mixiユーザー(id:5019671)

2022年01月02日17:33

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傾向にある 傾向がある

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【27】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1980862166&owner_id=5019671

mixi日記2022年01月02日から

 テーマサイトは下記。
【傾向にあると傾向があるの違い】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12736946.html
===========引用開始
質問者:ガビン質問日時:2021/12/30 18:25回答数:5件
両者の違いについて知りたくて、色々とググってみたのですが、同じ意味だと教えてる日本人がいる一方、確かな違いがあると教えている日本人もいました。

それから、両方を入れ替えると変な日本語になると説明している方もいました。

両者の違いについて教えていただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

■質問者からの補足コメント
ご回答ありがとうございます。
ところで、”趨勢にある”で検索した結果ですが、結構ヒットしますね。

下記は国を日本、言語を日本語に絞った結果です。

https://search.yahoo.co.jp/search?p=%E2%80%9D%E8

YAHOOニュースの検索でも少ないがヒットはしますね。
===========引用終了

 これは難問。悩んでいたら、質問の2日後にはBAが決まった。なんだかなぁ。
 ネット検索すると、けっこうな数がヒットする。
【”傾向にある” ”傾向がある”】約 7,570,000 件
https://www.google.com/search?q=%E2%80%9D%E5%82%BE%E5%90%91%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E2%80%9D+%E2%80%9D%E5%82%BE%E5%90%91%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E2%80%9D&rlz=1C5CHFA_enJP933JP935&oq=%E2%80%9D%E5%82%BE%E5%90%91%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E2%80%9D%E3%80%80%E2%80%9D%E5%82%BE%E5%90%91%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E2%80%9D&aqs=chrome..69i57j0i4i37i512.44875j1j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8
 ところが、信頼できそうなサイトが見当たらない。これは手が出せないかも。よくある質問は、NHK、alcなど、信頼できるサイトでも取り上げていることが多いのだが。
 質問者が調べた1)〈同じ意味だと教えてる日本人〉、2)〈確かな違いがあると教えている日本人〉、3)〈両方を入れ替えると変な日本語になると説明している方〉はそれぞれどれなんでしょう。そのあたりはちゃんと書いてほしかった。それとも当方が知らない検索結果がほかにあるのだろうか……。
 基本的に、2)〈確かな違いがあると教えている日本人〉なら、3)〈両方を入れ替えると変な日本語になると説明している方〉になるはず。だって全然違う言葉に入れかえたらヘンな日本語になるでしょうに。
 いくつかやり取りを見る。
【1】https://hinative.com/ja/questions/1173356
===========引用開始
「A傾向にある」は、Aの傾向になりつつある、という意味です。
「A傾向がある」は、Aしがち(現在Aばかりしている)、です。
===========引用終了 
 これは2)〈確かな違いがあると教えている日本人〉だろうか。
 この質問サイトは、外国人の質問に答えているもので、意味不明のコメントも多い。
 この場合は、かなり適確な気がする。


【2】https://hinative.com/ja/questions/3553864
===========引用開始
どれもほとんど同じ意味です。ですが、「きらいがある」はあまり固い言い方ではないので、固い言い方の「傾向にある」「傾向がある」と入れ替えると、不自然になります。

近年、スリの被害は減少する傾向にある。
近年、スリの被害が減少していく傾向がある。
あの人は、寝坊するとそのまま学校を休んでしまうきらいがある。 
===========引用終了
 これは1)〈同じ意味だと教えてる日本人〉にもかかわらず、3)〈両方を入れ替えると変な日本語になると説明している方〉にも見える。よく読むとそんなことは言っていない。「傾向にある」「傾向がある」は同じようなものだが、「きらいがある」にかえるとヘンになるとしている。
「減少する傾向がある」を「減少していく傾向がある」にかえたのはなぜ? おそらく【1】にあるように「になりつつある」だから、「していく」にしたのでは。それで「ほとんど同じ意味」にするのは反則だろう。
 

【3】https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11110757991
===========引用開始
はっきり異なります。

「傾向がある」=「〜しがちだ」と言い換えられます。「傾向がある」というのは人・物の性質です。 「彼はなまける傾向がある。」=「彼はなまけがちだ。」とは言いますが、「彼はなまける傾向にある。」とは言いません。言う人がいたら、その人は間違っています。

「傾向にある」=「推移の途中にある」ということ。推移は視覚的に表せます。折れ線グラフをイメージしてください。
「A国は少子高齢化の傾向にある。」=「少子高齢化へ推移する途中にある。」ということ。これを「A国は少子高齢化の傾向がある。」とは言いません。「A国が少子高齢化しがちだ。」では意味がわかりません。言う人がいたら、その人は間違っています。

「傾向がある」と「傾向にある」は、まったく意味が異なります
===========引用終了


 これ以下のサイトは……あまり信用しないほうがいいだろう。
 Weblio和英辞書が出てきた段階で腰がひける。そのあともなぜか英語関係のサイトが多い。
 難問なので、「おそらく……」としか書けない。以下はすべての文のうしろに、「と思う」「と思ったりする」がついていると思ってほしい。

 コメントを見る。
 No.1のコメント。
===========引用開始
傾向にある=そうした方向、状態になりつつある、という意味で物事の推移、進行、進展の様子を表します。
物価は上昇の傾向にある。これを物価は上昇の傾向があるとは言えません。
株価は下落傾向にある、下落傾向があるは変でしょう。
傾向がある=そのようなクセがある、そうなりがちだという人や物の性質とかクセ、性格を表します。〜しがちですと言い換えられます。
あの人はすぐ調子に乗る傾向がある。あの人はすぐ調子に乗る傾向にあるは言わない、言えないです。調子に乗りがちですと言えますね。
物価は上昇しがちだはおかしいですね。
日本は少子高齢化の傾向にあるは言えますが、少子高齢化の傾向があるはおかしいし、少子高齢化になりがちですも意味が通りません。
という明確な違いがあります。
===========引用終了
 下記の記述はちょっとおかしい。
×株価は下落傾向にある、下落傾向があるは変でしょう。
◯株価は下落傾向にある。これを物価は下落傾向がある(にするの)は変でしょう。
「明確な違い」があるとまで言えるか否かも疑問。
 意味としては似ているところもあるけど、使い方に少し違いがある。
 ただ、このコメントでほぼOKだろう。↑の【1】【3】も似たようなことが書いてあり、あわせて読めばだいたいわかる。

 当方なりの書き方をしてみる。
 まず、辞書をひく。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%82%BE%E5%90%91/#jn-66258
===========引用開始
出典:デジタル大辞泉(小学館)

けい‐こう〔‐カウ〕【傾向】 の解説
1 物事の大勢や態度が特定の方向にかたむくこと、または、かたむきがちであること。「最近の消費者の―」「彼は大げさに言う―がある」
2 思想的にある特定の方向にかたよること。特に、左翼的思想にかたよること。「―小説」
3 心理学で、一定の刺激に対して、一定の反応を示す生活体の素質。 
===========引用終了

「傾向にある」「傾向がある」だと、比べにくい。「○○は△△」をつけて考える。
 ○○はなんでもよいのだが、No.1のコメントにあった「物価は上昇(の)」で考えようか。
「物価は上昇傾向にある」
 この「傾向にある」は「しつつある」だろう。辞書の「物事の大勢や態度が特定の方向にかたむくこと」になるつつある。簡単に「傾きつつある」にするのがわかりやすい。
「物価は上昇傾向がある」
 同じ意味と考えてもいいがちょっと不自然。「傾向がある」は「しがち(である)」だろう。辞書の「かたむきがちであること」。
 少し文脈を添えてやれば自然になる場合もありそう。
「円安時の物価は上昇(の)傾向がある」
 これなら、意味としてはさほどおかしくない。でも「円安時には物価が上昇しがち」ぐらいのほうが素直だろう。

 ちなみに、「傾向がある」には「しがち(である)」にしにくい用法もある。
【国勢調査結果にみる家族類型の変化 】P12
https://www.stat.go.jp/info/ronbun/pdf/koku0611.pdf
===========引用開始
近年における家族類型の変化として、「夫婦のみの世帯」の増加、単独世帯の増加、65歳以上の親と配偶者のいない子供よりなる世帯の増加という三つの傾向があることをみてきた。
===========引用終了
 傾向が1つの場合は「しがち(である)」にもできるが、むしろこの場合は、「変化」だから「しつつある」だろう。
「夫婦のみの世帯」が増加「しつつある」
「単独世帯」が増加「しつつある」
「65歳以上の親と配偶者のいない子供よりなる世帯」が増加「しつつある」
 これが3つ集まると、なぜか「傾向がある」になる。
「……という3つの傾向にある」では少しヘンな感じで「……という3つの傾向が見られる」ぐらいかなぁ。
 つまり、「傾向がある」は2つの使い方があるってことだろう。

 さらにちなみに、質問者が補足した【”趨勢にある”】の検索結果。約 578,000 件
https://www.google.com/search?q=%E2%80%9D%E8%B6%A8%E5%8B%A2%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E2%80%9D&rlz=1C5CHFA_enJP933JP935&oq=%E2%80%9D%E8%B6%A8%E5%8B%A2%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E2%80%9D&aqs=chrome..69i57j0i333l2j69i60.6616j1j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8

 実数は126件
https://www.google.com/search?q=%E2%80%9D%E8%B6%A8%E5%8B%A2%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E2%80%9D&rlz=1C5CHFA_enJP933JP935&sxsrf=AOaemvLUc_cdwUcHIM64CRrnvKZnVNnudA:1641107088060&ei=kE7RYbOKA6vi2roP4Ji0uAI&start=120&sa=N&ved=2ahUKEwizkpaowJL1AhUrsVYBHWAMDSc4ggEQ8tMDegQIARBN&biw=1928&bih=1303&dpr=1

 フツーに使える表現だと思うが、個人的に「使わない表現」の目安にしている実数100件の基準ギリギリのイメージ。個人的にはまず使わない。こんなメンドーそうな言葉を使う必要は感じない。
「世の趨勢は……」「世の趨勢としては……」ならかろうじて(皮肉っぽく)使いそうだけど。要するにこういう大げさに振りかぶった印象の表現は苦手なんだろう。
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