法の執行とは。。

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九州の任侠団体、草野一家工藤会トップ野村悟総裁に死刑判決が下った。
確かにやくざは社会の敵であるが、推認だけで死刑にするのはいかにもやりすぎだ。

覚えている方もいると思うが、1990年代地上波で”世界の名画を貴方に！”のキャッチフレーズで派手にTVＣＭを打っていた”インポートフューチャ”ーや”アールブリリアン”を経営していたのはこの組だった。
美大生に一枚一万円程度で描かせた絵をキャバ嬢等を使って数百万円で販売。更にローンを自社系列のサラ金で組ませ、極限まで利益を追求するというビジネスモデルを構築していた。
そうした表のビジネスとは裏腹に敵対する者や組織には堅気であっても報復。みかじめ料を拒否した漁労長の射殺、守り代の支払いを拒否したクラブへの手りゅう弾投げ込み等容赦がない。

それでも今回の判決は証拠を基にしたものではなく、全てが総裁の指示によるものと推認される、というのが根拠となっている。
これでは司法の原則”疑わしきは罰せず”の原則に反し、拡大解釈がいくらでも可能となる。今後必要となってくるスパイ防止法等でも、一般人でもスパイと推認されれば死刑ということの論拠ともなってくる。

未だ地裁の判決であるから今後高裁と最高裁が控えていると思うが、こうしたポピュリズムが全面に出た判決は社会全体にとって非常に危険であるといえる。

Law enforcement is more important than enacting law - Thomas Jefferson