18970409 NO4989 芝罘道台・錫桐が露国に貸与する土地問題で膠州湾へ出張の件 移牒
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012_0020_0150 駐韓日本公使館記録 12巻 二. 機密本省来信 (15) [芝罘道台・錫桐が露国に貸与する土地問題で膠州湾へ出張の件 移牒]
文書題目 (15) [芝罘道台・錫桐を露国に貸与する土地問題で膠州湾へ出張の件 移牒]
文書番号 機密送第二三号
発信日 明治三十年四月九日 ( 1897年 04月 09日 )
発信者 外務大臣 伯爵 大隈重信
受信者 在朝鮮 弁理公使 加藤増雄
(15) [芝罘道台・錫桐が露国に貸与する土地問題で膠州湾へ出張の件 移牒]
機密送第二三号
芝罘(チーフ―)道台（＊中級地方官庁・道の長官）・錫桐は、露国に貸付する予定の土地との件について協議するため今後膠州湾（＊山東半島南側）に向かって出張するだろうとのうわさがありましたが、先月二十一日、在旅順・船塢提調候補道台・王仁宝とともに軍艦で同所（＊膠州湾）へ航行致しました件に関し、在芝罘・久水二等領事より別紙の通り報告がありましたので御参考のためこの写しを差し進みます。 敬具
明治三十年四月九日
外務大臣 伯爵 大隈重信 印
在朝鮮 弁理公使 加藤増雄 殿
[別紙]
文書題目 上件 調査報告
上件 調査報告
機密第一号
当地道台・錫桐は露国へ貸付する予定の土地立会のため、数日内に膠州湾に向って出張するだろうと先月来専らのうわさがありましたが、果して本月二十一日在旅順・船塢提調候補道台・王仁宝とともに清国軍艦「通潘号」に乗り込み当地を出帆して同所（＊膠州湾）へ航行致しました。右土地貸付に関する風説はさまざまで、いずれを真実とも認めにくく、道台への命令は「右王氏と同道して膠州湾に出張し土地を調査せよ」とばかりで何のための土地であるかは右王氏の外には知るものもないように見えます。しかしながら当路を伝える諸説中最も真実に近いのは。船渠（せんせき ＊ドック）建築用の土地のようである。なぜかというと、北洋にあって最も船渠事務に通じ、またその提調官である王氏を專任委員として派遺されていることからも推知されます。もっとも「この土地を露国に貸し付け云々は全く虚説であり、露には何の関係もない」とは清国官吏社会に時々公言する所であるのでかえって事実を覆おうとする手段ではないかと推量されます。そして当地の露国領事館員あるいは北京公使館付で昨秋来当地に借家しているデシノ氏(陸軍大佐であるが今は全く文官だと自ら公言している)、ゴロシキ氏(大佐・デシノ付陸軍尉官)の内より一名を道台へ同伴させるだろうとの風評があったが、まだ誰も出発していない。もっとも近日来当地に碇泊している露艦「マンジユル」号はこのほどいずれかへ出航しているので、あるいは膠州湾土地立会のためではないかと察せられます。以上御参考までに御通知に及び置きます。敬具
明治三十年三月二十三日
在芝罘 二等領事 久水三郎
外務次官 小村壽太�� 殿
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