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2021年09月21日22:15

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虫ならぬドブネズミの話

“過剰なまでの虫嫌い”増加の理由は「感情の誤反応」…東大院が分析
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=145&from=diary&id=6675296

先に退職した元我が社。
小生が入社した昭和の終わり頃は、まだ本社が某駅前の超一等地にデーンと構えていたんだが、なにせ建ったのか昭和36年、昭和の終わり頃にもう既に築25年以上が経ち、老朽化もひとしおの物件であった。

その4階のフロアを我が部署が占めていた。
有価証券の運用を担う部門として、執務室内の壁面に東証市場のどでかい株価ボードが設置されておった。
毎日、朝9時になると電光ボードにオレンジ色の株価が一斉に点灯。
目まぐるしく変化する各銘柄の株価に気が散って、なかなかデスクワークに集中できなかった思い出がある。

その電光株価ボードの背面に回ると、古いスチール製の書類ロッカーが並んでいた。
その配線コードだらけの埃にまみれた床に、或る日、なにげに転がっていたのがドブネズミの死骸。
それも体長30センチはあろうかという巨大なヤツで不敵な笑みを浮かべて死んでいた。
いや、ネズミが笑うはずがない。そう見えたほどのふてぶてしい巨大さであった。
さすがは昭和36年築、魑魅魍魎の本社ビルと言うべきか。

これ、書類をロッカーに収納に行った事務の女の子が第一発見者で、けたたましい悲鳴がボード裏から聴こえ、近くにいた者が一斉に駆け寄った次第。
息を呑む大きさとグロテスクさに、お局のオバさん事務員までキャッなんて、まるで似合わない可愛げな悲鳴をあげよる。

で、こういう場合は、当然、新人の男子職員が死骸処分の任を負わされるわけで、頭は良さげでも気の弱そうな男の子3人が、ぎこちない手つきでチリトリで掬い上げると、袋に入れて何処かへ運んで行った。

彼らより二つ年長なだけの小生、危うく死骸始末の難を免れ、「おう、おまいら、しっかりやれよー。他にもネズミいねえかよく見とけー」などと先輩風吹かせて指示しただけだ。

30年以上の後年、青ざめた顔で死骸を運んで行ったあの時の坊やが運用審査部長、取締役に手をかけた位置いるというのだから隔世の感。
先輩風吹かせたこちらから丁重に会釈と、しっかり立場は逆転。
が、引退しちまった今は、再び「おう、元気か」。
時代はこうして流れゆく。



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