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2021年10月28日20:48

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ヴィクトリア・マス「狂女たちの舞踏会」

古本だけでなく、新刊の本を積極的に読むイベントが続いています。
今月は2021年4月刊行のフランスのヴィクトリア・マス「狂女たちの舞踏会」を読みました。

舞台は1885年のパリのサルバトリェール精神病院が舞台です。19歳のウジェニーは家族に霊が見えると話したため、それに恐れた父によってこの病院に入れられます。そこには様々な女性患者が強制的に入院させられています。この病院では年に一回、一般公開の舞踏会が催されます。ウジェニーはどう行動するのでしょうか。

物語はフィクションですが、この病院は実在で登場人物の何人かは実在の人物です。病院の描写はリアルで、この病院で行われたことを想像します。
いわゆる歴史的出来事で19世紀後半のヨーロッパについて理解してきましたが、市民の歴史レベルで女性が社会でどのような位置づけだったかをあまり理解していませんでした。家長に意見する女性が当時どのように処遇されたのかを初めて知りました。
ヴィクトリア・マスのデビュー作であるこの作品の深みに感動しました。

この作品はすでに映画化が決まったようです。監督・主演はメラニー・ロラン、ウジェニー役は『夜明けの祈り』のルー・ドゥ・ラージュ、とても楽しみです。


写真はヴィクトリア・マス「狂女たちの舞踏会」
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