18970417 NO4992 中上川彦次��より朝鮮国・義和宮殿下に対し貸与金の件
한국사데이터베이스 (history.go.kr)
012_0020_0180 駐韓日本公使館記録 12巻 二. 機密本省来信 (18) 中上川彦次��より朝鮮国・義和宮殿下に対し貸与金の件
文書題目 (18) 中上川彦次��より朝鮮国・義和宮殿下に対し貸与金の件
文書番号 機密送第二六号
発信日 明治三十年四月十七日 ( 1897年 04月 17日 )
発信者 外務大臣 伯爵 大隈重信
受信者 在京城 弁理公使 加藤増雄
(18) 中上川彦次��より朝鮮国・義和宮殿下に対し貸与金の件
機密送第二六号
去る明治二十八年十一月中、中上川彦次��＊より朝鮮国・義和宮（ウイファグン）殿下に対し五ヶ月間の返済期限を以て金三千円貸与致したとのことで、何度かその弁済の期限を延引されました末、遂に二十九年八月六日この債務を本邦駐箚同国公使・李夏栄（イハヨン）が引き受け、同月三十日元金の内一千円と利子一百十二円五十銭を返却したが、その後差し引き残額二千円の返却について度々同公使へ催促致したとのことですが今に至るもそのままになっているようで、その弁済について同公使に照会致して置きましたことを別紙甲号の通り同人より申し出がありましたが、ちょうど同公使の来朝中でありますので、この趣旨を中田政務局長に命じて同公使に面談致させましたところ、同公使の希望の次第もありましたので、先月四日本大臣より非公式に同公使へ別紙乙号の通り申送って置きました。ところが同公使よりはまだこれに対し何等の回答がなく、今般帰国することとなりましたので、同公使が出発の前日、省員を同国公使館に派遣しその後の模様を御問い合わせましたところ、この件は早速本国政府に申報致して置きましたがまだ回答が到達していないため今日まで延引致しております次第であるので、今度帰国の上本国政府へ篤と申し入れなるべく速やかに返済致すように致すつもりでいるところである、とのことで、ついに返済を終わらないまま出発帰国致しましたので、右の趣旨を貴官からも朝鮮政府へ御申入れなさり、速やかに在本邦同国代理公使を経て債主に対する債務を償還されるようなされたく、この件申し進みます。 敬具
明治三十年四月十七日
外務大臣 伯爵 大隈重信 印
在京城 弁理公使 加藤増雄 殿
＊中上川彦次��「明治時代の官吏・実業家。三井財閥の工業化と三井銀行の不良債権処理を推進し、三井家の最高議決機関である「三井家同族会」を設置。「三井中興の祖」として高く評価されている。従五位。三井合名理事長。福沢諭吉の甥（母･婉が諭吉の姉）にあたる。三女はタレント・参議院議員の藤原あき。」
中上川彦次郎 - Wikipedia
[別紙 甲号]
文書題目 請願書
請願書
中上川彦次��謹んで請願いたします。私儀、去る明治二十八年十一月朝鮮国王族・義和宮殿下に対し金三千円也を貸与し、利子は年九分と定め、その弁済期限は同二十九年三月でありましたが、期日が迫っているのに手元不如意とのことでなお向う四ヶ月間延期の件申し入れて来ましたので、これを承諾しその節二十八年十一月より二十九年三月までの利子、金一百十二円五十銭を領收した。その後同年七月に至ってもまだ支払いをせず、これの督促中の八月六日、即ち朝鮮建陽元年八月六日該国特命全権公使・李夏栄（イハヨン）がこの債務を引き受けることとなり、同月三十日限り相違なく元金三千円也及び二十九年四月より同八月末までの利子一百十二円五十銭を返済するとの契約が調い、別紙写しの通り借用金證書を受領した。しかしその後この受払期日に至り元金の内一千円と四月より八月末までの利子一百十二円五十銭を納めたのだが残金二千円を返さなかった。その後数度督促したのだがその義務を果す模様がないので、本邦の法廷に出訴してこれを裁断して頂こうとしたのだが、当借用金は朝鮮国特命全権公使の名義であるので全くこの政府の債務であり、よって国際上穏やかでないので、やむを得ず御省に請願致しますので、なにとぞ当公使に対しこの金額を支払いますよう御照会下されたく、この件請願致します。
明治三十年三月一日
東京市麴町区永田町二丁目二十九番地 中上川彦次�� 印
外務大臣 伯爵 大隈重信 殿
[別紙 甲号][付属書]
文書題目 借用證書 写
借用證書 写
一金三千一百十二円五十銭也
右は昨年十一月義和君殿下が貴殿より借用されていた元利金額でありますが、今般確かに本公使が引き受け担当致しますことにしました。よっては本年本月三十日を期してこの金額を相違なく御返済致すつもりである。よって證書前記の通りである。
建陽元年八月六日
朝鮮国特命全権公使 李夏栄 官印
中上川彦次�� 貴下
[別紙 乙号]
文書題目 私信
私信
拝啓陳者本邦人・中上川彦次��という者が去る明治二十八年十一月中五ヶ月間の返済期限のもとで義和宮殿下に対し金三千円を御用立ていたしましたが、その後その弁済期限を延ばされ遂に二十九年八月六日、即ち貴暦建陽元年八月六日に至り右債務を閣下において御引き受けの上、同月三十日元金の内一千円と利子一百十二円五十銭を御返却になり、差し引き残額二千円はその後同人より度々御催促申し出ましたが今日までそのままになっているとのことで、この度同人より本大臣に請願の次第もありますので、目下いかなる御都合になっておられるか、何分の御回報を煩はしたくこの件についてのお考えを伺いたく存じます。敬具
明治三十年三月四日
外務大臣 大隈重信
特命全権公使 李夏栄 閣下
ログインしてコメントを確認・投稿する