[毎度のシリーズ]
ほぼ毎年再録していますが、今回は新作もあるのでチョイお楽しみに
私は未だに野球と釣は得意ではない。
小学四年で両親が別居しその後離婚した。
それ以前に父とのキャッチボールなど1〜2回の記憶しか無く、釣等無きに等しい。 ただ、釣りでは無いが
『魚捕り』
はずいぶんやりました。
冬以外の暖かい日曜日、父と車に乗って半円形の網ひとつとバケツをもって川へ行く。 父が子供の頃から通っている場所があり、長靴を履いてズボンもパンツも濡らしながら川へ入り、左右のゴミ溜りや窪み等などいそうな場所の川下に網を入れて上流側から足でガシャガシャ刺激を与えるだけの単純な作業だが
「雑魚」
と呼んでいた様々な小魚やフナ、ザリガニやらなんやらが沢山入っているのがとても楽しかった。
ある時いつもの様に様捕りに行くと先客がいた。
私達同様に親子で来ていて、目に見える位置にいて先にやっているという事は我々に良い獲物は見込めないということ、そんな彼等はなんと我々の目前で
「カメ」
を捕まえた。
何ガメだかはわからないが、かなり大きな成亀でとても羨ましいなと当時は思いました。
そんなある日曜日、いつもの様に魚捕りをしていると川底に沈んだ古い木々とは明らかに違うが木々と同じ様に全体に川の汚泥がまとわり付いてゆらゆらしていた。
「おとうちゃん、おっかね〜」
「ばがっ見んなっ!」
川底にでゆらゆらしていたのは布にくるまれた小さな骸骨だった。
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