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2022年04月29日16:54

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バジリスク

バジリスクまたはバシリスク(英: basilisk, 羅: basiliscus, 古希: βασιλίσκος [basiliskos])は、ヨーロッパの想像上の生物である。名称はギリシア語で「小さな」を意味するβασιλεύς (basileus) に由来する。全ての蛇の上に君臨するヘビの王である。

古代の伝承

外見はただの蛇だが、頭に王冠を彷彿とさせる模様がある。身体を半分持ち上げて進むと言われ[2]、移動する音を聞いただけで周囲のヘビが逃げていく[4]。この特徴から、後世には、インドやエジプトを含む北アフリカに生息するコブラからこの生物を想像したのではないかとも考えられている[2][4]。リビアや中東にある砂漠地帯は、そこを住処とするバジリスクの力で砂漠となったと言い伝えられた[。

古代ローマの学者大プリニウス(22 / 23 - 79)が書いた『博物誌』(77年)第8巻第33(21)章第78 - 79節及び29巻19章66節の記述をまとめると以下のようになる。バジリスクはクレタ・キュレナイカ州産の小型[4](体長は12ディジット[4]=24cm[2][4]以下)のヘビ[2](トカゲ[4]とも)である。その毒は非常に強力で、匂いにより他のヘビを殺し、息に含まれた毒は石を砕く[2][4]。さらに、馬上の人が手に持った槍でバジリスクを突けば槍を伝った毒がその人を殺しさらに馬すら殺すという。見ただけで死をもたらす力を持っていると思われていた[2][3][4]。イタチが一種の天敵であるとも言われている

『エレミヤ書』や『詩篇』では、バジリスクは救世主によって倒される悪魔の象徴と言われている。
中世の伝承
ウリッセ・アルドロヴァンディ(Ulisse Aldrovandi)著 『怪物誌』(Monstrorum historia)より、「バジリスク」(Basilisk)、木版画、1642年、ボローニャ。
ニワトリに似たバジリスク
聖ミカエルがバジリスクを殺すシーンを描いたズヴォーレの市章。

中世になると、バジリスクについての伝承はコカトリスのものと合流し、同一視されるようになる[6]。バジリスクは、雄鶏の産んだ卵をヒキガエル[7](またはヘビ[5]など)が孵化させて生まれると言われるようになり、その姿や生態についての記述には雄鶏のそれが取り入れられた(後年の主な姿態としては、頭に鶏冠を持ったヘビ、あるいは8本足のトカゲなどがある[)。そして、コカトリスとは雌雄関係にある(どちらが雄か雌かは不明)とも言われ、「バジリスク」の別称として「コカトリス」が用いられるようにもなった。また、ジェフリー・チョーサー(1343頃-1400)は『カンタベリー物語』(14世紀)に「バシリコック」(バジリコックとも。Basilicok)という名前でバジリスクを登場させた[。

その後、バジリスクの恐ろしさに関する記述はどんどん大げさになっていく。例えば、さらに大きな怪物とされたり、口から火を吹くことになっていたりする。
近世以降


ルネサンス時代には、「本当にそれほど危険であれば、実際にバジリスクを見た者は生きて帰れないので、誰もそれについて語れないはずだ」という意見が出てきた[2][5]。それでもバジリスクの伝承はヨーロッパの文化に根付き、貴族や団体などがバジリスクを紋章のデザインに取り入れており、こんにちまで続いている。

バジリスクはその危険な能力故に、多くのファンタジー作品に強敵として登場している(ダンジョンズ&ドラゴンズ、ソード・ワールドRPGなどのテーブルトークRPGでも事実上のボス敵として登場している)。ほとんどで「猛毒を持つ」「視線で石化する」という2つの能力が共通して登場している。ファンタジー作品におけるバジリスクは、コカトリスと混同されるケースも多い。

1768年に発見されたあるトカゲは、バジリスク(本来はコカトリス)を思わせるトサカを持っていたため、バシリスクと名付けられた。ただし、毒はなく、もちろん、見た者を殺す能力もない。
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