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2022年05月10日14:01
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知床半島沖ＫＡＺＵ１事故��
観光船沈没 家族説明会で配られた文書の詳細
05月03日 20時20分
家族説明会で配られた文書は運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長の名前で書かれ、家族へのおわびのことばに続いて、「当社（私）の落ち度について」と記されています。
それによりますと、会社の運航基準では運航管理者である桂田社長は観光船が航行ルートにある１３の地点に到達するたびにその地点名や通過した時刻、それに天候、風速、波浪、視界の状況などについて船長から連絡を受ける必要がありましたが、事故当日はこうした連絡を取り合い記録に残すことをしていなかったと明らかにしています。
また安全管理規程では、船の航行中は原則として運航管理者の桂田社長が事務所にいる必要があったのに、事故当時は病院に行くため事務所を離れていたということです。
さらにこの日は事務所の無線が不具合のため使用できなかったにもかかわらず、事務所にいたほかの社員に携帯電話で船長と連絡を取り航行状況を把握するよう指示することもしていなかったということです。
こうした点について、文書では「運航基準通りにＫＡＺＵ １の運航を行っていれば、より早期に帰港するなど事故の発生を回避できた可能性はあったと思う」などと記し、運航基準に違反していたことを認める内容となっています。
その上で桂田社長は「船舶の運航などについて社員に任せている部分が多く、私自身の運航管理者としての自覚も足りなかった。私の無責任な対応により重大な事故を発生させてしまい重ねておわび申し上げる」と謝罪しています。
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観光船沈没 海事代理士「基準は守られなければ」
05月03日 19時42分
北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故では、運航会社が国に提出した「安全管理規程」が守られていなかった可能性が出ています。
事故を起こした会社とは別の会社の安全管理規程を作成している海事代理士が取材に応じ「基準が守られなければ、安全とは違う方向に向かってしまう」と指摘しました。
「海事代理士」は船舶の登記や安全管理規程などの国に提出する書類の作成を運航会社に代わって行う仕事をしています。
根室市に住む海事代理士の平賀禎彦さんは、斜里町ウトロの観光船のうち、事故を起こした「知床遊覧船」とは別の会社の「安全管理規程」の作成を請け負っています。
別の会社のものですが、「運航基準」の欄にはウトロの港内で風速が８メートル以上、波の高さが０.５メートル以上に達している場合には運航を中止しなければならないなどと記されています。
平賀さんは「全部覚えろとは言わないが、船長や運航管理者は大事な数値は覚えてもらわないと、安全のために作っているものがないがしろにされてしまう。基準が守られなければ安全とは違う方向に向かってしまう」と指摘しました。
運航会社の桂田精一社長が先の記者会見で運航基準に具体的な数値が記されているかあいまいな受け答えをした点については、「経営トップがすべてを知っているか分からないが、少なくとも出航の基準くらいは頭に入れておいてもらいたかった。けっこうショックな発言だった」と述べました。
また、桂田社長が会見で「条件付き運航」という言葉を使ったことについては「条件付き運航というのはあり得ない。これから風が吹くと分かっていて出航するというのは問題があると思う」と話していました。
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観光船沈没 運航会社社長「運航基準に違反」認める文書
05月03日 19時23分
北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故をめぐり、運航会社の社長が「運航基準通りにしていれば事故の発生を回避できた可能性はあった」などと運航基準に違反したことを認める文書を乗客の家族説明会で配っていたことが分かりました。第１管区海上保安本部は、３日も会社の関係先などを業務上過失致死の疑いで捜索し、安全管理体制に問題がなかったか捜査を進めています。
先月２３日、知床半島の沖合で乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ １」が（１９トン）沈没した事故は、これまでに乗客１４人が死亡、１２人が行方不明となっています。
事故のあと開かれた家族説明会で、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が「私の落ち度について」と題した文書を配っていたことが分かりました。
この中で桂田社長は、運航基準によれば観光船は航行ルートの１３地点で通過時刻や天候、波の高さなどを事務所に連絡する必要があったのに、事故当日はこうした連絡のやりとりや記録を行っていなかったとしています。
さらに、安全管理規程では運航管理者である桂田社長は船の航行中、原則として事務所にいる必要があったのに、当日は病院に行くため事務所を離れ、ほかの社員に船長と連絡を取って航行状況を把握するよう指示も出していなかったということです。
そのうえで「運航基準通りにＫＡＺＵ １の運航を行っていれば、早期に帰港するなど事故の発生を回避できた可能性はあった」などと、運航基準に違反したことを認めて謝罪しています。
一方、第１管区海上保安本部は、２日、会社の事務所などを業務上過失致死の疑いで捜索したのに続いて、３日も関係先を捜索するなど捜査を進めています。
今後、会社の安全管理体制に問題がなかったかや、天候が荒れる可能性を認識していながら出航を決めた当日の判断の妥当性などについて調べることにしています。
【家族への説明会】
北海道の斜里町役場のウトロ支所では、３日も乗客の家族に対する説明会が午後５時ごろから開かれました。
説明会には乗客の家族およそ２０人が出席し、国土交通省によりますと、船や水中カメラで行った３日の捜索状況について３０分ほど詳しく説明が行われ、説明会のあと個別にさらに詳しい説明を求める家族もいたということです。
３日は乗客の家族への今後の補償について説明もあったということですが、国土交通省では詳細は控えるとしています。
説明会のあと取材に応じた第１管区海上保安本部警備救難部の横内伸明次長は「午後５時すぎに北海道警の水中カメラが船内に入ったと聞いている。何か見つかれば情報提供したい」と話し、今後も道警などと交代しながら船内の捜索を続ける考えを示しました。
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観光船沈没 知床遊覧船社長の関係先の捜索 終わる
05月03日 13時44分
知床半島沖で起きた観光船の沈没事故で、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長の関係先で行われていた海上保安本部による捜索は午後１時半前に終わりました。
捜索に立ち会っていたとみられる桂田社長はそのまま車に乗り込み、現場をあとにしました。
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熱海土石流発生から１０か月 被災者が黙とう
05月03日 12時42分
熱海市で大規模な土石流が発生してからきょうで１０か月です。
土砂が流れ下った現場近くでは、被災者が犠牲者を悼んで黙とうをささげました。
去年７月３日、熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流の被害では、これまでに災害関連死も含めて２７人が亡くなり、いまも太田和子さんの行方がわかっていません。
発生から１０か月となる３日、被災者や地元の住民あわせて６人が被災現場近くに集まりました。
そして、消防に最初の通報があった午前１０時半ごろに、静かに手を合わせて黙とうをささげました。
犠牲者の遺族や被災者でつくる「被害者の会」の副会長の太田滋さん（６５）は「太田和子さんのご家族は、いまだ気持ちの整理がつかないと思うので、早く何らかの手がかりが見つかってほしいです」と述べました。
太田さんは、土石流で住宅が全壊し、今は神奈川県湯河原町のアパートで暮らしていて、「警戒区域がいつになったら解除され、地域から離れた人がふるさとに戻れるのか、まだ先が見えません」と話していました。
その上で、遺族や被災者などあわせて８４人が盛り土を造成した不動産会社の元代表や今の土地所有者などに対して、５７億円あまりの賠償を求めている裁判が５月１８日から始まることについては、「裁判を通して、盛り土に関わった人たちが包み隠さず話して、責任を取ってほしい」と話していました。
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熱海土石流発生から１０か月 警察が一斉捜索
05月03日 12時42分
熱海市で起きた大規模な土石流でいまも行方がわからない１人を捜すため、警察は発生から１０か月となる３日、土砂が流れ込んだ港の周辺などで捜索を行っています。
去年７月３日、熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流の被害では、これまでに災害関連死も含めて２７人が亡くなり、いまも太田和子さんの行方がわかっていません。
土石流は、地区内を流れる川を海まで流れ下っていて、警察は住宅が流された現場に向かって黙とうをささげたあと、およそ９０人態勢で土砂が流れ込んだ伊豆山港やその周辺を捜索しています。
３日の捜索では、先端に小型のカメラのついた「ファイバースコープ」が初めて導入され、隊員たちは波消しブロックの隙間にスコープを差し込んで、モニターの映像を見ながら、太田さんの手がかりがないか確認していました。
また、水難救助部隊の潜水士６人が海の中に入ったり、カメラを搭載した水中探査装置を投入したりして、海底を入念に捜索していました。
静岡県警察本部の山本和毅本部長は「ご家族の思いや地域の方々の思いを胸に刻み、必ず見つけ出すという不退転の決意をもって捜索にあたりたい」と話していました
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観光船沈没 事故の遺族「今はショックで何も考えられない」
05月03日 12時38分
北海道の知床半島沖で起きた観光船の沈没事故で、乗船していた６０代の両親と３３歳の弟の３人を亡くした、兵庫県に住む３０代の男性が取材に応じ「父も母もすごく優しい人でした。弟はすごく真面目で寡黙でした。今はショックで何も考えられない」と話しました。
４月２３日に知床半島の沖合で乗客・乗員２６人を乗せた観光船が沈没した事故で、これまでに乗客１４人が死亡し１２人が行方不明となっています。
この事故で、兵庫県小野市に住む父親の竹川好信さん（６６）と母親の竹川生子さん（６２）、それに東京・北区に住む弟の竹川有哉さん（３３）を亡くした兵庫県の３０代の男性が２日心境を語りました。
男性は３人が借りていたレンタカーの中で見つかったという好信さんの上着を着て取材に応じ「父も母もすごく優しい人でした。ユーモアがあって面白い人で、２人で漫才みたいに笑い合っているのはよく覚えています。弟はすごく真面目で寡黙で、コツコツやるような子でした」と振り返りました。
男性は先月２６日から１日まで斜里町に滞在し家族向けに開かれた説明会に参加したということで「社長が説明する内容があやふやなことがあった。そもそも物事をあまり知らないという感じで納得できませんでした」と話しました。
また３人の最期を少しでも知りたいと近くの海岸を見て回ったということで「氷水に近いような感じで私が想像していたような温度ではなかった。本当に悲しくて仕方ない気持ちになった。今もショックで何も考えられない」と述べました。
そして海上保安庁が観光船の運航会社の事務所を家宅捜索したことについては「捜査で明らかになったことを、今後、こういったことを起こさないようにするために役立ててほしい。そして一刻も早く全員が発見されることを願っています」と話しました。
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観光船沈没 ３日も運航会社の関係先を捜索
05月03日 12時27分
北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故で、第１管区海上保安本部は２日に引き続き業務上過失致死の疑いで運航会社の関係先の捜索を行っています。
４月２３日、知床半島の沖合で乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ 1」（１９トン）が沈没した事故は、乗客１４人が死亡、ほかの１２人が今も行方不明になっています。
第１管区海上保安本部は、２日、業務上過失致死の疑いで運航会社「知床遊覧船」の事務所や桂田精一社長の自宅などを捜索し、関係者によりますと、このうち事務所からは１００点以上の関係書類を押収したということです。
また３日も午前中から斜里町内にある桂田社長の関係先などに数人の捜査員が捜索に入りました。
海上保安本部は引き続き捜査を進め、天候が荒れると予想されていた事故当日に出航を決めた経緯など、会社の安全管理体制に問題がなかったか調べることにしています。
一方、海上保安庁から依頼を受けたサルベージ会社の船は２日、鹿児島を出港し観光船が沈没した知床半島沖に向かっています。
早ければ今月上旬にも現場海域に到着し、無人潜水機で船の状況を確認するほか、その後、潜水士による海底の捜索も行うことにしています。
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観光船事故 出航決定経緯など捜査 サルベージ会社に捜索依頼
05月03日 07時01分
知床半島沖で観光船が沈没した事故で、業務上過失致死の疑いで捜査を始めた第１管区海上保安本部は、運航会社が天候が荒れることを認識しながら出航を決めた経緯などを詳しく調べることにしています。
一方、海上保安庁は、沈没した船に取り残された人がいないか確認するため海難事故などへの対応を専門とするサルベージ会社に船内の捜索を依頼したということで、５月上旬にも作業が始められる見通しです。
４月２３日、北海道の知床半島の沖合で乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ□１」（カズ・ワン １９トン）が沈没した事故は、乗客１４人が死亡、ほかの１２人が今も行方不明になっています。
第１管区海上保安本部は２日、業務上過失致死の疑いで観光船の運航会社「知床遊覧船」の事務所のほか、桂田精一社長の自宅や行方不明になっている豊田徳幸船長の自宅を捜索しました。
海上保安本部は、事故当日、午後から天気が荒れる可能性があったのに海が荒れた場合は引き返す「条件付きの運航」が決まった経緯など、会社の安全管理体制に問題がなかったか捜査を進めることにしています。
一方、沈没した観光船の内部の状況がよく分からない中、海上保安庁が、取り残された人がいないか確認するため海難事故などへの対応を専門とする民間のサルベージ会社に船内の捜索を依頼したことが分かりました。
早ければ今月上旬にもサルベージ会社の船が現場海域に到着し、無人潜水機で船の状況を確認するということです。
そのうえで、潜水士が「飽和潜水」と呼ばれる水深１２０メートルにも対応できる方法で海底に潜り、行方不明者の捜索にあたるほか、船体の引き揚げが可能かどうかについても調べることにしています。
第１管区海上保安本部などによりますと、現場海域に向かっているのは、海上保安庁が契約した「日本サルヴェージ」から業務委託を受けた会社が所有する「新日丸」で、２日夕方、鹿児島県の港を出港しました。
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観光船の船内確認 ２日は悪天候で行われず
05月02日 20時30分
知床半島沖で観光船が沈没した事故で、行方不明者の捜索活動を続けている第１管区海上保安本部などは、沈没した船に水中カメラを入れて船内の確認を行いたい考えですが、２日は、天候が悪く、作業は行われませんでした。
先月２３日、知床半島の沖合で、乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ １」（カズ・ワン １９トン）が沈没した事故は、これまでに乗客１４人が死亡、１２人が行方不明になっています。
第１管区海上保安本部などは、「カシュニの滝」付近の水深およそ１２０メートルの海底で見つかった船の中に、取り残された人がいないか確認するため、開いている客室のドアから水中カメラを入れて船内の捜索を行いたい考えです。
ただ、２日は風が強く、波も高かったことから、水中での作業は行われませんでした。
また、海上の捜索でも悪天候の影響を受けて、これまでに新たな手がかりなどは見つかっていないということです。
一方、３日は、天候が比較的安定する見通しで、海中での捜索活動のほか、船や航空機による海上での捜索も行い、行方不明者の発見を急ぐことにしています。
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観光船運航会社の捜索終わる
05月02日 20時21分
２日午前中から行われていた、オホーツク海側の斜里町にある観光船の運航会社「知床遊覧船」への捜索は、１０時間以上がたった午後８時ごろに終わり、海上保安庁の捜査員たちが押収した資料が入っているとみられる段ボール箱を次々と運び出しました。
また、会社の事務所にいた桂田精一社長も、事務所から出てきましたが、報道陣の呼びかけには応じず、車に乗り込んで事務所をあとにしました。
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引き揚げ経験ある潜水士 “水中ドローンの活用が有効”
05月02日 18時56分
知床半島沖で観光船が沈没した事故で、水深およそ１２０メートルの海底で見つかった船の捜索について、船の引き揚げなどの経験がある潜水士は、カメラを備え一定の潮の流れがあっても姿勢や位置を保つことができる水中ドローンの活用が有効ではないかと指摘しています。
函館市で潜水作業や調査を行う会社を経営する潜水士の中村徹也さんは、北海道など全国で３０年以上、海難救助や沈没船の引き揚げに携わってきました。
今回の事故現場周辺の海域について中村さんは「この時期だと、水深１００メートルの水温は０度ほどで、潜水士では３０分程度しか潜ることができない」と潜水士による捜索には限界があるとしています。
その上で、船内の確認作業にはカメラを備え、遠隔操作で捜索できる小型の水中ドローンの活用が有効ではないかと指摘しています。
中村さんの会社が所有する水中ドローンは自動で姿勢や位置を保つことができ、時速５キロあまりの潮の速さがあっても流されずに作業ができるということです。
大きさは５０センチほどで、狭い船内にも対応でき、またロボットアームを備えていて、水中にあるものをつかむ作業ができるということです。
中村さんは「大型のものだと船内に入るのは難しいが、小型の水中ドローンであれば、船内に入ってより詳しく捜索できるのではないか」と話しています
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海上保安庁の捜査 ２つのポイントとは
05月02日 18時32分
海上保安庁が業務上過失致死の疑いで運航会社の事務所の捜索を
始めましたが、捜査のポイントはおおきく２つあるとみられています。
１つが天候が荒れる可能性を認識しながら出航を決めたこと、もう１つが電波が届かないエリアがある携帯電話を船の通信設備として申請するなどしていた点です。
１つ目の出航の判断については、これまでの海上保安庁の調べで、事故当日の朝、運航会社の桂田精一社長と豊田船長は、午後に天気が荒れる可能性があると認識していたとみられています。
それにもかかわらず、港の周辺の波や風は、会社であらかじめ定めていた出航を取りやめる基準を超えていないとして、出航を決めたといいます。
このとき社長と船長は海が荒れた場合は引き返す「条件付きの運航」を申し合わせたということです。
しかし、会社が事前に北海道運輸局に届け出た「安全管理規程」の中にある「運航基準」では、風速や波の高さが事前に定めた条件に達するおそれがあると認めるときは、出発を中止すると盛り込むことが
求められています。
このため北海道運輸局は、基準にのっとって判断した場合、「条件付き運航」という考え方そのものができないはずだと指摘しています。
海上保安庁は、なぜ「条件付き運航」をしたのか、規程に反した判断はなかったか、詳しく捜査するとみられます。
２つ目の電波が届かないエリアがある携帯電話を、船の通信設備として申請するなどしたという点については、運航会社は事故の３日前に行われた船舶検査で、陸上との通信設備として「携帯電話」を申請していました。
しかし、申請があった携帯電話は、そもそも電波が届かない「不感地帯」があり、事故があった海域でつながらなかった可能性が指摘されています。
「安全管理規程」では運航会社に対し、平常時と緊急時の連絡手段を
確保して報告するよう求めていて、どのような事態においても陸上と船とが常に連絡が取れる体制が求められていて、事故を起こした観光船は、それがない状態で運航していた疑いが持たれています。
なぜ出航したのか。そもそも出航を見合わせることはできなかったのか、海上保安庁は、判断に問題がなかったか、詳しく調べていくものと見られます。
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３歳の女の子と父親が家族の元へ 安置所は閉鎖へ
05月02日 16時35分
知床半島沖で起きた観光船の沈没事故で、亡くなった乗客のうち東京から訪れていた３歳の女の子と父親の遺体が家族に引き渡されるため、２日午後に安置されていた施設を出発しました。
今回の沈没事故では、これまでに乗客１４人が亡くなっているのが見つかり、斜里町の運動施設には遺体が安置されていました。
町によりますと、このうち東京・葛飾区の加藤七菜子さん（３）と父親の加藤直幹さん（３５）が家族に引き渡されることになり、２人の遺体が２日午後３時前、施設を出発しました。
一緒に乗船していたとみられる母親は依然、見つかっておらず、捜索が続けられています。
親族の男性によりますと加藤さん一家は、会社の休暇を取り、函館や洞爺湖など道内を１週間かけてめぐる旅行中で、事故当日の夕方には東京に戻る予定だったということです。
町によりますと、亡くなった人が安置されていた斜里町の運動施設は、２日までに全員が家族へ引き渡され、閉鎖されるということです。
一方、施設の入り口に設けられた献花台も撤去されることになりましたが、依然として各地から多くの人が花を手向けに訪れていることから、希望があった場合は、職員が代わりに受け取るということです。
斜里町の北雅裕副町長は、亡くなった人を安置していた施設を閉鎖することについて「亡くなった方々がご家族の元へ帰ることができたのは、施設を預かる身としては胸を撫で下ろしたというのが正直なところです」と話していました。
その上で、行方が分からない乗客の捜索が続いていることについて「きょうも風が冷たく、海の中も相当寒いと思う。１日も早く家族の元へ帰ってほしい」と述べました。
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05月03日 20時20分
家族説明会で配られた文書は運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長の名前で書かれ、家族へのおわびのことばに続いて、「当社（私）の落ち度について」と記されています。
それによりますと、会社の運航基準では運航管理者である桂田社長は観光船が航行ルートにある１３の地点に到達するたびにその地点名や通過した時刻、それに天候、風速、波浪、視界の状況などについて船長から連絡を受ける必要がありましたが、事故当日はこうした連絡を取り合い記録に残すことをしていなかったと明らかにしています。
また安全管理規程では、船の航行中は原則として運航管理者の桂田社長が事務所にいる必要があったのに、事故当時は病院に行くため事務所を離れていたということです。
さらにこの日は事務所の無線が不具合のため使用できなかったにもかかわらず、事務所にいたほかの社員に携帯電話で船長と連絡を取り航行状況を把握するよう指示することもしていなかったということです。
こうした点について、文書では「運航基準通りにＫＡＺＵ １の運航を行っていれば、より早期に帰港するなど事故の発生を回避できた可能性はあったと思う」などと記し、運航基準に違反していたことを認める内容となっています。
その上で桂田社長は「船舶の運航などについて社員に任せている部分が多く、私自身の運航管理者としての自覚も足りなかった。私の無責任な対応により重大な事故を発生させてしまい重ねておわび申し上げる」と謝罪しています。
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観光船沈没 海事代理士「基準は守られなければ」
05月03日 19時42分
北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故では、運航会社が国に提出した「安全管理規程」が守られていなかった可能性が出ています。
事故を起こした会社とは別の会社の安全管理規程を作成している海事代理士が取材に応じ「基準が守られなければ、安全とは違う方向に向かってしまう」と指摘しました。
「海事代理士」は船舶の登記や安全管理規程などの国に提出する書類の作成を運航会社に代わって行う仕事をしています。
根室市に住む海事代理士の平賀禎彦さんは、斜里町ウトロの観光船のうち、事故を起こした「知床遊覧船」とは別の会社の「安全管理規程」の作成を請け負っています。
別の会社のものですが、「運航基準」の欄にはウトロの港内で風速が８メートル以上、波の高さが０.５メートル以上に達している場合には運航を中止しなければならないなどと記されています。
平賀さんは「全部覚えろとは言わないが、船長や運航管理者は大事な数値は覚えてもらわないと、安全のために作っているものがないがしろにされてしまう。基準が守られなければ安全とは違う方向に向かってしまう」と指摘しました。
運航会社の桂田精一社長が先の記者会見で運航基準に具体的な数値が記されているかあいまいな受け答えをした点については、「経営トップがすべてを知っているか分からないが、少なくとも出航の基準くらいは頭に入れておいてもらいたかった。けっこうショックな発言だった」と述べました。
また、桂田社長が会見で「条件付き運航」という言葉を使ったことについては「条件付き運航というのはあり得ない。これから風が吹くと分かっていて出航するというのは問題があると思う」と話していました。
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観光船沈没 運航会社社長「運航基準に違反」認める文書
05月03日 19時23分
北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故をめぐり、運航会社の社長が「運航基準通りにしていれば事故の発生を回避できた可能性はあった」などと運航基準に違反したことを認める文書を乗客の家族説明会で配っていたことが分かりました。第１管区海上保安本部は、３日も会社の関係先などを業務上過失致死の疑いで捜索し、安全管理体制に問題がなかったか捜査を進めています。
先月２３日、知床半島の沖合で乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ １」が（１９トン）沈没した事故は、これまでに乗客１４人が死亡、１２人が行方不明となっています。
事故のあと開かれた家族説明会で、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が「私の落ち度について」と題した文書を配っていたことが分かりました。
この中で桂田社長は、運航基準によれば観光船は航行ルートの１３地点で通過時刻や天候、波の高さなどを事務所に連絡する必要があったのに、事故当日はこうした連絡のやりとりや記録を行っていなかったとしています。
さらに、安全管理規程では運航管理者である桂田社長は船の航行中、原則として事務所にいる必要があったのに、当日は病院に行くため事務所を離れ、ほかの社員に船長と連絡を取って航行状況を把握するよう指示も出していなかったということです。
そのうえで「運航基準通りにＫＡＺＵ １の運航を行っていれば、早期に帰港するなど事故の発生を回避できた可能性はあった」などと、運航基準に違反したことを認めて謝罪しています。
一方、第１管区海上保安本部は、２日、会社の事務所などを業務上過失致死の疑いで捜索したのに続いて、３日も関係先を捜索するなど捜査を進めています。
今後、会社の安全管理体制に問題がなかったかや、天候が荒れる可能性を認識していながら出航を決めた当日の判断の妥当性などについて調べることにしています。
【家族への説明会】
北海道の斜里町役場のウトロ支所では、３日も乗客の家族に対する説明会が午後５時ごろから開かれました。
説明会には乗客の家族およそ２０人が出席し、国土交通省によりますと、船や水中カメラで行った３日の捜索状況について３０分ほど詳しく説明が行われ、説明会のあと個別にさらに詳しい説明を求める家族もいたということです。
３日は乗客の家族への今後の補償について説明もあったということですが、国土交通省では詳細は控えるとしています。
説明会のあと取材に応じた第１管区海上保安本部警備救難部の横内伸明次長は「午後５時すぎに北海道警の水中カメラが船内に入ったと聞いている。何か見つかれば情報提供したい」と話し、今後も道警などと交代しながら船内の捜索を続ける考えを示しました。
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観光船沈没 知床遊覧船社長の関係先の捜索 終わる
05月03日 13時44分
知床半島沖で起きた観光船の沈没事故で、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長の関係先で行われていた海上保安本部による捜索は午後１時半前に終わりました。
捜索に立ち会っていたとみられる桂田社長はそのまま車に乗り込み、現場をあとにしました。
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熱海土石流発生から１０か月 被災者が黙とう
05月03日 12時42分
熱海市で大規模な土石流が発生してからきょうで１０か月です。
土砂が流れ下った現場近くでは、被災者が犠牲者を悼んで黙とうをささげました。
去年７月３日、熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流の被害では、これまでに災害関連死も含めて２７人が亡くなり、いまも太田和子さんの行方がわかっていません。
発生から１０か月となる３日、被災者や地元の住民あわせて６人が被災現場近くに集まりました。
そして、消防に最初の通報があった午前１０時半ごろに、静かに手を合わせて黙とうをささげました。
犠牲者の遺族や被災者でつくる「被害者の会」の副会長の太田滋さん（６５）は「太田和子さんのご家族は、いまだ気持ちの整理がつかないと思うので、早く何らかの手がかりが見つかってほしいです」と述べました。
太田さんは、土石流で住宅が全壊し、今は神奈川県湯河原町のアパートで暮らしていて、「警戒区域がいつになったら解除され、地域から離れた人がふるさとに戻れるのか、まだ先が見えません」と話していました。
その上で、遺族や被災者などあわせて８４人が盛り土を造成した不動産会社の元代表や今の土地所有者などに対して、５７億円あまりの賠償を求めている裁判が５月１８日から始まることについては、「裁判を通して、盛り土に関わった人たちが包み隠さず話して、責任を取ってほしい」と話していました。
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熱海土石流発生から１０か月 警察が一斉捜索
05月03日 12時42分
熱海市で起きた大規模な土石流でいまも行方がわからない１人を捜すため、警察は発生から１０か月となる３日、土砂が流れ込んだ港の周辺などで捜索を行っています。
去年７月３日、熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流の被害では、これまでに災害関連死も含めて２７人が亡くなり、いまも太田和子さんの行方がわかっていません。
土石流は、地区内を流れる川を海まで流れ下っていて、警察は住宅が流された現場に向かって黙とうをささげたあと、およそ９０人態勢で土砂が流れ込んだ伊豆山港やその周辺を捜索しています。
３日の捜索では、先端に小型のカメラのついた「ファイバースコープ」が初めて導入され、隊員たちは波消しブロックの隙間にスコープを差し込んで、モニターの映像を見ながら、太田さんの手がかりがないか確認していました。
また、水難救助部隊の潜水士６人が海の中に入ったり、カメラを搭載した水中探査装置を投入したりして、海底を入念に捜索していました。
静岡県警察本部の山本和毅本部長は「ご家族の思いや地域の方々の思いを胸に刻み、必ず見つけ出すという不退転の決意をもって捜索にあたりたい」と話していました
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観光船沈没 事故の遺族「今はショックで何も考えられない」
05月03日 12時38分
北海道の知床半島沖で起きた観光船の沈没事故で、乗船していた６０代の両親と３３歳の弟の３人を亡くした、兵庫県に住む３０代の男性が取材に応じ「父も母もすごく優しい人でした。弟はすごく真面目で寡黙でした。今はショックで何も考えられない」と話しました。
４月２３日に知床半島の沖合で乗客・乗員２６人を乗せた観光船が沈没した事故で、これまでに乗客１４人が死亡し１２人が行方不明となっています。
この事故で、兵庫県小野市に住む父親の竹川好信さん（６６）と母親の竹川生子さん（６２）、それに東京・北区に住む弟の竹川有哉さん（３３）を亡くした兵庫県の３０代の男性が２日心境を語りました。
男性は３人が借りていたレンタカーの中で見つかったという好信さんの上着を着て取材に応じ「父も母もすごく優しい人でした。ユーモアがあって面白い人で、２人で漫才みたいに笑い合っているのはよく覚えています。弟はすごく真面目で寡黙で、コツコツやるような子でした」と振り返りました。
男性は先月２６日から１日まで斜里町に滞在し家族向けに開かれた説明会に参加したということで「社長が説明する内容があやふやなことがあった。そもそも物事をあまり知らないという感じで納得できませんでした」と話しました。
また３人の最期を少しでも知りたいと近くの海岸を見て回ったということで「氷水に近いような感じで私が想像していたような温度ではなかった。本当に悲しくて仕方ない気持ちになった。今もショックで何も考えられない」と述べました。
そして海上保安庁が観光船の運航会社の事務所を家宅捜索したことについては「捜査で明らかになったことを、今後、こういったことを起こさないようにするために役立ててほしい。そして一刻も早く全員が発見されることを願っています」と話しました。
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観光船沈没 ３日も運航会社の関係先を捜索
05月03日 12時27分
北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故で、第１管区海上保安本部は２日に引き続き業務上過失致死の疑いで運航会社の関係先の捜索を行っています。
４月２３日、知床半島の沖合で乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ 1」（１９トン）が沈没した事故は、乗客１４人が死亡、ほかの１２人が今も行方不明になっています。
第１管区海上保安本部は、２日、業務上過失致死の疑いで運航会社「知床遊覧船」の事務所や桂田精一社長の自宅などを捜索し、関係者によりますと、このうち事務所からは１００点以上の関係書類を押収したということです。
また３日も午前中から斜里町内にある桂田社長の関係先などに数人の捜査員が捜索に入りました。
海上保安本部は引き続き捜査を進め、天候が荒れると予想されていた事故当日に出航を決めた経緯など、会社の安全管理体制に問題がなかったか調べることにしています。
一方、海上保安庁から依頼を受けたサルベージ会社の船は２日、鹿児島を出港し観光船が沈没した知床半島沖に向かっています。
早ければ今月上旬にも現場海域に到着し、無人潜水機で船の状況を確認するほか、その後、潜水士による海底の捜索も行うことにしています。
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観光船事故 出航決定経緯など捜査 サルベージ会社に捜索依頼
05月03日 07時01分
知床半島沖で観光船が沈没した事故で、業務上過失致死の疑いで捜査を始めた第１管区海上保安本部は、運航会社が天候が荒れることを認識しながら出航を決めた経緯などを詳しく調べることにしています。
一方、海上保安庁は、沈没した船に取り残された人がいないか確認するため海難事故などへの対応を専門とするサルベージ会社に船内の捜索を依頼したということで、５月上旬にも作業が始められる見通しです。
４月２３日、北海道の知床半島の沖合で乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ□１」（カズ・ワン １９トン）が沈没した事故は、乗客１４人が死亡、ほかの１２人が今も行方不明になっています。
第１管区海上保安本部は２日、業務上過失致死の疑いで観光船の運航会社「知床遊覧船」の事務所のほか、桂田精一社長の自宅や行方不明になっている豊田徳幸船長の自宅を捜索しました。
海上保安本部は、事故当日、午後から天気が荒れる可能性があったのに海が荒れた場合は引き返す「条件付きの運航」が決まった経緯など、会社の安全管理体制に問題がなかったか捜査を進めることにしています。
一方、沈没した観光船の内部の状況がよく分からない中、海上保安庁が、取り残された人がいないか確認するため海難事故などへの対応を専門とする民間のサルベージ会社に船内の捜索を依頼したことが分かりました。
早ければ今月上旬にもサルベージ会社の船が現場海域に到着し、無人潜水機で船の状況を確認するということです。
そのうえで、潜水士が「飽和潜水」と呼ばれる水深１２０メートルにも対応できる方法で海底に潜り、行方不明者の捜索にあたるほか、船体の引き揚げが可能かどうかについても調べることにしています。
第１管区海上保安本部などによりますと、現場海域に向かっているのは、海上保安庁が契約した「日本サルヴェージ」から業務委託を受けた会社が所有する「新日丸」で、２日夕方、鹿児島県の港を出港しました。
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観光船の船内確認 ２日は悪天候で行われず
05月02日 20時30分
知床半島沖で観光船が沈没した事故で、行方不明者の捜索活動を続けている第１管区海上保安本部などは、沈没した船に水中カメラを入れて船内の確認を行いたい考えですが、２日は、天候が悪く、作業は行われませんでした。
先月２３日、知床半島の沖合で、乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ １」（カズ・ワン １９トン）が沈没した事故は、これまでに乗客１４人が死亡、１２人が行方不明になっています。
第１管区海上保安本部などは、「カシュニの滝」付近の水深およそ１２０メートルの海底で見つかった船の中に、取り残された人がいないか確認するため、開いている客室のドアから水中カメラを入れて船内の捜索を行いたい考えです。
ただ、２日は風が強く、波も高かったことから、水中での作業は行われませんでした。
また、海上の捜索でも悪天候の影響を受けて、これまでに新たな手がかりなどは見つかっていないということです。
一方、３日は、天候が比較的安定する見通しで、海中での捜索活動のほか、船や航空機による海上での捜索も行い、行方不明者の発見を急ぐことにしています。
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観光船運航会社の捜索終わる
05月02日 20時21分
２日午前中から行われていた、オホーツク海側の斜里町にある観光船の運航会社「知床遊覧船」への捜索は、１０時間以上がたった午後８時ごろに終わり、海上保安庁の捜査員たちが押収した資料が入っているとみられる段ボール箱を次々と運び出しました。
また、会社の事務所にいた桂田精一社長も、事務所から出てきましたが、報道陣の呼びかけには応じず、車に乗り込んで事務所をあとにしました。
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引き揚げ経験ある潜水士 “水中ドローンの活用が有効”
05月02日 18時56分
知床半島沖で観光船が沈没した事故で、水深およそ１２０メートルの海底で見つかった船の捜索について、船の引き揚げなどの経験がある潜水士は、カメラを備え一定の潮の流れがあっても姿勢や位置を保つことができる水中ドローンの活用が有効ではないかと指摘しています。
函館市で潜水作業や調査を行う会社を経営する潜水士の中村徹也さんは、北海道など全国で３０年以上、海難救助や沈没船の引き揚げに携わってきました。
今回の事故現場周辺の海域について中村さんは「この時期だと、水深１００メートルの水温は０度ほどで、潜水士では３０分程度しか潜ることができない」と潜水士による捜索には限界があるとしています。
その上で、船内の確認作業にはカメラを備え、遠隔操作で捜索できる小型の水中ドローンの活用が有効ではないかと指摘しています。
中村さんの会社が所有する水中ドローンは自動で姿勢や位置を保つことができ、時速５キロあまりの潮の速さがあっても流されずに作業ができるということです。
大きさは５０センチほどで、狭い船内にも対応でき、またロボットアームを備えていて、水中にあるものをつかむ作業ができるということです。
中村さんは「大型のものだと船内に入るのは難しいが、小型の水中ドローンであれば、船内に入ってより詳しく捜索できるのではないか」と話しています
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海上保安庁の捜査 ２つのポイントとは
05月02日 18時32分
海上保安庁が業務上過失致死の疑いで運航会社の事務所の捜索を
始めましたが、捜査のポイントはおおきく２つあるとみられています。
１つが天候が荒れる可能性を認識しながら出航を決めたこと、もう１つが電波が届かないエリアがある携帯電話を船の通信設備として申請するなどしていた点です。
１つ目の出航の判断については、これまでの海上保安庁の調べで、事故当日の朝、運航会社の桂田精一社長と豊田船長は、午後に天気が荒れる可能性があると認識していたとみられています。
それにもかかわらず、港の周辺の波や風は、会社であらかじめ定めていた出航を取りやめる基準を超えていないとして、出航を決めたといいます。
このとき社長と船長は海が荒れた場合は引き返す「条件付きの運航」を申し合わせたということです。
しかし、会社が事前に北海道運輸局に届け出た「安全管理規程」の中にある「運航基準」では、風速や波の高さが事前に定めた条件に達するおそれがあると認めるときは、出発を中止すると盛り込むことが
求められています。
このため北海道運輸局は、基準にのっとって判断した場合、「条件付き運航」という考え方そのものができないはずだと指摘しています。
海上保安庁は、なぜ「条件付き運航」をしたのか、規程に反した判断はなかったか、詳しく捜査するとみられます。
２つ目の電波が届かないエリアがある携帯電話を、船の通信設備として申請するなどしたという点については、運航会社は事故の３日前に行われた船舶検査で、陸上との通信設備として「携帯電話」を申請していました。
しかし、申請があった携帯電話は、そもそも電波が届かない「不感地帯」があり、事故があった海域でつながらなかった可能性が指摘されています。
「安全管理規程」では運航会社に対し、平常時と緊急時の連絡手段を
確保して報告するよう求めていて、どのような事態においても陸上と船とが常に連絡が取れる体制が求められていて、事故を起こした観光船は、それがない状態で運航していた疑いが持たれています。
なぜ出航したのか。そもそも出航を見合わせることはできなかったのか、海上保安庁は、判断に問題がなかったか、詳しく調べていくものと見られます。
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３歳の女の子と父親が家族の元へ 安置所は閉鎖へ
05月02日 16時35分
知床半島沖で起きた観光船の沈没事故で、亡くなった乗客のうち東京から訪れていた３歳の女の子と父親の遺体が家族に引き渡されるため、２日午後に安置されていた施設を出発しました。
今回の沈没事故では、これまでに乗客１４人が亡くなっているのが見つかり、斜里町の運動施設には遺体が安置されていました。
町によりますと、このうち東京・葛飾区の加藤七菜子さん（３）と父親の加藤直幹さん（３５）が家族に引き渡されることになり、２人の遺体が２日午後３時前、施設を出発しました。
一緒に乗船していたとみられる母親は依然、見つかっておらず、捜索が続けられています。
親族の男性によりますと加藤さん一家は、会社の休暇を取り、函館や洞爺湖など道内を１週間かけてめぐる旅行中で、事故当日の夕方には東京に戻る予定だったということです。
町によりますと、亡くなった人が安置されていた斜里町の運動施設は、２日までに全員が家族へ引き渡され、閉鎖されるということです。
一方、施設の入り口に設けられた献花台も撤去されることになりましたが、依然として各地から多くの人が花を手向けに訪れていることから、希望があった場合は、職員が代わりに受け取るということです。
斜里町の北雅裕副町長は、亡くなった人を安置していた施設を閉鎖することについて「亡くなった方々がご家族の元へ帰ることができたのは、施設を預かる身としては胸を撫で下ろしたというのが正直なところです」と話していました。
その上で、行方が分からない乗客の捜索が続いていることについて「きょうも風が冷たく、海の中も相当寒いと思う。１日も早く家族の元へ帰ってほしい」と述べました。
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