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2021年10月29日19:58

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◆アエラ記事、堂本光一、「特盛り状態」の舞台再演 井上芳雄と挑む進化系の「ナイツ・テイル」とは

堂本光一、「特盛り状態」の舞台再演 井上芳雄と挑む進化系の「ナイツ・テイル」とは〈AERA〉 | AERA dot. (アエラドット

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 堂本光一、井上芳雄らが出演するミュージカル「ナイツ・テイル」が再演中だ。2018年の世界初演から3年、それぞれが新曲を携え、二人の騎士、アーサイトとパラモンを表現した。AERA 2021年11月1日号から。)

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堂本光一、井上芳雄らが出演するミュージカル「ナイツ・テイル」が再演中だ。2018年の世界初演から3年、それぞれが新曲を携え、二人の騎士、アーサイトとパラモンを表現した。AERA 2021年11月1日号から。

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 堂本光一と井上芳雄、人気を誇るスター俳優二人を主軸に、演出家ジョン・ケアードの采配で2018年に世界初演を迎えたミュージカル「ナイツ・テイル」。シェイクスピアとその弟子フレッチャーの共作とされる戯曲「二人の貴公子」を下敷きに、ケアードが現代の観客の共感を呼ぶように創作したオリジナル・ストーリーだ。初演時にケアードは「男がほしいものを手に入れようとすると悲劇が訪れる。女性がその状況を変えられるかどうか……といった、女性のパワーが描かれた物語」と語っていた。
 好評を博した初演の後、20年に予定された再演はコロナ禍で延期になった。代替で開催されたコンサートバージョンは、東京フィルハーモニー交響楽団の生演奏で、キャスト陣が歌いつなぐという贅沢な趣向により、作曲家ポール・ゴードンの手掛けたドラマチックな旋律がひときわ映えた。

 今年、ケアードの来日が実現、初演キャストがほぼ集結し、満を持して再演の幕が開かれた。

■愛と冒険の物語

 大阪・梅田芸術劇場から始まった舞台は、10月、3年前に世界初演のお披露目をした東京・帝国劇場へと到着した。約20日間の公演をやり遂げてきたカンパニーは、上々のコンディションで初日前日のゲネプロ(最終リハーサル)の舞台に立った。

 オーケストラがオーバーチュアを奏でるなか、アテネの森を抽象化した舞台美術のセットに、キャストが一人、二人と姿を現す。冒頭から精鋭アンサンブルが抜群の身体能力を見せつけて、ステージ上を伸びやかに跳躍する。そのムーブメントのラストに騎士の衣装をまとった光一と井上が雄々しく登場し、背中合わせのポーズを決めて最初のナンバーへと突入した。

 アーサイト(光一)とパラモン(井上)は、お互いを愛しみながら競い合う、良きライバルの従兄弟同士だ。戦いで敵国アテネの王シーシアス(岸祐二)に捕らえられ、投獄された二人は、そこで王の妹エミーリア(音月桂)に一目惚れし、恋のライバルとしても火花を散らす。先に国外追放となり牢を出たアーサイトは、森で出会ったダンス教師ジェロルド(大澄賢也)が指導する楽団に紛れ込み、身元を偽ってアテネに戻る。

 残されたパラモンは、牢番の娘フラヴィーナ(上白石萌音)の手引きで脱獄し、森をさまよう。やがて運命の再会を果たした二人の騎士は、シーシアスやエミーリア、フラヴィーナ、そしてシーシアスの愛を受けるアマゾネスの女王ヒポリタ(島田歌穂)を前に、愛と名誉を賭けた決闘へと突き進む。

■主演二人の魅力が全開

 ケアード曰く、「同い年で、ハンサムで、カリスマがあり、歩んできたキャリアは違うけれど本当によく似た二人」である光一と井上が、プライベートでの仲の良さをそのまま舞台に上げたかのような無邪気な掛け合いを展開し、笑いを誘う。

 囚われの身となっても揺るがぬ友情を誓い、快活に歌い合ったかと思えば、電光石火で衝突する。そのさまが清々しくもコミカルで、再演ではその勢いや滑稽味(こっけいみ)が増したようだ。初演時よりも二人の息が合っているのはもちろんだが、シェイクスピア劇の風味を残した難易度の高いテキスト、その詩情あふれる言葉の数々を、十分に咀嚼(そしゃく)して我がものとし、ゆとりをもって表現できているからだろう。

 勇猛果敢なアーサイトが見せるアクションの身のこなし、剣さばきのキレの良さは光一の真骨頂だ。ダンスシーンの軽やかなステップにも目を奪われる。

 対するパラモンは、勇ましくも思慮深く自らを見つめる振る舞い、澄んだ美声に井上の端正な持ち味がのぞく。

 初演からの大きな変化は、昨年のコンサートで披露され、この再演から劇に挿入された二人の新曲だ。アーサイトの「贈り物」はエミーリアへの思いをストレートに歌ったアップテンポのナンバーで、女声コーラスをバックに華麗に歌い踊る光一のセクシーな魅力が炸裂した。パラモンの「悔やむ男」は、フラヴィーナの献身に対する自省を歌う、こちらは男声コーラスに支えられたミディアムバラードで、井上の歌声の艶を存分に堪能できる一曲だ。真逆のテイストのソロナンバーが、彼ら独自の華を際立たせ、キャラクターの魅力を増幅する。

■爽快な女性のパワー

 騎士たちの運命の鍵を握るのは、ケアードが仕掛けた“女性のパワー”だ。二人の心を一瞬で射止めたエミーリアの高貴な美しさを、音月が凛とした立ち姿で体現。再演で、意志の込もった歌声の表現力にさらに磨きをかけてきた。パラモンへの恋心から脱獄を助け、気がふれるほどに苦悩するいじらしいフラヴィーナは、初演時、ピュアな空気をまとう上白石が適役と評価を受けた。再演では前髪を上げて額を見せ、大人の憂いが加わった表情演技をはっきりと客席に届けている。

 エミーリアとフラヴィーナ、この二人の身分を超えたつながりも、物語の心洗われる妙味である。そしてすべてを俯瞰(ふかん)し、二人のヒロインを励まし、掟にこだわる王シーシアスの頑なな心を溶かして、ラストの大団円へと導くヒポリタ。島田の放つ強靱な美、圧巻の存在感が爽快で、興奮のままにフィナーレを迎えた。誠実ゆえに猪突猛進、悲劇の結末へと先走る男たちを、女たちが知恵と愛情の手綱で制御し、平和の地へ誘う。女性のパワーがそうした包容力、サポート力として描かれると同時に、女性が主体性を持って“選ばれる人生ではなく、自らが選ぶ”姿勢をはっきりと示す、まさしく現代の物語だ。

 初日の囲み会見では、井上が「大阪でチャレンジを重ねるうちに、いろんなことが特盛り状態になっていって(笑)。でも僕は昨日のゲネプロで少しずつ戻していったんですが、光一君はさすがに攻めの姿勢で、全部盛り込んでいった」と明かし、光一を苦笑させた。

「素晴らしいキャストとともにステージに立てるのは自分にとって本当に幸せなこと。作品にある愛を皆さんにお届けできたらなと思います」(光一)

 帝劇でもチャレンジは続く。次なる地、井上の故郷の福岡・博多座には、いっそう豊かな進化形が現れることだろう。(演劇ライター・上野紀子)

※AERA 2021年11月1日号
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