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2022年04月26日18:11

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「ハッチング―孵化―」

「ハッチング―孵化―」
2022年4月15日シネマート心斎橋他にて公開
「少女が怪物を育てる」というフィンランドのホラー映画。
北欧フィンランド。庭に美しいバラが咲き、白い壁に
美しい調度品。絵に描いたように笑顔を絶やさない
幸せな家族の様子。12歳の少女ティンヤはその家の長女。
彼女は器械体操の大会で優勝を目指して毎日一生懸命練習に励んでいる。
それはいつも完璧さを目指し「幸せな家族」の動画を世界に向けて
発信し続けている母親を喜ばすためでもあった。
何時しか自我を押さえてすべてを我慢ようになった彼女は、
ストレスが頂点になっていた。ある夜、ティンヤは
森で奇妙なもの見つける。死にかけたカラスが巣に残していた卵だった。
ティンヤはその卵を持ち帰り、家族には内緒で自分のベッドで温め続けた。
卵を抱いていると彼女は安らぎを覚えた。やがて卵は大きくなり、
一抱えにもなっていた。そして、ティンヤの哀しみの涙が卵に
こぼれ落ちた時、遂に卵は割れ「それ」は生まれた。
ティンヤの哀しみの分身である「それ」は、彼女の心にしまった
本音に従い、次々と恐ろしい行動を取り出した。そして……、
愛憎と狂気の映画を完成させたのは本作で長編監督デビューの
フィンランド出身の新鋭ハンナ・ベルイホルム。
見せかけだけの空虚な家族の仮面を剥ぎ取りそこに眠る
おぞましさを抜群の美しさとグロテスクな気味悪さで表現した。
本当に体操の演技を見せて行く素晴らしさ、元フィギュアスケートの
選手で股関節の手術のため選手人生を断念であろう母親が
自分の夢を娘に無理やり投影するおぞましさ、
幼少期の動物に見られる親の吐いたものを食べる行為や、
生まれ落ちる怪物の容姿のみならず。様々な逸脱した表現が
ちりばめられている。脚本家のイリヤ・ラウチの
「少年が鳥の卵から自分の悪い分身を孵化させる」というアイデア
から出発した映画は、ティンヤの血や涙やゲロなどを
を吸ってとんでもない作品となった。
今後の作品にも期待したい。

公式サイト
https://gaga.ne.jp/hatching/
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