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2021年11月05日14:49

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犯人の名前だけは書かないけれど/【ほぼネタバレで書くしかないじゃんよ】映画『マスカレード・ナイト』

■木村拓哉と長澤まさみがSNSで…!? 『マスカレード・ナイト』大ヒットにあの人たちも便乗?
(日刊サイゾー - 2021年10月21日 16:12)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=53&from=diary&id=6711225

■木村拓哉『マスカレード・ナイト』絶好調であの人物とそろい踏みの可能性が
(日刊サイゾー - 2021年10月01日 11:02)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=53&from=diary&id=6686937

■木村拓哉「もうタンゴはいい。“みたらし団子”でいい」 長澤まさみ「木村さんに宇宙旅行に連れて行ってほしい」
(エンタメOVO - 09月18日 06:51)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=199&from=diary&id=6672158

 東野圭吾原作、木村拓哉&長澤まさみ主演、鈴木雅之監督による『マスカレード・ホテル』に続くシリーズ第二弾(原作はシリーズ3作目)。
 東野作品のシリーズものは軒並みTVドラマ化・映画化されているし、前作も興収46.4億円のスマッシュヒットを飛ばしているから、続編が製作されるのは予定調和ではあった。原作2作目を省いて3作目を映画化した理由はよく分からないのだが。
 正直なことを言えば、東野圭吾のミステリーは出来不出来の差が激しくて、原作を全部読んではいない。『マスカレード〜』シリーズも、妻が先に読んで扱き下ろしていたので(苦笑)、現段階では未読だ。映画だけは前作を見て、確かにかなりションボリした気分にさせられたので、今回もそんなに期待せずに観に行ったのだけれど――。
 今回はションボリどころか「無えよ!」と叫んでしまう事態になっちゃったのであった。

 看板に偽りありというか誇大広告というか、容疑者がパーティの客500人って、そんな人数一人一人に重要キャストを当てていちいち描写することなんてできるはずもないから、勢い、「怪しいやつ」はヒトケタに絞られる。
 具体的にはパーティーのゲストである沢村一樹、勝村政信、木村佳乃、凰稀かなめ、麻生久美子、高岡早紀、博多華丸の七人。近年の日本映画では充分豪華キャストと言ってよく、「迷彩」としては悪くない布陣だ。ホテル側にも新キャラの石黒賢がいるから、もしかしてこいつも…? と匂わせる不審な行動を取ってくれる。
 でもねえ、ある人物が最初物凄く怪しまれてさ、キムタクと長澤まさみに調べられたけれど、あっさり疑いが晴れて、それから物語に全然絡まなくなるんだよ。メイン俳優で、この小さな扱いってないんじゃない? って、誰しもおかしいと感じるよね?
 てゆーか、「一番怪しいやつの容疑が晴れたけど、やっぱり真犯人だった」ってパターン、前作『マスカレード・ホテル』と全く同じじゃないの!

 いや、観ていて困惑っつーか混乱したよ。そりゃ東野さんくらい多作してれば、何作か似通ったトリックを使っちゃうことはあるだろうとは思う。でも同じシリーズで連続して同じトリックを使い回すものかね? それとも「まさか前回と同じトリックだとは思うまい」という裏の裏を掻いたってこと? 確かに非難囂々になると分かっててそんなことする作家がいるとは思えないし、容疑者から外すべきかもって考えはしたけどさ。
 何かの意図があったわけでもなくて、東野さんもいい歳だし、単にボケてきたのかなって考えて、心配してしまうんだよ。ここしばらくの新作はハズレが多いし、その可能性、なくもないかも。東野さんまで晩年の山×美紗や西×京太郎(まだ死んでない)みたいに落ちぶれてほしくはないんだがなあ。

 一応、今回の新趣向として、犯行を目撃したと思われ、ホテルでの事件を予告した「密告者」の存在も捜索する、という展開が用意されている。でも蓋を開けてみたら容疑者のほぼ全員が関係者という、これまた「例の」パターンでね、先述の七人の容疑者のうち、事件に無関係だったのって、実は二人しかいないんだよ。これでは「犯人・密告者を捜せ」じゃなくて、「無関係な人間を捜せ」の方が難しかったんじゃないかって思えるほどだ。
 容疑者は多く、できるだけ共犯者は少なめにってセオリー、遵守しなきゃならないってことはないけれども、多少は考慮してほしいって思うよ。密告者がそんなにいたんじゃ、「その中の誰か一人だけでも警察に真実を伝えようって人間は現れなかったのか」って不自然さが目立つだけになってるよ。
 結局、犯人を含めて、容疑者の殆どがただのバカばっかりだったってのが、ミステリーとしての面白さを半減させてしまっているのだ。豪華キャストを組んだ意味ある?

 こうなると次作(東野さんは原作4作目の執筆に掛かる模様)の映画化もまた同じトリックで行くんじゃないか、という恐ろしいことも想像してしまう。
 もしかして東野さん、「毎回同じトリックだけれどなぜか読者や観客にはバレない」という至難の業に挑戦つもりなのだろうか? いや、さすがに「3匹目のドジョウ」はいないよなあ、止めといた方がいいよ、とは思うのだけれど。
 あっ、でもそのトリック、『パタリロ!』で魔夜峰央さんが「毎回犯人は容疑者全員」ってのをやっちゃってるぞ! 先鞭を付けられてるトリックはやらない方がよろしいかと。



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