7月の連休、奈良に行ってきました
最近の奈良は宿代が高騰しており、ダンピング状態の京都で宿泊です。コロナ禍以前と反対の情勢なのが驚かされます。
それはそれとして、始発の東海道線で名古屋へ
十周年を迎えた「ピヨリン」は絶滅中でした。
関西本線で奈良へ向かいます。
「キヤ95系」通称ドクター東海
JR東海の軌道電気総合試験車です。非電化区間にも対応する為に気動車と成ってます。
「向野跨線橋」(1899。米製初代保津川橋梁を移設)
「キヤ97系」自走レール運搬車です。
向こう側の転車台は隠れてしまってます。
手前は「海部幹線水路(支線付)」、右は「筏川」。
この辺りは近鉄との熾烈な競合路線で、伊勢志摩ライナーが渡るのが「木曽川」、その向こうに道路橋「尾張大橋」(1933)
木曽川を渡る時は戦災跡が残り解体が決まった「伊勢大橋」(1934)や「長良川河口堰」が見えるという情報密度の濃いポイント
桑名「三岐鉄道北勢線」。
この先に標準軌(近鉄)、狭軌(JR)、軽便鉄道(三岐鉄道)と3つのレール幅が並ぶ踏切があります
次々と襲い来る近鉄車両
三岐鉄道「ED5081・82」重連機関車
よく見ると、二両は前照灯周りなど細部が微妙に異なります。
「三滝川」を渡ります。向こうは「コスモ石油四日市製油所」で、コンビナート萌えの人達が狂喜する光景が続きます。
手前の煙突のカバーはごく最近付けられたようです。
「陸軍歩兵伍長稲田稔之碑」
この当たりは本来の東海道で沿線には高岡城址など丘城跡が多く、古来から交通の要衝だった事が分かります。
「鈴鹿川第二頭首工」。
解体業者が敷地内に最近展示?した「コンベア240」。
最初見た時は一瞬ダグラスR4D-8かなと思ったレア機体です。
亀山駅から先は非電化区間なので接続列車に乗り換えです。
加太駅の裏山は「鹿伏兎城址」です。
分水嶺を超えるまでの三重県内、こんな光景が続きます
柘植駅ですれ違いです。
向こうには草津線の車両が見えますが、そちらへ行くのが本来の東海道です。
上野盆地へ突入。
「『忍者』は1番のりばへ」
・・のインパクトに目を奪われて国鉄マークを見落としてはいけません。
忍者おったで。
「伊賀線」です。
「鯛ヶ瀬峡」。
笠置の「木津川橋梁」(1897)を渡ります。
沈下橋と取水施設にも注目。
奈良県に入ると車窓に日本の原風景が広がります。
その筋には有名な廃墟「笠置観光ホテル」跡が見えます。
花崗閃緑岩の岩盤を木津川が貫き、左に断層、右は笠置山です。
沿線は見所が多過ぎて、一冊本が書けるほどです。
木津駅の東方側の水田の中に立つ煙突状の物体が気に成って仕方がありません
この辺りは瓦窯跡が多いので関係があるかと思いきや、航空写真で確認すると出現したのは1960年前後のようです。元から建物とかありません。
奈良到着後、船橋商店街を行きます。
京町屋が犬矢来で防護しているのに対し、奈良市内の大和棟は雄鹿という強敵が居る為により頑丈な格子状の鹿矢来で表を守っています。
平城宮跡へ到着。
市街の方角に煙が見え、サイレンも聞こえます。火事のようです
復元された「第一次大極殿正殿」。
手前、復元中の「大極殿院 南門」、向こうに「朱雀門」。
間に近鉄奈良線の伊勢志摩ライナーが通過中。
平城宮跡の観光資源化に向けて、近鉄軌道の付け替えが決定しました。
が、奈良ではそれら全ては口実に過ぎず、何事も土建に税金と民間の資金を注入する事だけが目的なのが真相に思えます。コロナ禍で知事の低能ぶりが全国に露呈してますが、操り人形としては優秀な訳で、当選の為に背景でどれだけの金が表沙汰に成らぬよう動いてるのか知りたいところです
踏切を越えて朱雀門がある南側へ行こうとしましたが、午後5時以降は踏切は封鎖されて通過出来ません。
火事取材と思われるNHK空撮専門のオールニッポンヘリコプター社の「AW139」が上空を飛行します。
迂回の為に回り道をしながら西の東大寺や若草山の見える風景を眺めます。
朱雀門側で元来た方角を眺めます。
ここへ来た目的は「「ツバメのねぐら入り」を見る為です
民家の軒先の巣で子育てをしたツバメは、子の巣立ちと共に集団で草原で夜を過ごすように成ります。
その場に居合わせた「奈良ツバメねぐら研究部」の方々から資料や折り紙を頂いてしまいました。
生駒山頂をアップで。
右端が遊園地で、現役近代化遺産「飛行塔」(1929:土井万蔵設計)が見えます。
近鉄、東大寺、若草山、朱雀門が一度に見える素晴らしいロケーション。
ツバメを見に来た積りが何故か近鉄ウオッチに。
ツバメだけでなくタカも来ました。
木の右上の方。
ツバメがどんどん集まってきます。遠方は生駒山。
真上は雲霞のごとく飛んでます。
ドサクサでコウモリも居ます。
高度を違えて何層にも群れが集まります。
群れごとに雨が降るように突然急降下して草むらにスポスポッと突入、一瞬で見えなく成ってしまいます。その繰り返し。
ねぐらは一定箇所ではなく、別の草原で待ち構えていた観察者達も情報を聞いてここに集まってきました。
ねぐらに潜ったツバメ達はしばらくは騒がしくしてますが、突然静かに成って気配を消してしまいます。
近鉄特急が走る音と虫の音しか聞こえませんが、草むらの中に6万羽のツバメが潜んでます。
ただ、野生の生物ですから、観光ツアー化され人間が大挙してお休みどころに集まるとねぐらを分散して退避してしまうだろうと予想され、痛し痒しでもあります。
勿論、平城宮再開発計画でここの草原は遠からず消滅する事に決定しています。奈良の公共は目先の金こそ全てです
そして朝、奈良「鹿寄せ」を見に奈良公園へと向かいます
https://naradeer.com/event/shikayose.html?21021715。
今年生まれた小鹿達も居ます
会場の春日大社境内「飛火野」には開始前から奈良公園内を遊弋していた主にオス達がノンビリとやって来ました。
鹿寄せのホルンとエサの「どんぐり」の箱が安全の為に「明治天皇玉座跡」の柵の中に準備されます。
右は鹿愛護会の活動の為の募金箱です。
ホルンは1929年に中古で購入したもので従来のラッパに置き換わりました。ホルンの方が牧歌的なイメージに合うからと説明されてますが、この戦前のマッチの絵柄を見ると違う理由があった気がします
有名鹿「ロクさん」。
耳に注目。お主は犬であろうっ、と落語の鹿政談を始めてしまう気分に。
鹿寄せのホルン演奏は鹿愛護会の若手の登竜門だそうです。
まずは観客に説明。
元々その辺りに居たシカは既に集結を始めています。
いよいよベートーベンの「田園」を一生懸命吹きます
若草山方面の森を抜けて、シカ達が群れごとにピョンコ、ピョンコとやって来ます。
まだぁ?
シカの大好物、ドングリを撒きます
うわっ、出遅れたと慌てて駆け寄るシカたち。
ドングリは沢山沢山あります。
ドングリが尽きた頃、待機していた鹿せんべいの行商オバチャンが満を持して出動
エサを求めるシカに取り囲まれて大変
右のシカが「こっちでせんべいもらえるよ」と叫んでる感じです。
鹿せんべい撒く人の中には10枚束ごとバラバラに砕いて投げるオバチャンが居るのですが、シカが食べられない粉末状に成っている部分もあり、何を考えてるのか不明です。と思ったら悪い意味の有名人みたいです
他にもシカに依存する悪い意味の有名人には、自分と神の区別が付かなく成っちゃった変なバアサンも居ます。神の遣いのシカが集まるのはあなたが神だからじゃなくてエサを大量に持ってるからでしょう。生物学に無知なのは明白なのにマイルールを勝手に決めて(愛護会は自分が認定してるので活動OK)、そのルールに合致しない人間の顔写真を次々と盗撮してネットに曝し「皆でこの者を懲らしめましょう」と煽っています。それって犯罪ですよね。気違いの類ですが、驚くのはそれに対し称賛する信者達がまた居て、狂信の負の循環が起こってる事です。勿論、本人達は世直しをしているんだと得意満面なのですが
エサが無くなったら「無いよ」とアピールしましょう
この日は猛暑でTV取材も大変です
募金をするとステッカーがもらえます。
人が与えるエサが尽きたらシカ達は解散しますが、そのままその場で草を食べる一団も。
お尻を盗撮していたら気が付かれました
お水を飲みます。
自販機で募金も出来る仕組みです
シカのオスって、何で自分の顔のシルエットの前で寝たがる習性があるんでしょうね。
主婦感満点。
小鹿が水路を飛び越えられず「失敗しちゃったぁ」って感じ
お母さん、滅茶美人シカです。
鹿せんべい工場日記
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979106977&owner_id=1602714
次は他の小生物や植物観察です。
黒く小さく丸っこい鹿のフンにも注目。
奈良公園といえば糞虫です
センチコガネ、エンマコガネ等3種類見つけました。
一方ルリセンチコガネは死体が大量に見られ驚きました。
続いてならまちへ。
これは戦前からある天水尊でしょうか。
「椿井市場」は隣が更地に成っていて驚きました。
昼食は板前割烹「はらぺ子」(画面左)で。
奈良訪問直後、部品の再生産が発表となったトヨタ「ランドクルーザー40」。使い込んだウインチ、ナンバープレートなど、オーナーはものの分かった人物である事が分かります
店内に入る早々、大将に表のランクルについて尋ねると「私の車です」と。
棚に薩摩「黒じょか」が見えてテンションが上がります。焼酎の前割りはしてなくて、お店独特の方法を教えてもらいました。
炎天下歩いてきたのでイキナリ酒を飲むと死ぬと思い大将にアルコールが無いものをと頼んだら、紫蘇ジュースを即興で作って下さいました。爽やかで滅茶美味い。前日に大原に行ってきたのでタイムリー。
わがまま要求は板前割烹の醍醐味です。
一方、料理はお任せです。
最初は獅子唐・・・と思ったら辛くない。
トマトのマリネ。
本当はコレが最初に出なくちゃいけなかったのにドタバタしていてごめんなさい、と大将。これまた滅茶爽やかで美味しい。
鶏の唐揚げ。
胡麻と唐辛子(辛くない)がポイント。体験した事が無い美味さ。
やっとこお酒を。大将オススメの奈良の地酒「櫛羅(くじら)」
最近流行りの薬くさい日本酒とは正反対。旨味が強烈でありまがら、料理の味と喧嘩しないばかりか引き立たせる優れもの
https://chiyoshuzo.co.jp/brand/kujira/
御猪口は自分で選べるのでタヌキにしました。
人参の煮物。
大将と初代レンジローバーやLRディスカバリーの話をして盛り上がる。
私の大好物「ツブ貝」刺しを準備中。ウニも身がギッシリで甘い上等品。
マグロトロも見ただけで美味い事が分かります
魚の煮物。
煮汁もチェーン居酒屋みたいにしつこい味ではなく、上品な味わい。
ローストビーフ。
今まで私が食べてきたローストビーフは何だったんだ?と思える程のレベルの高さ。柔らかくてとろけるよう。
スッポンの煮凝り。
何もかも素晴らしい。
〆はミョウガの汁物と、トウモロコシの炊き込みご飯
ご飯は土鍋で沢山炊いてくださって、勿論おこげ付き。これまた美味過ぎるんですが、一杯だけおかわり頂いて満腹限界で打ち止め。
このお店は何度でも行かねば成りますまい。しかもビックリする程安い。
https://www.harapeko-nara.com/。
JR奈良駅の「せんとくん」Instagram枠が何とも言えない残念感な味を出してます。
次は「ならまち糞虫館」へと参ります
表通りに看板が無いと絶対分からない細い路地を入って行くと・・
廃屋の左が民家を改装した糞虫館で、糞虫のようにひっそり隠れるように存在しています。
写真は海外の糞虫標本の展示。
小学生の研究展示なども目の付け所がどれも優れていて驚かされます
館長は糞虫が好き過ぎてアマチュアながら研究に没頭し、ならまちの支援を受けて博物館開館にこぎつけた好人物です。
先の気違い鹿ババァとはスタンスが正反対ですね。
館長に「奈良公園で糞虫探してから来ました」と言うと、色々有意義な情報を即座に返してくださいました。
こんなとこ(失礼)なのに意外と繁盛しています
https://www.hunchukan.jp/
周辺は地形も建物も見所満点
糞虫館がある一角は、ならまちがコレといった企画を支援して、空き家を改装して飲食店やアクセサリーショップ等にしている前衛実験地帯なのです。
また自販機ウオッチ。
先の紀寺町の火事跡です。
近寄ると周辺の一見無事な建物も中が焼けてしまってました。
ならまちチャビーカフェの「プリンかき氷」
想像以上にプリンで美味い。
https://chubbycafe-nara.com/
ならまちはかき氷で町興ししているのです。
夕暮れの猿沢池。
始発で関西本線を戻ります。
「笠置橋」。
「相良発電所」。
木津川橋梁。
向こうに「伊賀上野城」。
おしまい。
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