私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。
川口がパソコンに向かっている。川口が依頼者、金子氏にzoomで話を聞いている。続き
金子
「以上です。9社、応募してみます。結果がわかったら、知らせますね」
川口
「よかった。とにかく応募してください。履歴書を書くのはたいへんだから、
パソコン上に自分のフォームを作っておいて、応募する会社によって、替えていけば、
使えますよ」
金子
「助かった。でも、手書きじゃないと認めてくれない会社はどうしたら、いいでしょうか」
川口
「難しい問題ですね。金子さんが、どうしても、その会社に入りたければ、考えますが。
手書きにこだわる会社は入社した後も、金子さんにとって、ふさわしくない可能性があるので、応募を辞めたら、どうでしょう」
金子
「仕事は書くだけではありませんから。今、スマホで仕事をします。端末機を使えば、ほとんど、書かなくてもいいですから。そうします。ありがとうございました」
川口
「お役に立てて、安心しました。又、ご相談をお待ちしています。ご利用いただき、ありがとうございました」
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