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2022年03月18日23:59

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日本一のチャラ男(植木等にあらず)/追悼・宝田明さん

■宝田明さん急逝、87歳 10日舞台あいさつに登壇も13日容体急変 映画「ゴジラ」など出演
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■宝田明さんを「ゴジラ」が追悼「レジェンドを失ってしまった」/54年のシリーズ第1作に主演
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■「ウルトラマン」フジ隊員役の桜井浩子「茫然としております」宝田明さん追悼
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■宝田明さん「日本人女性がソ連兵に拉致」本誌に語っていた“70年間忘れられない光景”
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■草笛光子、多くの作品で共演した宝田明さん悼む「どうして私よりも先に逝ってしまったの」
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 有名人の訃報記事に触れるたびに、一般人の追悼コメントの酷さ(追悼する気などサラサラない)に憤慨することが多い。
 宝田明さんの逝去に際しても、ろくに宝田さんの映画を観てもいないと思しい通り一遍のコメントばかりで、彼らの浅薄さには呆れ果てるしかない。

 『ゴジラ』第1作のスタッフ、キャストでご存命だったのは宝田さんくらいだし、初主演作品であることは事実であるから、ニュース記事で真っ先に取り上げられることは当然と言えば当然ではある。しかし『ゴジラ』は果たして宝田さんの「代表作」だと言えるのだろうか。
 映画をご覧になった方ならお分かりだろうが、名前こそトップクレジットであっても、『ゴジラ』の真の「主役」は、平田昭彦演じる芹沢大介博士である(主役はゴジラだろ?って声は置いとく)。宝田さんが演じた尾形秀人の影は、正直かなり薄い。言っちゃ何だけど、物語展開上、別にいなくてもいいキャラなんだよね。むしろ恵美子が芹沢じゃなくて尾形を選んだのは顔じゃないのかって憤慨の対象にすらなっている。

 宝田さん主演の特撮シリーズなら、『モスラ対ゴジラ』や『怪獣大戦争』、あるいは『緯度0大作戦』での活躍の方が印象に残るという人も多いだろう。代表作というなら、それらの作品を挙げてくれた方がまだ納得できる。
 特に『怪獣大戦争』では、相棒のニック・アダムスの吹き替えを担当していたのが納谷悟朗だったから、宝田さん×納谷さんの掛け合い漫才(笑)が聴けるという、吹き替えファンには素敵すぎるシーンが随所にあるのだ。これを観てなくて宝田さんを語るというのは、お前モグリだろうと言われても仕方があるまい。

 『ゴジラ FINAL WARS』での宝田さんの台詞に「こう見えても昔は百発百中と呼ばれた男だ」というものがある。これは宝田さんの主演シリーズ『100発100中』『100発100中 黄金の眼』の2作にオマージュを捧げたものだ。
 都筑道夫、岡本喜八脚本によるスパイアクションもので、宝田さんは主役の謎の男・アンドリュー星野を演じている。イアン・フレミング原作の007シリーズのブームは、日本でも、映画、テレビに数多くの亜流作品(『国際秘密警察』シリーズや『キイハンター』など)を生み出したが、本家の猿真似に陥ることなく、独自のキャラクターと世界設定で観客を魅了し得た映画はどれかと言われれば、『100発100中』に如くものはない。
 軽快、というよりは現代のチャラ男にイメージが近い、まるで凄腕のスパイらしく見えないアンドリューのキャラクターは、正統派二枚目として型通りの役ばかり演じさせられていた宝田さんにとっては、まさしく殻を破る役になったのではないか。

 舞台ではミュージカル俳優として晩年に至るまでその美声を披露されていたが、そのステージを観たという声も殆ど上がってはいない。同じく東宝ミュージカルの草分け的存在だった高島忠夫が、その主演映画の多くでも歌い踊っていたのに比べて、宝田さんにはこれと言ったミュージカル映画の主演作がない。『ダンスウィズミー』で宝田さんが歌うシーンがあると知って、それを目当てに映画を観に行った身としては、やはり歌手としての宝田さんに触れたコメントが皆無に近いのが何だかなあ、という気にさせられてしまうのである。

 本当にいつも感じることなんだけれど、よく知らない、特に思い入れもない俳優さんの逝去を、形だけ悼んでみせるって何なんだろう? 本当に宝田さんのファンだったのだなあと思えるコメントは数えるほどしかないのだ。
 ましてや、宝田さんの反戦活動を非難するネトウヨがうようよと涌いて出てきているのには反吐が出る。誹謗中傷とまでは言えないとしても、故人にかこつけて自分の偏狭な思想を押しつけようって姿勢、恥ずかしいとは思わないのだろうか。
 宝田さんを本当に悼みたいのなら、その映画の「内容」について具体的に語ろうよ。悼み方も分からないのに呟くのは止めてくれ。それが故人に対する「冒涜」になってるってことに気付けよって。
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