北京五輪閉会式「一つの世界、一つの家族」テーマに　ARも駆使

北京五輪閉会式「一つの世界、一つの家族」テーマに　ARも駆使
2/20(日) 22:45　毎日新聞　配信より

北京五輪閉会式「一つの世界、一つの家族」テーマに　ARも駆使（毎日新聞） 配信より

入場する各国選手団＝北京・国家体育場で2022年2月20日、宮間俊樹撮影

17日間にわたる熱戦が続いた北京冬季オリンピックの閉会式が20日、北京・国家体育場（通称「鳥の巣」）であった。中国の習近平国家主席や国際オリンピック委員会（IOC）のトーマス・バッハ会長が出席。演出の総監督は開会式と同じく、国際的に活躍する映画監督の張芸謀（チャン・イーモウ）氏が務めた。張氏は2008年北京夏季五輪でも開閉会式の総監督だった。

開閉会式のテーマは「一つの世界、一つの家族」。冒頭、巨大な雪の結晶を模した聖火台の周りでランタンを手にした子どもたちが踊った。ランタンは、中国で旧正月後の最初の満月の夜を祝う「元宵節（げんしょうせつ）」に使われるもの。 　会場では、拡張現実（AR）技術によって空中に巨大な赤い伝統工芸の中国結びの飾りが登場。各国・地域の選手団は巨大なインスタレーションの下、入場を開始した。場内にはベートーベンの「交響曲第9番（第九）」が鳴り響いた。 　日本選手団も入場。旗手はスピードスケート女子の郷亜里砂（イヨテツク）が開会式に続いて務めた。隣国ロシアと軍事的緊張が高まっているウクライナの選手団は、バイアスロン女子のオレーナ・ビロシウクが旗手を担った。 　

08年北京五輪で初めて採用されて以降、閉会式で恒例となったボランティアをたたえる演出が今大会でも実施された。6人の代表者だけでなく、観客席にいる数百人のボランティアにも中国の伝統的なランタンが配られ、幻想的な明かりが会場を照らした。 　式の後半、中国で古くから旅立ちや別れを象徴する柳の木をイメージした演出があり、旅立つ者に柳の枝が贈られたという風習にちなみ、しだれ柳が青いLEDライトで表現された。 　五輪発祥の地であるギリシャの国旗掲揚と国歌の演奏に続き、「新年の繁栄」を表す切り絵模様が描かれた服を身にまとった中国の子どもたちが五輪賛歌を合唱。五輪旗が降ろされた。 　

フラッグ・ハンドオーバー・セレモニー（五輪旗引き継ぎ式）では、北京市の陳吉寧市長から、26年開催都市であるミラノ市のジュゼッペ・サラ市長とコルティナダンペッツォ市のジャンピエトロ・ゲディーナ市長に五輪旗が引き継がれた。それぞれの街を代表して2人の子どもが、手作りの地球儀で遊びながら薄氷の上を歩く姿で、気候変動などの危機に直面する地球のもろさを表現。ダンサーの動きによって描かれた線で冬季競技が形成され、26年大会のエンブレムの輪郭が形作られた。 　

終盤、バッハ氏がスピーチ。「中国の皆さんが文句なしの舞台を安全な形で整えてくれた。ありがとう、中国の友人の皆さん」と大会運営をたたえた。演説は9分近くに及び、閉会を宣言した。 　

バッハ氏のスピーチを巡っては「あいさつが長い」などの指摘がSNS（ネット交流サービス）上で飛び交ってきた。昨夏の東京五輪の開会式では約13分に及び、約7分だった閉会式では寝転びながら聞く選手の姿が報じられた。北京五輪の開会式でもその長さに注目が集まり、夜の寒さの中、時間は約10分だった。 　

子どもたちの歌声とともに、雪の結晶のオブジェの中心にともされた聖火が消え、花火が打ち上げられた。さらに低空花火で竜の舞が披露された。フィナーレを彩った花火で「一つの世界、一つの家族」というメッセージと「共に」という五輪の精神を表した。 　

大会は91の国・地域から約2900人が参加し、7競技で史上最多の109種目が実施された。日本は冬季五輪史上最多となるメダル18個（金3、銀6、銅9）を獲得した。

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最終更新:2/20(日) 23:37　毎日新聞

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