18970921 NO5025 勲章製造見習のため渡日中の朝鮮人の取り扱いに関する件
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012_0020_0510 駐韓日本公使館記録 12巻 二. 機密本省来信 (51) [勲章製造見習のため渡日中の朝鮮人の取り扱いに関する件]
文書題目 (51) [勲章製造見習のため渡日中の朝鮮人の取り扱いに関する件]
文書番号
発信日 明治三十年九月二十一日 ( 1897年 09月 21日 )
発信者 外務次官 小村寿太��
受信者 在朝鮮 弁理公使 加藤増雄
(51) [勲章製造見習のため渡日中の朝鮮人の取り扱いに関する件]
在本邦・朝鮮国公使館に現在滞留中の金光珠（キムグアンジュ）という者が勲章製造の見習いに関しその筋より依頼があった旨本月十八日発電信百二十一号を以って御申し越しの趣旨に対しては、とりあえず返電いたしましたように行き違いがあり、これは既に先月上旬、臨時代理公使・韓永源（ハンヨンウオン）が一己人（＊一個人）の資格を以って金光珠という者が勲章製造についての相談のため来着したので、同人から当地当業者の製造場などについての相談について依頼がありましたので、その向きへ交渉の結果来意の通り取り計らい、そして当業者においては同人の要求に応じ実地製造方法など熟議を遂げさせましたところ、先に「閲議」と申し出たのは「伝習を受ける」の意であって全く言葉の誤りであったので更に交渉があり、そこで当時直接当業者に就いての伝習について示諭に及びましたところ幸い承諾致したのだが、金光珠が本邦語を解さないこと、またその伝習期間について彼我の意見を異にし、金光珠は僅かに二、三ヵ月間にて充分だとしていたが、当業者においては
「本邦人に対する教授であっても二ヵ年以上の歲月を要する事であるので、言語不通の外国人に対しては如何に丁寧に教授したとしてもおよそ三ヶ年を費やさないと卒業に至らない見込であるので、金光珠の希望のようなごくわずかの期間で伝習しようとしても到底できないことで、結局教授者の名誉を毁損することになるであろう、と甚だ苦慮致します」
と申し出ましたので、その趣旨を早速同代理公使へ申し通しましたところ、同人においても至極もっともとの申し出がありその後そのままになっておりますが、本件については最初より種々便宜を与えておりますことであり、もともと拒絶したなどの事は全くなく、また今後ともなにか申し出ますならば出来るだけ便宜を与えるつもりでありますので左様御承知頂きたく、この件回答かたがた申し進みます。
明治三十年九月二十一日
外務次官 小村寿太��
在朝鮮 弁理公使 加藤増雄 殿
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