…昨日の話し。
正午でアルバイトを終了し、白金台のドンキホーテで買い物。
帰宅後、DVDで七里圭監督の「のんきな姉さん」と、エレオノール・フォシェ監督のフランス映画「クレールの刺繍」を観ました。
桜庭一樹の映画エッセイ「桜庭一樹のシネマ桜吹雪」を読み終わりました。
☆「のんきな姉さん」(2004)監督 七里圭 出演 梶原阿貴、塩田貞治、大森南朋、竹花梓、細田玲菜、細田晃慶、佐藤允、三浦友和
姉との禁じられた愛の記憶を小説に書き雪山で自殺しようとする弟・寿司夫と、聖なる夜にオフィスで残業する姉・安寿子。その二人の現在に、記憶 = 小説がフラッシュバックされてゆく。
雪山と都会、現在と過去という二つの空間、二つの時間が錯綜し、いつしか姉弟はふたりきりで、夜空いっぱいに打ち上がる花火を見ている。
そこは夢の世界か、黄泉の国か……。
森鴎外の「山椒大夫」、唐十郎の「安寿子の靴」、山本直樹のコミック「のんきな姉さん」の3つの作品からインスパイアされ、監督の七里圭が書き下ろしたオリジナル・ストーリーとのこと。
鴎外の「山椒大夫」以外は、知りません。ですので、唐十郎作品や山本直樹の漫画の ” 色 " がどの程度生かされ、影響しているのかワカリマセン。
…ただ言えるのは、どうにも見続けるにしんどい拙さでありました。
☆「クレールの刺繍」(2014)監督 エレオノール・フォシェ 出演 ローラ・ネマルク、アリアンヌ・アスカリッド、ジャッキー・ベロクイエ、トマ・ラロブ、マリー・フェリックス、アルチュール・ケアン、アン・キャノヴァス
スーパーのレジ係として働く傍ら、小さな下宿で大好きな刺繍制作に精を出す17歳のクレール。
じつは彼女は望まない妊娠をしてしまい、5ヶ月経った今も親友以外には打ち明けることが出来ず、母親にさえ黙っていた。そして、医者から勧められた ” 匿名出産 "という、産みの親が身元を秘したまま出産し子どもを養子に出す合法制度を利用しようと考えていた。
そんなある日、クレールはふとしたきっかけから、刺繍職人のメリキアン夫人のアトリエで働くことに。しかし、最愛の一人息子を事故で亡くしたばかりの夫人は、悲しみに打ちひしがれ世捨て人のような生活を送っていた……。
…ヒロインのクレールが無口なのがイイね!
いったい何を考えているのか、つらいのか、悲しいのか、嬉しいのか、楽しいのか、さっぱりわからない。
…おそらく、いろいろな意味で追い詰められた17歳の女の子って、何をどう表現したらいいのかわからないのかも知れない。
特にドラマティックな事件が起こるワケでもなく、ハナシは淡々と進んでいきます。そして、だんだんと膨らんでいくお腹。見ているほうはハラハラします。
優しいのか、優しくないのか、冷たいのか、冷たくないのか、コチラも判然としないメリキアン夫人と、無愛想なクレールとの ” 刺繍 " という共同作業を通した、気持ちのやり取りがなんとなくコチラにも伝わってきて優しいキモチになります。
…なんだか、如何にも ” フランス映画 " って感じの、フェルメールの絵を見ているような映画でした。
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