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2021年08月06日23:08

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『鬼滅の刃』『シン・エヴァンゲリオン』は実写映画を排除したのか?

■映画『パンケーキを毒見する』満席回続出 「見たい」けど「近くでやってない」問題も
(ORICON NEWS - 2021年08月02日 18:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6614856

●政権に斬り込む『パンケーキを毒見する』河村光庸Pインタビュー「『鬼滅』や『エヴァ』は映画館を救わなかった」
(BANGER!! - 2021年08月03日)
https://www.banger.jp/movie/61751/
https://twitter.com/BANGER_JP/status/1422475020836638720

> シネコンはご承知のように、アニメに席巻されています。よく、コロナ禍で『鬼滅の刃』(※『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』[2020年])が映画業界を救ったと言われますが、私は実写映画に関わる人たちや小さい映画を、あのアニメ映画が排除したと思っています。
> 学生たちに、「じつは『鬼滅の刃』や『エヴァンゲリオン』は、ある一定の映画館と映画会社しか儲からなかった。小さな映画を作っている人たちや実写の人たちは、みんなアニメ映画のおかげで排除されたんだから、逆に映画界を危機に陥れたことになるんだ」という話をすると、皆びっくりするわけです。もちろん映画としては否定しないし、娯楽映画として素晴らしいと思うのですが、製作者としてはやっぱり辛かった。


 映画『パンケーキを毒見する』は未見なので、映画についての感想は述べられない。
 ただ、プロデューサーの河村光庸氏の上記の発言が現在物議を呼んでいて、現在、Twitterは炎上状態にある。フォローしてるマンガ家さんたちも、何じゃこりゃあ、と目を白黒させておられるので、じきにニュース記事で取り上げられることになるんじゃないかなと思ってたけど、一向にその気配がない。
 炎上騒ぎには敏感な某方面の某サイトもちーとも話題にしようとしないので、何やら「お仲間」に忖度してるのかなーと、穿った見方もしたくなってしまう。もしも、単にニュースバリューがないと判断されたのなら、たいした問題じゃないと高を括られたのだとしたら、それは大間違いだぞ、と言っておきたい。マンガ、アニメファンは、河村Pの発言に相当怒ってるんだよ。

 ともかく、映画の実作に関わり、作品を製作・広報・宣伝する立場にありながら、映画界の実情を全く誤解してしまっているのはどういうことなのか。
 『鬼滅の刃』や『シン・エヴァンゲリオン』が、コロナ禍で減収にあえいでいた映画館を救っていたことは紛れもない事実だ。両作合わせて500億の興行収入を挙げながら、それでも多くの映画館が未だに閉館の危機にある。それが河村Pには見えていないのか。
 確かに『鬼滅の刃』は、公開初期に、シネコンのスクリーンを一日40回とか50回とか、驚異的な拡大公開で占有して超ヒットを飛ばした。しかしそれはそもそも、殆どの洋画がコロナ禍で公開延期や上映中止を余儀なくされていて、スクリーンが空いていたせいである。その証拠に、『鬼滅』の前にも『今日から俺は!!』は『鬼滅』の半分以下の規模ではあるが拡大公開を敢行して、53.7億円と、実写邦画第一のヒットを飛ばしている。同時期には、それでもスクリーンの穴埋めができなくて、スタジオジブリの旧作のリバイバル上映をしていたほどだ。『鬼滅』のせいで、他の映画の公開のチャンスが奪われたということはない。それは劇場の状況を毎日のように見てきた一観客の私にだって分かることだ。

 もちろん、『鬼滅』の陰で「売れなかった実写映画」というものも数多くある。しかしそれは、もともと単館系の映画館で上映される作品が殆どで、シネコンでの上映は考えられていなかったものばかりだ。シネコン中心の『鬼滅』とは、そもそも競合してはいないのだ。
 『鬼滅』との同時期公開で、同じくシネコンで公開されて割を食った実写映画もあるのではないか、と言われる人もいるだろうが、これも実情は違っている。『罪の声』の初週の上映回数はどのシネコンでも五、六回で、興収は12.2億円。10億行けばヒットという基準はクリアしている。大泉洋が「『鬼滅』のせいで話題にならねえ」と愚痴った『新解釈・三國志』は40.1億円、『シン・エヴァ』と公開が被った『騙し絵の牙』の最終興収は発表されていないが、やはり10億前後だろう。いずれも、初週から上映回数が減らされたという事実は全くない。

 公開延期中の映画がまだまだ多い映画界で、上映できる作品があれば、それは映画館は喜んで買い取る。スクリーンはしっかり空いているのだから。なのに、「作った映画が売れない」と主張するのであれば、それは、「たとえ空きスクリーンがあっても、その映画を買い取りたくない」と映画館が判断したということだ。買い取っても集客力がないから損すると、作品を「見限られた」ということだ。
 河村Pの前作『新聞記者』の興収は6億円。しっかりシネコンでも上映されているが、ヒットの基準には到達していない。要するに、河村Pは、自作の失敗(その原因は作品の内容や宣伝方法など、様々な要因があると考えられるが、その点について触れると長くなるので省略する)を、『鬼滅』や『シン・エヴァ』のヒットに責任転嫁したいのだ。自分たちの製作方法に問題があることを認めたくないのだ。

 もしかしたら、河村Pは「本当に」、『鬼滅』や『シン・エヴァ』のせいで、自作や他の邦画が排除されていると思い込んでいるのかも知れない。しかしそれは「妄想」だ。自作がヒットしなかった悔しさから、被害妄想に陥ってしまっているのだ。
 そんなアタマで、公的に堂々とアニメを差別した発言をされては堪らない。今や、どんなに頓珍漢な意見でも、ある一定の賛同者は得られてしまうから、下手をしたら「アニメを上映するな」なんて運動が起きてしまう危険性だってあるのだ。実際、実写映画を製作している人の中には、アニメを毛嫌いしている人も結構いるしね。
 でも、アニメだって、全ての映画がヒットしているわけではないのだ。たとえば現在公開中の『サイダーのように言葉が湧き上がる』は、初週の興収すら公式発表されていない。ランキングのベスト20にすら入っていないから、億単位も行っていないのだろう。惨敗は必至だ。ろくな宣伝もされてなかったし、これは当然の結果と言える。アニメならヒットするだろうと安易に考えていたら大間違いなのだ。

 ヒットしたアニメに嫉妬して妄言を振りまいている暇があるなら、自作の質の向上に専心しろと言いたい。その上で、プロデューサーとして、どのような宣伝プランを立てれば売れるか、具体策を考えろよと。それができないのなら、河村Pのような存在は、「映画界全体にとって」、「癌」にしかならない。本当に「排除」されなきゃならないのは誰なんだろうかね。
 本音を言えばさ、河村Pが、件の発言を撤回・謝罪しないようなら、『パンケーキを毒見する』上映中止運動だった起こしたって構わないと思ってるんだよ。でも、それやるとネトウヨと同類になっちゃうからな(苦笑)。バカの作った映画なんぞ観てやるもんか、程度の発言に留めておくことにするが、そもそも『サイダー』よりヒットしてないことは、興収の経緯ではっきりしているのである。
 オリコンニュースの提灯記事では、いかにも大ヒットって宣伝してるけどさ、そりゃ単館での成績であってね、『新聞記者』の時みたいにシネコンに購入してもらえなかったから、現況、このテイタラクなわけよ。このまま沈んでくれて、二度と映画製作に関わらないでほしい。差別と偏見の塊には、映画界にいてほしくはないのである。


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