自殺者に〆る女性の割合は、自殺者数が爆増する期間を除けば概ね1/3以下で推移しています。
1982年〜1986年 円安景気から円高不況
1998年〜2009年 バブルの後始末〜リーマンショック手前
この期間は、自殺者数が突出して高いのですが、確かに、女性の自殺者数も増えているのですが、それ以上の男性の自殺者数が増え、自殺者数に占める割合は、1/4〜1/5まで減少しています。
で、どういう分析をするのか?という話ですよね。
2020年は、総数で増えたという事ですが、女性の増加分がそのまま自殺者数の増という事になるわけです。
ですが、比率で言うと、男:女=66.7%:33.3%となるわけです。
数字の見せ方によるのですが、概ね例年通りという数字なんですよね。
過去の統計から、男性の自殺者数は、女性の約2.1倍という数字が出されており、計算すると多いと言う数字にはなるのですが、1人でも増えれば増加、1人でも多ければ多いという話ではありませんよね?この振れ幅の許容を10%でみるのか、5%でみるのか、あるいは%で見るのか?という話なんですよ。
特に根拠があるわけではありませんが、集団の中で、皆持ってる、皆やってると思う際の「皆」の割合は?というと、3%なんだそうです。
ですから、この3%を超えれば、「皆」という単位が使えるようになるわけで、集団の中で3%のシェア取りのために、日夜様々なCMやステマ、発信がなされているわけです。
ですから、3%が許容のラインなのでは?と思うわけですよ。
増加で3%減少で3%合わせて6%が振れ幅の許容だとすれば、男女の自殺比の変動は、この3%を超えているので、女性の自殺者は増加していると言えるわけです。
女性の社会進出は、1990年代初頭から急増しており、専業主婦率の急激な低下からも見てわかるように、今では働いている女性が当たり前の状況になっているわけです。
(1990年頃 専業主婦率 約80% 現在 約20%)
そういう状況で、過去においては、専業主婦率が高かった時代と同様の男女比で、自殺者数が推移してきたわけです。
昨年、突然女性管理職の負担が増え、それを苦に自殺する方が増えたというのは荒唐無稽な話だと思うんですよね。
むしろ、自殺された女性の内訳が気になるわけです。
7026人の自殺した女性の内、働いている女性は、1698人
では、残りの5,328人の女性は、どういうカテゴリーの女性なのか?という話ですよね。
既婚女性が20%という事を考えると、無職の女性という線が強いのではありませんかね?
自殺者数の総数は、減少傾向にあったのですが、10代のみ2016年以降、伸びているんですよね。
2019年から2020年の自殺者の総数は増加していますが、特に伸びているのが、20代なんですよ。
全般的に減少傾向があるなかで、10代〜20代が増加し、特に20代の増加率が高いわけです。
2020年に関して言うと、年代別の自殺者数では、50代に次いで多いのが20代です。
残念なことに、この男女比が分かる資料が無いので、年齢の男女比は2:1で考えるしかないわけですが、女性の増加という事を加味すると、20代女性の自殺者数が増加しているという事が言えるわけです。
昨今の社会状況を鑑みると、20代の既婚女性は減少傾向にあり、また、専業主婦率の低下からも、この自殺された20代女性の多くは、無職だったと言えるのではありませんかね?
無職の方の自殺者数は、2020年は、11,718人となっています。
この内1/3が女性だとして(こちらも男女比の分かる資料無し)、約3,860人が女性。
自殺した女性の総数が、7026人で、働く女性の自殺者が1,698人となるわけですから、
女性の自殺者数の内訳
働く女性:1,698人
無職女性:3,860人
その他 :1,468人
その他は、自営業、学生、その他がカテゴライズされています。
因みに、2019から2020の推移で、自営業者の自殺者数は、約150人減少しています。
2019年と比べると10%以上の減少をしているわけです。
巷で色々と言われていますが、それなりに国の支援が行われていたのでは?と思われる数字となっています。
話を少し戻しますが、有職者の自殺者数は、自営を除き6,742人となります。
その内女性は、1,698人となるわけで、自殺した有職者の内、女性が占める割合は、
約25%
となり、通常期の男女の自殺者割合の約33%よりも大幅に少ないと言えるわけです。
そうなると、増加したのは、
無職の20代の女性
が多いという事になるのではありませんかね?
そう結論付けると、見え方が変わってくるのではありませんか?
伸ばす手の方向が変わってくるのではありませんかね?
見るべき問題点が変わってくるのではありませんかね??
20代の無職の女性が抱える問題は一体、どのような問題なのでしょうか。
男性の場合、最後の頼みの綱が、日雇い労働だったりするわけですが、女性の場合も同じく肉体労働ですが、所謂風俗産業だったりするわけですよね。
男性の場合、体力を求められ、女性の場合、容姿を求められる。
ただ、昔は、主婦という選択肢もあったわけですが、昨今の社会状況を鑑みると、女性側がそれを求めるのは否としていて、男性側も経済的な話で、女性を主婦として迎え入れる事を良しとしない傾向があるわけですよね。
その結果が、20代無職の女性の自殺者数増加という結論なのであれば、とても悲しい結末ですよね。
結婚という選択肢があるにも関わらず、その選択をする事を許さない風潮があるわけですよね?
結婚という選択肢が許されるのであれば、それに向かって頑張る女性を応援する仕組みがあっても良いわけですよね。
ですが、少し何かを見聞きすれば、主婦をディスる話が横行し、20代の結婚・出産に対して否定的な話が横行しているわけですよね。
この20代無職の女性は、そういう風潮の被害者なのではありませんかね?
そういう読み方もできる内容だと思いますけどね。
■働く女性の自殺増加=学校再開後、生徒らも―新型コロナ影響か・政府白書
(時事通信社 - 11月02日 11:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6725409
政府は2日の閣議で、2021年版の自殺対策白書を決定した。新型コロナウイルスの感染が拡大した20年は、自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)が11年ぶりに上昇。女性の自殺者が増え、特に働く女性は1698人となり、15〜19年の過去5年平均の1323人と比べ大幅に増加した。一斉休校を経た学校再開後に、児童生徒らの自殺が急増したことも分かった。
厚生労働省は働く女性の自殺増について、「新型コロナの影響が示唆された。特に非正規雇用などの労働環境の変化が関連した可能性がある」と分析している。
自殺者数は2万1081人(前年比912人増)で、自殺率は16.8と前年から0.8ポイント上昇した。男性の自殺者は1万4055人と11年連続で減少したが、女性は前年から1000人近く増えた7026人だった。
21年版白書では、自殺者を男女別や年代別、職業などに分け、過去5年平均と比較した。女性の有職者が大幅に増えた一方、無職は28人減った。男性は有職者、無職ともに減少した。年代別では、女性の20歳未満と20〜39歳、40〜59歳、男性の20歳未満が増加した。
女性の職業別では、「被雇用者・勤め人」や「学生・生徒」が増え、主婦や自営業は減った。
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