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2022年01月30日18:11

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佐藤力生氏について

魚単身赴任していた佐藤力生氏(70)が昨年末、三重県鳥羽市の答志島の自宅で心筋梗塞のため亡くなられたというニュースを知ったのはつい最近でした。

佐藤力生氏(さとう・りきお=JF鳥羽磯部漁協監事、JF熊野漁協監事、JF三重漁連監事、元水産庁技官)
2021年12月28日
日刊水産経済新聞
https://www.suikei.co.jp/%e4%bd%90%e8%97%a4%e3%80%80%e5%8a%9b%e7%94%9f%e3%80%80%e6%b0%8f%ef%bc%88%e3%81%95%e3%81%a8%e3%81%86%e3%83%bb%e3%82%8a%e3%81%8d%e3%81%8a%ef%bc%9d%ef%bd%8a%ef%bd%86%e9%b3%a5%e7%be%bd%e7%a3%af%e9%83%a8/
単身赴任していた三重・鳥羽の答志島の自宅で21日、心筋梗塞のため死去、70歳。26日に鳥羽で火葬に付された。葬儀・告別式は、1月16日午前11時から、千葉・鎌ケ谷市の昭和セレモニーkioro鎌ヶ谷(鎌ケ谷市鎌ケ谷4−1−30(電話047−441−4444)で行われる。喪主は、妻・富美子(ふみこ)さん。時節柄、近親者のみの家族葬として行い、香典の儀は、固く辞退するとしている。

佐藤氏は、大分県出身で、東京水産大学(現東京海洋大学)卒業後、水産庁に入庁。資源管理や漁業調整、水産経営の課題などに現場目線で取り組み、定年退職後は三重県に単身赴任し、現場の漁師として水産問題に真正面から向き合い、率直な意見を具申した。水産経済新聞では、2013年1月からコラム「漁師力生の熊野灘」の連載を開始。12月23日付の「力生 離島・答志に住む」(第154回)では、北海道クロマグロ訴訟が「棄却」されたことについて、「最高裁の裁判官に正義の判決を求めたい」と、最後まで漁師としての現場目線で訴えていた。

著書に「コモンズの悲劇から脱皮せよ」(2013年北斗書房)。

魚佐藤力生さんが日刊水産経済新聞に連載していたコラム…
https://www.suikei.co.jp/rensai-list/
「漁師力生の鳥羽磯部」(2013.10.1- 2014.11.27)
26 漁師の痛み             2014.11.27
25 いよいよ復活へ萌芽か        2014.10.31
24 IQで海水温がさがるのかぁ!    2014.10.6
23 死ぬまで働く            2014.9.18
22 ウェッジに楔を           2014.9.4
21 逆からみた力生           2014.8.22
20 光と闇               2014.8.8
19 凶暴マグロと協業化         2014.7.24
18 なにか変だよ検討会         2014.7.9
17 灯台下暗し             2014.6.27
16 屋号は実力で決まる         2014.6.12
15 刺網もお手上げ           2014.5.29
14 離婚したくなければ漁師になれ!?  2014.5.15
13 「何か違う」という感覚       2014.4.30
12 ビクビクの朝市初体験        2014.4.16
11 オリンピック制は都市伝説      2014.3.31
10 漁師・力生のカンボジア       2014.3.13
9 牡蛎・柿交換            2014.2.28
8 本物の「あまちゃん」は甘くなかった 2014.2.13
7 カキ養殖は畑作ではなかった     2014.1.30
6 ワカメから伊勢湾台風をおもう    2014.1.16
5 むきたてのカキは海の味       2013.12.17
4 市場もいろいろ(後編)       2013.12.5
3 市場もいろいろ(前篇)       2013.11.22
2 サトウの切り牡蛎          2013.11.8
1 熊野から鳥羽へ           2013.10.1

「漁師力生の熊野灘」(2013.1.25 - 2013.9.18)
17 いま1度、地域営漁計画を      2013.9.18
16 気まぐれな海の恵み         2013.9.4
15 漁労技術の再点検          2013.8.21
14 漁船の病院             2013.8.8
13 今どきの若い者は          2013.7.17
12 餅まきに関する勝手な一考察(後編) 2013.7.1
11 餅まきに関する勝手な一考察(前編) 2013.6.20
10 マグロが害魚?           2013.6.7
9 過疎と生活保護           2013.5.22
8 伊勢エビ漁はゴルフに似ている    2013.5.8
7 机下の空論             2013.4.23
6 漁師の手              2013.4.2
5 90日は簡単ではなかった      2013.3.19
4 サンマの丸干し           2013.3.6
3 ボラの名誉を回復しよう       2013.2.13
2 住んで分かった生活環境       2013.2.7
1 伊勢エビ漁と勤勉性         2013.1.25

「力生 離島・答志に住む」(2015.8.12 - 2019.9.27)
100100回目を迎えて         2019.9.27
99 タコ爆発的大漁           2019.9.13
98 成長産業化する漁業とは       2019.8.29
97 やればできる花火大会        2019.8.8
96 偶然のありがたさ          2019.7.19
95 二重思考              2019.6.26
94 がんばる罰金            2019.6.26
93 増えても獲るな!の新資源管理    2019.6.11
92 令和の未来は明るい?        2019.5.23
91 人を魅了する家族漁業        2019.5.10
90 ワカメの等級再考          2019.4.23
89 和を取り戻す新時代へ        2019.4.11
88 行政対応事務代行業         2019.3.27
87 クロマグロ底引き網漁業       2019.3.14
86 統計は政治の鏡           2019.2.25
85 JCFUという組織         2019.2.14
84 漁協系統組織のありがたさ      2019.1.24
83 これまでの苦労は          2019.1.17
82 立法事実がなかった         2018.12.28
81 将来不安で後継者が減る       2018.12.12
80 一流企業の不祥事          2018.11.28
79 困った正反対の現象         2018.11.15
78 「答志島トロさわら」宣言      2018.10.25
77 漁業法の目的            2018.10.12
76 IWCPFC            2018.9.26
75 成長と自然災害           2018.9.11
74 丁寧な(無回答)説明        2018.8.30
73 不戦勝?不戦敗?          2018.8.14
72 森は海の反面教師          2018.7.30
71 消費期限切れ改革          2018.7.18
70 進行役の涙             2018.6.21
69 改革案に緊急アンケート実施せよ!  2018.5.30
68 太陽光発電考            2018.5.24
67 20年に1度            2018.5.15
66 三、百、千という結果        2018.4.27
65 移住定住?             2018.4.12
64 書き換え「信じられない」      2018.3.28
63 手配師の悩み            2018.3.14
62 権威なき社会            2018.2.28
61 生贄                2018.2.16
60 事実認識の検証を          2018.1.19
59 地方行政に注意喚起         2018.1.12
58 海をなめたらあかん         2017.12.22
57 こんな生協は応援したい(後編)   2017.12.8
56 こんな生協は応援したい(前編)   2017.11.21
55 種間依存・競合関係         2017.11.9
54 漁村と漁港は日本の宝        2017.10.24
53 都市に対するボランティア      2017.10.4
52 納税の自由             2017.9.29
51 ダークサイド            2017.9.13
50 「理論と心」備えた強力な助っ人   2017.8.30
49 いるのに獲れない          2017.8.16
48 定置網と数量管理          2017.7.25
47 逆婚活               2017.7.13
46 あつものに懲りて          2017.6.27
45 村十分               2017.6.13
44 青いダイヤ             2017.5.29
43 週休3日              2017.5.12
42 ロボットよ楽しい仕事を奪うな    2017.4.11
41 結(ゆい)途中報告         2017.4.11
40 同じ屋根の下に           2017.3.22
39 息子に決めさせろ!         2017.3.8
38 資源悪化という自然災害       2017.2.23
37 「離島」対「過疎地」        2017.2.10
36 官・公・民の理想社会江戸にみる   2017.1.25
35 漁村で育つこと           2017.1.12
34 魚の重さを量る           2016.12.28
33 漁業版ワーキングホリデー      2016.12.14
32 いよいよ来たか?          2016.11.30
31 ヨン様先生の岩波新書        2016.11.10
30 よい談合のすすめ          201610.27
29 運動会とイセエビ          2016.10.14
28 島ゆえの強み            2016.9.29
27 売れ残らないこと          2016.9.5
26 貧酸素水塊の怖さ          2016.8.25
25 海女さんの死(後編)        2016.8.8
24 海女さんの死(前編)        2016.7.22
23 温厚な海賊             2016.7.7
22 水産庁を答志島へ          2016.6.29
21 「セリ」は分らん          2016.6.10
20 漁協は人でこんなに変わる      2016.5.26
19 「官官接待」復活待望(暴)論    2016.5.13
18 海女さんがボンベを使わない訳    2016.4.25
17 MSYは自然にかなわない      2016.4.8
16 「結構想」に着手          2016.3.22
15 魚と芸能の島・答志         2016.3.15
14 廃校が漁業をつぶす         2016.2.26
13 国破れても漁港あり         2016.2.12
12 「女性が輝く日本」て本当?     2016.1.27
11 浜が“沸く”             2016.1.13
10 地域に合った規制を         2015.12.21
9 信頼するのも時には         2015.12.16
8 そんな場面に出会えるとは      2015.11.30
7 3000人の市場見学者       2015.11.13
6 サワラの海女漁?          2015.10.29
5 これぞ循環型経済          2015.10.14
4 多様性にみる合理性         2015.9.30
3 スタイルがよすぎて         2015.9.9
2 先人の知恵による資源管理      2015.8.25
1 値段とはいったい何なのか      2015.8.12

「水産業 成長のカギは技術にあり!青森産技編」(- 2020.1.29)
1 独法化生かし研究専念        2019.11.5

魚佐藤力生さんのブログ「本音で語る資源管理 Topic of marine resource management」
は2015年1月7日から始まっていた。

IQ・ITQ, 資源管理一般
「本音で語る・・・」の由来
by 佐藤 力生 • 2015年1月7日
http://shigenkanri.jp/?p=97
「本音で語る資源回復計画」(「水産振興」第442号 財団法人東京水産振興会 平成16年10月1日発行:在庫なし)という46ページの小冊子があります。
http://shigenkanri.jp/root/wp-content/uploads/2015/01/da3b3fba5ad2ee4aa09263ddb29ad188.pdf
この冊子は「筆者は、平成9年10月から平成16年4月までの6年半、水産庁資源管理部管理課で漁業管理推進官、資源管理推進室長として、途中で職名は変わったものの一貫して資源管理の業務に携わった」で始まります。

この筆者とは私のことであり、このブログの表題はこれに由来したものです。

「本音」とは「建前」の対象に位置するものです。私がその企画、立案、実践に一貫して関わった「資源回復計画」について、役所が公表する資料(建前)に書いていない、裏話(本音)を語っておくことが「将来なにかの役に立つもの」とし、書き残したものです。

私は、この冊子の最後を以下のようにむすんでいます。

まだ分かってもらえないのか。何度も言うように「TAC」も「IQ」も道具である。道具に非はない。その道具をおもちゃにする者が悪いのである。ということで筆者の最後の仕事はIQつぶしとなった。そのためか、今度は筆者もつぶされ別のポストに異動し、いまこの話を書いている次第ではないかとの見方もある。目的と手段の逆転は水産行政の至るとこに見られる。今後ともこの戦いは続く。

若干補足します。水産庁には、室長以上の幹部が出席する庁議というのがありますが、さらにその上の幹部だけが集まる会議もあり、そこで「IQを導入しよう」という意見が一部の幹部から出ました。私が、なぜIQに反対するかは、おいおい説明していきますが、それを聞いた私は「まだ分かってもらえないのか」と心底がっくりし、思わず「私が資源管理の室長である限り、絶対にIQはやりません」と答えました。当然ですがそれが幹部の逆鱗に触れ、あっという間に異動させられることになりました。

早いものであれから10年です。この間水産庁では、IQ導入をめぐる議論が繰り返し行われたようですが、幸いなことに未だ我が国にIQは導入されていません。しかし、油断はできません。むしろ今大変な危機が近づいていると思います。

●進撃の巨人が迫るIQ・ITQ

それは、あの「進撃の巨人」のような規制改革会議が、IQのみならずそれを過激化させた「ITQ」の導入を、漁業者の反対にもかかわらず強く迫っているからです。

規制改革会議とは、「市場機能をより発揮するための競争施策の積極的展開」を御旗に掲げた組織であり、その基本思想は欧米由来の個人主義、市場原理主義などを尊ぶいわゆる「新自由主義」といわれるものです。そうです、個人主義を具現化したのがIQであり、それをお金で取引する市場原理主義化したものがITQなのです。

では、過去20年間にわたる規制改革路線が、我が国経済になにをもたらしたでしょうか。格差の拡大とデフレ不況という経済の低迷ではなかったでしょうか。規制改革会議がマスコミとタッグを組み喧伝してきた「成長路線」とは実はその頭に「自分だけ」が付いたものであったことに、国民はようやく気付いてきました。

漁業関係者も知っています。IQ,ITQがいくら巧妙に資源管理の衣をまとっても、その真の目的が、多くの漁業者から、生活の糧である資源を奪い、漁村共同体を崩壊させ、ごく一部の強欲者のみを豊かにする富の略奪手段の制度化であると。

●不都合な真実

ここに一つの不都合な真実があります。それは、規制改革会議の関係者が、口を紡ぎ決して触れないことです。それはなんでしょうか。

2009年ノーベル経済学賞を受賞した米国のエリノア・オストロム教授(故人)のことです。教授は、「コモンズ(共有資源)の悲劇」の解決手段として、日本型漁業の特徴でもある「利害関係者による自主的管理」が、有効であることを、それまでの常識を覆して証明したことが受賞の理由となりました。また、世界的に著名な水産資源学者である米国のレイ・ヒルボーン教授も、オストロム教授の考えを支持しており「世界の漁業の大多数にとって、唯一の現実的な解決策である共同管理が、世界の漁業が直面する諸課題の多くを解決できるという希望が得られる」としています。

もうおわかりですね。なぜ彼らがこれらの事実に一切触れないかを。

これからしても、IQ,ITQという劣った資源管理方法を、我が国に導入しなければならない理由などありません。世界の権威に逆らいIQ,ITQが必要と主張する学者がいるなら、私はその学者にいいたい。ノーベル賞をとってから出なおしてこい!と、までは言いませんが、まずネイチャーなど権威ある学術雑誌に、オストロム教授やヒルボーン教授に対抗できる論文を投稿し、客観的評価を得てから発言していただきたいと。でないと3流学者の言う「IQ,ITQはすばらしい」など誰も信用できませんよ、とね。

10年間という空白を経た今、このブログの開設で、私とIQとの戦いは第2ラウンドに入りました。今回の目的は、多くの国民を不幸にした規制改革会議から漁業を守ることです。このブログにおいて、資源管理や漁業に関心のある方だけでなく、規制改革会議の提言に沿った経済施策一般に疑問を持つ方にも、その本質を理解するにおいて、すこしでも私の語る本音がお役に立てば幸いです。

魚答志島漁業
高齢者を招く 計画を推進、来月始動 水産庁OB・佐藤力生さん /三重
2017/2/9
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170209/ddl/k24/040/085000c
鳥羽市の離島・答志島で3月、繁忙期の漁村の働き手として、都市部から漁業に関心のある高齢者を招く「結(ゆい)づくりプロジェクト」が始まる。仕掛け人は2015年6月、過疎と漁師の後継者不足に悩む答志島へ千葉県から移住してきた水産庁出身の佐藤力生さん(65)。プロジェクトチームの事務局長を務め「漁村では働ける限り頼りにされる。都会で孤独に老後を過ごすより、島で新しい人生を始めよう」と参加を呼び掛けている。【林一茂】

佐藤さんは大分県由布市出身。大学卒業後の1976年、水産庁に上級職で入庁した。現場に軸足を置き、宮崎県漁政課長時代はシラス漁を巡って暴力団と対立するなど「異色の官僚」で知られた。衰退する漁業に心を痛め「定年まで勤めたら、天下りせず、漁業の現場で働く」と決めていた。

退職直後の2012年5月、妻(62)と娘2人を千葉県白井市に残し、鳥羽磯部漁協の永富洋一組合長(73)の誘いで熊野市に移り住んだ。地元漁協の立て直しに尽力し、13年9月に鳥羽市に移り、沿岸漁業の手伝いや県漁連のアドバイザーなどを務めた。答志島に移住してからは鳥羽磯部漁協の監事となり、魚介類の搬送などの手伝いもしてきた。

島は県内で最もワカメの養殖が盛んで、和具地区は46戸が養殖業を営む。そこに目を付けたのが今回のプロジェクト。昨年2月にワカメ養殖業者らと6人でチームを発足させた。「軽作業のワカメの選別などは、老後の生きがい対策にうってつけ」。作業の繁忙期の3月18日〜4月21日、3泊4日と6泊7日の両コースを準備した。

同漁協和具支所の中川勝仁支所長(48)やチーム代表の橋本計幸(かずゆき)さん(65)は「プロジェクトは漁業者の我々にも都市部の高齢者にも得になる」と感謝する。

魚佐藤力生さんが島のために無報酬でアイデアと行動力を投入し、実現させたプロジェクトの詳細は…
「結(ゆい)」鳥羽磯部/鳥羽発!
漁村と都市高齢者の「結(ゆい)」づくりプロジェクト
http://www.yuitobaisobe.com/newsp.html

生前のご活躍を偲びたいと思います。
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