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2022年04月19日18:20

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吉宗評判記 暴れん坊将軍にエバタン

第3話「命を的の一番纏」(1978年)

吉宗が八代将軍を継いだ頃、
江戸は連日のように激しい火事に襲われていた。
逃げ惑う庶民が大名屋敷の敷地に入って斬り殺され、
火事に便乗した火事場泥棒というか畜生働きも横行。
しかも火事のない町内にまで火事場泥発生とカオス状態。

この状況に吉宗(松平健)は心を痛めていた。

吉宗は町奉行の忠相(横内正)に何故火事がなくならないのか聞いてみると
「そもそも常火消と大名火消だけに任せっぱなしというのが問題。
彼らには江戸の町を守ろうという心づもりはない。
やはり江戸の町は江戸の人々で守るのが本当である」
ということ。

当時、火消しは幕府直属の定火消と各藩差出の大名火消のみであり
町火消という組織はなかったのだ。

吉宗は忠助に財布ごとお金を借りて江戸の町に飛び出していく。

吉宗は飲み屋にいた。
何かが網にかかるのを待っていたのだ。
そこにエバタン(伝吉)が接触。

エバ「旦那。もーうお帰りですかい?」
吉宗「うん、どこか面白いところはあるのか?
大抵のところなら今行ったばかりだが」
エバ「ま、面白いってわけじゃねーが、少々荒っぽい仕事だが。。
ま、話だけでも聞いておくんなさい(コソッ)」

吉宗は、不知火の虎五郎(小松方正)宅の一室にいた。

エバ「へー、そうでござんすか。ええ、ええ、ええ、わかりますぁ。
いやーどんなに実力がおありなすっても部屋住みのお身の上。
一生うだつが上がらないんじゃぁもお、面白くありませんよねぇ」
・・・どうです、えぇ?思い切ってこうパァーっと派手な事をなすったら」
吉宗「そんな事ができるのかなぁ」
エバ「うーん、ちょっと口に出して言えねえが、またとねえボロ口でさぁ」
吉宗「言えぬとなると、これはますます聞きたくなるなぁ」
エバ「うん、まあ出す物を出していただかないとねぇ」
吉宗「うん?どういう事だ」
エバ「旦那、ちっとはお持ちですかい?」
吉宗「金か、これだけある」

エバタンに忠助の財布を渡す。
財布が重い。
エバ「これは豪勢だ〜。ええ?
これだけあれば、オマエ、御の字だぜ〜ふふ、旦那景気がいいね〜」

エバタンは嬉しそうに財布を振った後、吉宗に返そうとするが
「あにきー」と手下が入ってきたので
自分の懐にサッと財布を隠した。
「あにき、このお侍も例の火付けの・・」
エバ「うるせえ!余計な事しゃべるな!!」
手下に物を投げつける。
「表へ行ってろ、コノヤロウ」

手下、逃げる。
エバタンはえっへっへっはははは・・と笑ってごまかす。

虎五郎「何?侍だと?」
エバ「本人は倍になるなら、いくらでも屋敷から持ち出すと。
そう言っておりやす(ドヤ」

虎五郎「バカヤロウ」
湯呑のお茶をエバタンの顔にぶっかけた。

エバ「うぅ」

虎五郎「素性の分からねえ奴をここに連れてくるなと言ってあるだろ!」
エバ「どうもすいません、へい」

エバタンが立ち上がると、吉宗から預かっていた財布が落ちて小判が散らばる。
なんだこれはと驚く虎五郎。

エバ「いや、ちっちっちっちがうんで、
こいつは侍が手土産に持ってきたんで」

用心深い虎五郎はヤバい気配を感じ取った。
エバタンに吉宗を追い出すように指示。
しかしエバタンが障子を開けると吉宗が立っていた。
ズカズカ入ってきた吉宗に
こんなはした金で何を探りに来たと問う虎五郎。

何か都合の悪いことがあるのか?と吉宗。
手下たちがかかってくるがブチのめす。

虎五郎「なかなか見事な腕前だ。お侍さん。あんたここに来た狙いは?」
吉宗「なに、その男が言った通りちょっと金儲けがしたかっただけだ。大意はない」
エバタンが奥の部屋から暖簾をくぐってやってきた。
小松の後ろにキリッとした顔で立つ。

虎五郎「ほーうそうですかい。では4、5日先にまた遊びに来なさい」
吉宗「4、5日か。わかった」

エバタンが前に出てくる
エバ「親分へのご挨拶はおわったぜ。けーんな」

虎五郎は吉宗に
自分にまかせておけば、闇の将軍様になれると言った。



虎五郎は加賀鳶に目こぼししてもらい、火事場泥棒で大儲けをしようと目論む。

エバタンは大勢の破落戸の前で偉そうに話している。
エバ「いいか、持ち逃げなんかしてみろ、生かしちゃおかねえからな。
俺たちの目は江戸中どこにでも光ってるんだ。
そのかわり、俺たちの言う通りに働いたらなぁ。
そん時はいくらでも褒美ははずまぁな」

破落戸A「でもよぉ、火事の時は奉行所の役人たちが繰り出してきて
俺たちは火事場に入れないんだ」

エバ「新入りだな、コノヤロウ。
おーい、新入りの者はみんなよく聞け〜
今度の火事からはなあ、加賀鳶の後ろに付きゃいいんだ。
100万石の後ろ盾があるんだから
奉行所の役人なんて問題じゃないんだ。わかったか!!」

そしてまた大火事が起きる。

エバタンは破落戸を集めて話をしている。
エバ「おれたちの後ろには100万石が付いてるんだ。
いいか、かまうことはねえんだ。
思いっきりやれー!!!
集めた連中を手分けしてな、火事場へ送り込め」

「「その必要はない」」

吉宗登場!

エバ「なんだーてめーかーどけ!」
吉宗「お前たちの行くところはもう決まっておる」
エバ「なんだとー」
吉宗「伝吉(エバ)年貢の納め時だ。貴様らみんな伝馬町行きだ」
エバ「なにをお。てめぇはいったいどこの馬の骨だ」
吉宗「俺は闇の将軍だ」
エバ「のぼせるな、どうせお前なんか遅かれ早かれ消えてもらうんだ。やっちまえ」

吉宗はかかってきた破落戸を簡単に倒す。

エバタンは吃驚して「あああうっ」と声をだす。
吉宗「心配するな、死にはせん」

立ち回り。
エバタンは刀を抜くと、後ろへ走っていった。

吉宗は奥の部屋にエバタンを追い詰める。
エバタンの刀を持つ手がブルブル震えて
腰が抜けるように座り込む。
エバ「うーうーうー」
吉宗「虎五郎はどこにいる。言え!」
エバ「かかかかかじばの加賀鳶のとこだ」

吉宗が背を向けると、エバタンは後ろから襲い掛かろうとする。
吉宗はそれを払うと刀の柄でエバタンの腹を突く。
エバタンは腹を抱えて倒れる。



吉宗は町火消を採用した。
鳶の頭辰五郎(北島三郎)はめ組の辰五郎となった。

めでたしめでたし。

※自 専(2021年5月5日)
 自 専(2021年6月9日)
 BS朝日(2021年9月17日)

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