◆ニュースの感想：究極の選択的な。

■高専いじめ自殺、当時の校長らを処分　公表は1カ月半後
(朝日新聞デジタル - 12月12日 20:26)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6774796
いつも言ってるけど、いじめ事件って基本直接の加害者側が逃げ切れるからこそこういう席で義憤に駆られてもらえてるんだよなあ。もし本当に加害者側に制裁が下るようになったら、今度は、少なくともネットでは、いじめられる側がたたかれるようになるんじゃないかと思う。
学校のいじめなんて加害者つまりいじめたり傍観する方の人数が被害者の人数より多くなければ成り立たないはずなのに、この手のニュースで発言しているのがほとんど例外なく被害者だというのが何よりの証拠。みんながみんな「自分は被害者であったことはあるけれど加害者であったことはない」と信じているからだ。
けれど現実のいじめというのは顔のないモンスターが無機的に起こすものではなく、原因、というよりきっかけがあって起こるもので、「迷惑をかける」「無礼を働いた」「悪い家の子だ」「不潔」「人と違う」「何かおかしい」「生理的に無理」「なんとなくいやだ」というように加害者側としては「正当な理由」がある場合が多い。そういった加害者がいじめとして認識していないいじめが見逃されているからこそ誰もが漠然と「いじめというのは自分とは違うモンスターの起こすものだ」と思い込めて、それで「いじめをする奴には徹底的な制裁を」みたいなことを簡単に言えるようになるんだと思う。でももし本当にいじめが厳罰化されて、そして自分がなんとなくいやだと思っていただけだったつもりの相手に加害者として名指しされる立場になったら、今ここでボロクソにたたかれている人権派やらフェミやら左翼やらの仲間入りにされるようになるのが落ちなのではないかな。

加害者が制裁を受けない社会と、被害者がネットリンチに遭う社会、あなたはどっちがいいですか？２つ×をつけたいけど、どちらかしか選べないのなら、私としては被害者をさらに傷つけるよりは傷つける人数が少ない方を選ぶかな。だからいじめはなくならない。