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2021年08月17日11:11

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死刑は人の命に優劣をつける制度にあらず

ひろゆき氏、“命の優劣”めぐる問題に私見
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=6631920

他人を殺めるという犯罪行為への刑罰として、法に基づいて執行される死刑と、ホームレス・生活保護といった貧困を理由に、その人物を殺していいと発想する思考はどう考えても同じではない。

日本の死刑制度にしても「人の命の優劣を決める制度」ではない。考え方としてはむしろ「人命は尊いものである」という前提から導かれる刑罰であって、優劣をつけているわけではない。

DaiGo氏もひろゆき氏のように、死刑と命の優劣を同じと論じていたが、これは死刑制度への無知である。是非はともかく、命が尊いものであるからこそ、多数の人命を奪う殺人行為は命を持ってしか償えないと発想するのが死刑の考え方だ。

そもそも犯罪者の命も重要と考えているからこそ、罪刑法定主義はあるのであり、裁判手続きなしには死刑にできないようになっているのである。

自分の価値尺度に照らして劣後する命は軽視して当然という発想は、死刑制度の考え方というより、死刑宣告される犯罪者の側の発想にむしろ近い。

死刑制度というのはあくまでも法に基づいており、自分の価値尺度を一方的に振り回せるわけではない。遺族が犯罪者を殺したいほど憎んでいても、死刑にならないケースは山ほどある。そして死刑判決を受けてすら執行されないケースもまた山ほどある。

それはすなわち犯罪者の命も重んじられていることの証左である。

法に基づく厳格な制度としての死刑と、DaiGo氏の粗雑な独善を、部分的な相似に依拠して混同するのはただの詭弁である。

これは例えるならカラスと蝉はどちらも羽で空を飛ぶから同じと考えるようなものだ。バカげている。
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