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2021年08月20日02:41

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現実主義勇者の王国再建記ー経済学から7話を評価するー

「メイドラゴンS」「ラブライブ!」「アイナナ」2021年夏アニメ、満足度が高い作品は!? 「Filmarks」ランキング中間発表
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=50&from=diary&id=6635346


話中で需給曲線での価格決定理論に基づく港湾拠点と街道整備による食糧価格の安定との関係を説明していた。これを経済学者の端くれとしてストーリーをガチで評価してみたい。

需給曲線の交点は経済学では均衡価格と言い一般的に供給財が需要を満たす時には政府による介入が不用な適正な市場が成立する完全自由市場となって、自由な商活動に任せる事が出来る理想的市場で物流網が整備する事で市場への需要を満たす供給を保証する為に重要となる。
転売が問題になるのは市場の失敗で需要を満たす供給が無い為に均衡価格決定がされず財が高騰してセーの法則に基づく異常な市場となって、需要側が一方的に不利な価格決定市場となる。これは独占禁止法で規制する価格カルテルと同じで正常な市場といえず需要側の一方的な負担ー食糧なら餓死者続出ーとなる為に完全自由市場を成立させる為の政府の干渉が必須となる。これには事業体と個人双方を罰する罰則を持った法律と国家財政を潤しながら失敗した市場を理想的な市場へと誘導する特別課税による誘導が重要となる。
食糧市場は特に国家にとって内乱を防止する為に国民の忠誠度維持に重要で有るのと、戦争遂行能力の確保する為には価格と量の安定が重要で通常国家が市場や生産に介入するのが現代でも国家の主権として認められている。そして国家の主権が戦争や経済戦争で敗北して喪失した時食糧作物から商品作物へと国外勢力の支配下で転換されて国家は国外勢力の奴隷となり国民は塗炭の苦しみを味わい国家は破綻と衰退の道を進むのが本作品の1話と2話の状況であった。
因みにアダムスミスは国富論の中では小さな政府の下での完全自由市場の成立には不良な市場参加者の排除の為の情報の平等と適正な均衡価格成立の為の買い占め出来ない財力の平等と道徳感情論に基づく利己主義の究極の進化の利他主義の敷衍を前提にしている。したがって現在完全自由市場と小さな政府を理想とする経済学派は情報の平等が最重要としていてノーブル経済学賞が情報の平等関連ばかり受賞する原因ともなっているが常識的に考えてもそんな事は絶対成立しないのでアダムスミスは国富論で小さな政府と完全自由市場は否定していて大きな政府と適正な政府介入が有る規制市場を理想としている。
この事から素人向けの小説としてしようがないが完全自由市場のみを目的にしている点は残念で有るが、経済学者からすれば極めてレベルの高い話をわかりやすくして経済学入門としては出藍の出来で有ると言える。
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