、車内でセックスしている模様)妊娠しているようで、胸とお腹の出っ張りを隠すために常にナイロンテープ(?)で体をぐるぐる巻きにしているのです。しかし、そんなことで隠せるものですかねぇ。いくら余裕のある服を着ていたとしても。消防士なのに。

 また消防士のチーフ(お父さん)も、若さを失わないためにステロイド(?)か何かの注射を毎日お尻に打っているのです。気を失うほど苦しみながらね。ずっと打ってるからか、お尻は青あざ。でも、失神してても明朝にはケロっと起きてきます。本当に?まぁステロイド注射したことないから知らないけれど。

 行方不明の子供のポスターはあちこちに貼ってあって、ニュースでも取り上げられているようだったから、彼女をチーフに引き渡した人も、警官とか公的な立場の人だと思うのに(しかも「ⅮNA鑑定を」と勧めてたし)、性別も確認しないなんてあり得ないと思う。

 極めつけはラストです。彼女は子供を産んで死んでしまうのですが、その赤ちゃんは頭・背骨など、あらゆるところにチタンが組み込まれているのです。祖父となったチーフが「俺が育ててやるからな」と言って終わるのですが、頭にチタンが組み込まれているだけで、全身チタンの子が?車の子だから?

 確かに変わった設定の映画だと思うのですが、だからって何?って感じでした。「RAW 少女のめざめ」の時に、若くて美人の監督だったと記憶しているのですが、なんかもっと”攻め”の部分が欲しかった。「お〜進化してるね」みたいな。もちろん、私がわかってないだけかもしれないけれど。次の作品に期待します。屁理屈言わずに感性で楽しめる方にお勧めします。
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