最近のメディア報道見聞して感じたこと

１　執拗で残忍なプーナンへの攻撃。

NATO、米英、その他欧米諸国の数々の制裁にも拘らずウクライナを攻撃して領土を
掠め取ろうと躍起のプーチンだが、双方の代表による今日の停戦交渉の対面会談では、
ロシアはキエフへの攻撃は大幅縮小、ウクライナはNATOには加盟せず、
又一定の条件が満たされれば国内に外国軍隊を置かないという条件で一定の合意を得た
と云うニュースを聞いた。プーチンの思惑通りにキエフの攻撃が進展していないこと、
その他の地区でもウクライナ軍が押し返している事、あるいは、制裁が利き始めて
軍資金確保が難しくなり始めたからかはわからないけれど、戦線が縮小するのは
間違いないようだ。子供、市民の犠牲者も減ることが期待できるので、少し明るい
ニュースだと思う。とは云っても、東部に攻撃を集中しながらだから、まだ完全に
停戦が実現する可能性は依然少ないように感じる。
国連は、ロシア軍全ての撤退、攻撃の停止を求める声明を再度、今日発表したが、
ロシアがこれに応じるとはとても思えないから尚更だ。
プーチンは、アメリカがアフガニスタンから撤退した事を見てバイデン政権を弱腰とみて、ウクライナに侵攻したとしてもそれほど関与しないと思いチャンスと見たという見方があるというニュース解説者の話を聴いたが、さもありなんと思う。
ソ連崩壊後冷戦終結し、一時は平和な世界に戻ったかと思ったものだが、その後権力の
座に着いたプーチンは、独立した旧ソ連の国々の奪回を当初より狙って、その通り
支配下に置いてきた。その総仕上げでウクライナの領土も掠め取りたいと思った様だ。
今回の戦争で、あらためて独裁の国家というのは常に他国の領土を狙って何を
しでかすか分からないとつくづく思う。中国、ロシア、北朝鮮に近い台湾、日本に
とっては、だからこそ対岸の火事だと思えない。欧米と肩を並べて制裁を強化した
岸田首相にはこうした背景に基づいた決意が感じられ、徹底的にやってくれという思いだ。同時にプーチンという一国のトップともあろう者が国連の常任理事国でありながら、国連の平和維持活動を無視してぶち壊す事態にも、拒否権はく奪の制裁を科せない国連の今のあり方は、情けないの一言だと思う。

２最近の裁判判決に思う

最近、北海道での元安倍首相の応援演説に対するヤジ裁判の判決と不妊治療訴訟に対する勝訴判決があった。ヤジ裁判については、一年前、ニュースで演説中の安部元首相にヤジを飛ばしていた男性が2，3人の警察官によって、ヤジをしている場所から両腕を挟まれて遠くの場所へ移動させらている所を見た。更にニュースは「増税反対！」と叫ぶ女性
の姿を映し、同じように脇を抱えられていく様子を続けていた。
ニュースのコメントでは、両者とも演説者に危害を加える恐れがあり排除したとあった
ように思う。その時、単にヤジを飛ばすているだけで危険人物とする警察にとにかく
ひどい話だと感じたものだ。
だから、今回この勝訴も、表現の自由を保障している憲法違反と断じ、又人権の著しい
侵害とした裁判所の当然の判断と、朝日の社説が明快な論を張って裁判所に良識を讃えたことにまだ日本は捨てたものではないと感じる。だけれど、自民、公明、維新などは、
コロナ禍の今、緊急事態を定義している法の内容を地震のみならず、パンデミックその他、彼等が指定する事ができるように虎視眈々と狙っているようだと朝日の記事にあったから、国会の数で優位な彼等は油断できない。秘密保護法というのは既にあるし、この法を拡大解釈して個人を逮捕などというのもあるかもしれないし・・民主主義が生きていると言っても何かと不安な面がある。

　不妊治療判決のニュースも初めて知ったがビックリポンだ。勝訴のラジオニユースを一昨日聴いたが、障害者、精神病患者が老若関係なく無理やり不妊手術をされ、子供をもう産めない体にされた人が分かっているだけでも16500人もいるというのだから驚く。
調べてみると,旧優生保護法の下、妊娠したと分かると看護婦が病院の命令や親の指示でやってきて救急車で無理やり病院に運び、不妊手術を施したりした事も頻繁にあったと
云う。医療刑務所に送り込まれることも一般的だった様だ。嘗てライ病患者を隔離されたライ病棟に送り込んだ法と同じく人権無視、人間の尊無視の旧優生保護法のひどさに愕然とする。しかも50年ほど前に廃止後も、収監状態に一度置かれた人は世間から指さされノイローゼになったりする人も多かったり、中には自殺する人まであったというから悲惨と云う他はない。人生をめちゃくちゃにされ、今尚苦しめられている人に勝訴とはいえ、たった1500万円の賠償金というのも少なすぎる感じがする。不当逮捕有り、誤審裁判あり、人権無視の旧法で今なお苦しむ人ありの今、日本は胸を張って国際社会に誇れる国とは呼べない。とにかく今週はびっっくりが多い週だった。