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2021年08月26日22:34

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『スッキリ』のアイヌ差別は本当に検証されたのか

■日テレ「スッキリ」3月アイヌ民族への不適切表現、検証番組を放送
(日刊スポーツ - 2021年08月26日 09:52)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=6643161

 差別発言があったのが3月12日で、検証番組の放送が今日8月26日。五ヶ月以上も間が空いてしまったわけで、どうしてそんなに時間が掛かっちゃったのか。それだけ時間を掛けたにもかかわらず、印象としては反省も上滑り、という印象を拭えなかったのはなぜなのか。
 実際にはBPO(放送倫理・番組向上機構)による放送倫理規定違反が報告されたのが7月のことで、それから検証番組制作に取りかかったってことなのだろう。そう考えると、いかにも突貫工事で慌ただしく作ったという杜撰な部分が目立つことに気がつく。
 一応、番組ではアイヌが差別されてきた歴史の外形を辿ってはいたけどね、でもなぜアイヌが差別されなければならなかったのか、幕藩体制が崩壊した後も根強い差別が残ってしまったのはなぜなのか、そうした「研究」にまでは至らなかった。そこを知らなければ、アイヌ問題だけではなく、いずれは似たような案件で失敗を繰り返すことになると思う。

 加藤浩次が「差別の意識がなかったとしても差別に当たるんだということを、我々スタッフも含め、みんながそれを本当に反省しなければいけないと思います」って、殊勝なことを言ってるけれども、どうにも違和感を覚えずにはいられない。「差別の意識がない場合、どうして差別発言をしないでいられると思うのか」、そこまで考えてモノを言っているようには思えないものな。
 全ての差別がそうであるように、その根底には「無知」が横たわっている。「差別を差別と認識できない」のも無知ゆえだ。『スッキリ』の場合は、当該発言が、もう長い間、アイヌ差別の象徴的な言質として批判されてきたという歴史的過程を「知らなかった」がゆえの「無自覚発言」となったのだ。

 アイヌ差別が問題になるときに、かえってアイヌ差別を口にする人間が涌いてくるのも彼らの「無知」がなせるわざである。
「そもそもアイヌ民族なんてものが存在しない」なんてことを平気で発言するのだけれども、その謂は、和人との混血が進んでいるから、純粋なアイヌはいないということなのだそうな。誰と交わろうが、その人がその民族の文化や伝統を遵守していれば、「民族」は消えないよ。どうも、「人種」と「民族」の違いも理解してはいないようなのである。
 こういうアイヌ差別撤廃運動は、アイヌ協会などの利権のための運動で、とても評価できるものではない、という意見もある。もちろん「組織」に利権が発生しないということはあり得ないから、運動のための運動という面はあるだろう。しかし、今回の件に関しては、アイヌ協会は日テレに賠償請求をしたわけではない。金目当てでないことは明らかである。それに、アイヌ協会が胡散臭いからと言って、アイヌ差別をしていいという理屈にはならない。

 「アイヌ差別なんてものはない」と断言する人もいるが、番組アンケートで、アイヌの20%が差別を受けたことがある、さらに10数%が、知人などに差別を受けたと訊いたことがある、と答えていたことをどう受け止めているのだろうか。その「アイヌ差別はない」という発言自体がアイヌ差別であるという認識がないのだ。「無知」が差別を生む実例を、彼ら自身の発言で証明してしまっているのだ。
 アイヌ差別をしないために――そのためには、アイヌの文化・伝統を、その迫害の歴史も含めて「勉強」する必要がある。そんな暇はないよ、と仰るなら、せめて「よく知らないことについて、知ったかぶって発言しない」程度のマナーは弁えておいた方がよいのではないか。
 コメント欄を見ていると、無意識どころか意識的に差別発言してるんじゃないかと疑わしくなる書き込みも少なくなくて、もう人間の心の闇を無理やり見せつけられているようで、胸焼けがして仕方がないのである。
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