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2021年07月23日00:12

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０７月２３日の日記

今日の出来事：１５８２年－加治田・兼山合戦、１５９２年－梅北一揆、１６８９年－奥の細道：松尾芭蕉が湯殿山に到着、１８１１年－ゴローニン事件、１８６７年－武田観柳斎暗殺、１８７７年－西南戦争：敷根・福山・岩川の戦い、１８８２年－壬午事変、朝鮮の漢城で興宣大院君らの煽動を受けた兵士が反乱が起こし、閔妃一族や日本公使館員らを殺害、２０１３年－埼玉県熊谷市で国内観測史上最高の４１．１度を記録

今日は、加治田・兼山合戦です。加治田・兼山合戦は、「本能寺の変」後に斎藤利堯と森長可との間で行われた合戦です。「清州会議」により、美濃は織田信孝が岐阜城主となって支配しました。織田信孝は、反秀吉の態度を示しましたが、西濃や東濃の諸将の多くは羽柴秀吉に加担しました。鳥峰城主・森長可は、織田信孝に属して人質・仙千代（忠政）を送っていましたが密かに奪い返して秀吉派に付き、「本能寺の変」後の混乱に乗じて東濃、中濃を支配しようとしました。しかし、元与力・肥田忠政、久々利頼興らが離反し、更に小里光明、妻木頼忠、遠山友忠、斎藤利堯らも森長可の排斥を企むなど周囲は敵に囲まれた状態でした。そこで、敵に一致団結される前に各個撃破する事を決めました。森長可は、７月２１日未明に鳥峰城の近隣にある肥田忠政の米田城を急襲しました。肥田忠政は病を患っていた為、夜に加治田城の斎藤利堯を頼って落ち延びました。森長可は、加治田城の攻略に向かいました。斎藤利堯は、加治田城主の弟・利治の留守居でした。斎藤利治は斎藤道三の末子でしたが、「本能寺の変」で織田信忠と共に二条新御所で討死しました。斎藤利堯は「本能寺の変」時は、岐阜城の留守居でしたが報を受けると岐阜城を掌握し、国衆の人質を連れて引き渡しを行いました。
牛ヶ鼻砦の戦い：１５８２年７月２２日、森長可は３０００の兵を率いて、馬串山から加治田城の支城・牛ヶ鼻砦の飛騨川対岸にある小山に着陣し、飛騨川を渡って牛ヶ鼻砦に攻撃を仕掛けました。牛ヶ鼻砦は、斎藤利堯軍の西村治郎兵衛、湯浅新六らの物頭に兵５００が守備していました。森長可軍の武将・各務元正らと激戦を繰り広げましたが勝敗は付かず、森長可軍は５１人が討取られて金山へ兵を引きました。斎藤利堯軍は４０人の討死者を出して加治田城に撤退しました。森長可軍は、牛ヶ鼻砦の敗戦によって刺違えて加治田を攻め落とそうと、未明に馬串砦を出発して加治田に向けて軍を進めましら。その夜は、「堂洞合戦」で廃城になった堂洞城址に登って、夕田に宿陣して軍議を行いました。
加治田城の戦い：翌７月２３日、斎藤利堯軍は加治田城の本丸山頂には拠らず、麓の上之屋敷の屋敷城を斎藤利堯の本陣として森長可軍を迎え撃つ事にしました。東の山に家老・長沼三徳が守備する三徳櫓、西の山に西村治郎兵衛が守備する砦で本陣を囲みました。川浦川を天然の堀として長沼三徳の嫡子・藤治兵衛に守備させ、東の白華山清水寺口に白江権左衛門、西の絹丸捨堀に湯浅新六を配置し、総勢１７００人で防備を固めました。これに対して森長可は、夕田から滝田に出て川浦川対岸の檜山に本陣を置き、全軍で中央突破をすると同時に、長沼三徳を川浦川まで誘き出す作戦をとりました。森長可は真屋新助らの率いる５００人の別働隊を、上町の対岸から強行渡河させました。長沼藤治兵衛の兵１００人が山を下りて川岸に進撃し、それに呼応して斎藤利堯の本隊３００人も合流しました。森長可軍は、次に林為忠らの率いる５００人の本隊先陣が渡河し、長沼三徳の陣に進撃しました。激戦となる中、森長可が陣頭に立って川に馬を乗り入れ、下流の渡河に成功しました。森長可軍は、長沼藤治兵衛の部隊を全軍で攻撃しました。長沼勢は支えきれずに三徳櫓へ押され、城下町は森長可軍の放火により燃え広がりました。斎藤利堯軍は混乱に陥り、長沼藤治兵衛は黒の駒に打ち乗って諸卒を励ましながら防戦していましたが、森長可軍の放った銃丸に胸板を打ち抜かれて落馬し、郎党に抱えられて三徳櫓へ運ばれましたが絶命しました。しかし、大将の斎藤利堯が各所に分かれている部隊を本陣に集め、森長可軍を囲むように攻め立てると、優勢だった森長可軍は次第に川向こうへ押し返されました。こうして、森長可は加治田城を落とせずに、烏峰城に帰還しました。

次に、梅北一揆です。梅北一揆は、島津氏家臣・梅北国兼が起こした一揆です。豊臣秀吉の朝鮮出兵「文禄の役」の際、前線基地である肥前名護屋城へ向かう船を待つ名目で肥後国葦北郡佐敷に留まっていた梅北国兼は、１５９２年７月２３日、葦北を治める肥後熊本城主・加藤清正の朝鮮出征中の隙を突く形で佐敷城を占拠しました。動機は、朝鮮出兵への反発と秀吉の支配に対する反発と言われています。この一揆には、田尻但馬、東郷甚右衛門らの島津家臣が参加し、それぞれの手勢に農民や町人が加わった反乱軍の人数は２０００人となりました。一揆勢は佐敷の北の八代城を攻めましたが失敗に終わりました。しかし、梅北国兼は佐敷城の留守を預かっていた安田弥右衛門らの偽りの投降に油断し、境善左衛門によって斬殺されました。そして、加藤氏や肥後人吉城主・相良氏の軍勢によって鎮圧され、一揆はわずか３日で鎮圧されました。梅北国兼の首は名護屋城に届けられて浜辺に晒され、胴体は佐敷五本松に埋められました。梅北国兼の妻も捕らえられて名護屋城に連行され、火あぶりの刑にされました。この「梅北一揆」は元々遅れていた島津氏の「文禄の役」参陣をさらに遅らせてしまう結果となり、島津義弘に「日本一の遅陣」と言わしめるほどの失態となりました。この遅陣は島津氏に対する豊臣政権の不信を招き、島津領内では豊臣政権の遣わした浅野長政や細川幽斎らによる徹底した検地が行われる事になりました。さらに島津歳久が秀吉によって一揆の黒幕とみなされ、島津義久の追討を受けて死亡し、一揆に家臣が参加したという理由で肥後の阿蘇惟光が斬首されました。「梅北一揆」によって島津氏の政治的な立場は悪化しましたが、検地やそれに伴う国人領主層の没落は島津氏の大名権力を強化する事になり、「慶長の役」で軍功をあげて名誉を挽回する事となりました。一方、梅北国兼の旧領である大隅国山田では、神として祀られました。現在も鹿児島県姶良市北山に梅北国兼を祀る「梅北神社」が残っています。

その次に、奥の細道：松尾芭蕉が湯殿山に到着です。芭蕉の「出羽三山」巡り、最後は湯殿山です。芭蕉は、月山から湯殿山へ向かいました。ここでの事は、「一般に、湯殿山の細かいことは、修行者の決まりとして、他人に話すことが禁じられている。従って、これ以上は筆を止めて記さないことにする。」とあり、何も記されていません。しかし、この句を詠みました。「語られぬ　湯殿にぬらす　袂（たもと）かな」

その次の次に、ゴローニン事件です。１８１１年、ペトロパブロフスクに寄港していたロシアのスループ船「ディアナ号」の艦長・ヴァシリー・ミハイロヴィチ・ゴローニン海軍大尉は、千島列島南部の測量任務を命じられ、「ディアナ号」で千島列島を南下しました。択捉島の北端に上陸し、千島アイヌ漂流民の護送を行っていた松前奉行所調役下役・石坂武兵衛と出会いました。ゴローニンが薪水の補給を求めたところ、石坂武兵衛は振別会所に行くように指示し、会所宛の手紙を渡しました。しかし、逆風に遭遇した事や、当時のヨーロッパで未探索地域であった根室海峡を通過して北上し、オホーツクへ向かう計画であったゴローニンは振別に向かわず、穏やかな入り江がある国後島の南部に向かいました。そして、７月２７日、泊湾に入港しました。湾に面した国後陣屋にいた松前奉行支配調役・奈佐瀬左衛門が警固の南部藩兵に砲撃させると、ゴローニンは補給を受けたいというメッセージを樽に入れて送り、日本側と接触しました。７月２２日、海岸で武装した日本側の役人と面会し、日本側から陣屋に赴くように要請されました。２３日、ゴローニン、ムール少尉、フレブニコフ航海士、水夫４名（シーモノフ、マカロフ、シカーエフ、ワシリーエフ）と千島アイヌのアレキセイは陣屋を訪問しました。食事の接待を受けた後、補給して良いか松前奉行の許可を得るまで人質を残して欲しいという日本側の要求を拒否し、船に戻ろうとしたところを捕縛されました。この「騙し討ち」を見て、ロシア人は泊湾を「背信湾」と呼ぶようになりました。「ディアナ号」副艦長のリコルドは、ゴローニンを奪還するために陣屋の砲台と砲撃戦を行いましたが、損害を与える事が出来ませんでした。そして、攻撃を続けるとゴローニン達の身が危うくなる懸念から、彼らの私物を海岸に残してオホーツクへ撤退しました。オホーツクに着いたリコルドは事件を海軍大臣に報告して、ゴローニン救出の遠征隊派遣を要請するため、サンクトペテルブルクへ出発しました。途中、イルクーツク県知事・トレスキンを訪問して、既に遠征隊派遣を願い出ているとの説明を受けた事からイルクーツクに滞在しました。しかし、ヨーロッパ情勢の緊迫化のため、日本への遠征隊派遣は却下となりました。リコルドは「文化露寇（フヴォストフ事件）」の際に捕虜となり、ロシアに連行されていた良左衛門を連れてオホーツクへ戻りました。国後島から「ディアナ号」が去ると、ゴローニンらは縄で縛られたまま徒歩で陸路を護送されました。８月２０日、箱館に到着すると箱館詰吟味役・大島栄次郎の予備尋問を受けた後、１０月１２日に松前に移されて監禁されました。１０月１４日から松前奉行・荒尾成章の取り調べが行われました。荒尾成章は、「文化露寇（フヴォストフ事件）」がロシア政府の命令に基づくものではなく、ゴローニンも関係ないという主張を受け入れて釈放するよう江戸に上申しましたが、幕閣は釈放を拒否しました。１８１２年の春、監視付の散歩が許されるようになり、牢獄から城下の武家屋敷への転居が行われましたが、このまま解放される見込みがないと懸念したゴローニンらは脱獄して小舟を奪い、カムチャツカか沿海州方面へ向かう事を密かに企てました。５月６日にムールとアレクセイを除く６名が脱走しました。松前から徒歩で北に向かって山中を逃げましたが、５月１４日、木ノ子村（現・上ノ国町）で飢えて疲労困憊となっているところを村人に発見されて捕まりました。松前に護送されて奉行の尋問を受けた後、徳山大神宮の奥にあるバッコ沢（現・松前町字神内）の牢獄に入れられました。幕府はゴローニンらに通訳へのロシア語教育を求め、上原熊次郎、村上貞助、馬場貞由、足立信頭らがロシア語を学びました。その他、学者などが獄中のゴローニンらを訪問し、その中に間宮林蔵もいました。間宮林蔵は、壊血病予防の薬としてレモンやみかん、薬草を手土産に六分儀や天体観測儀、作図用具などを持ち込んで、その使用方法を教えるよう求めました。また、間宮林蔵は毎日、朝から晩まで通って鍋や酒を振る舞い、自分の探検や「文化露寇（フヴォストフ事件）」の際の武勇談を自慢して、ゴローニンに「彼の虚栄心は大変なもの」と評されました。オホーツクに戻ったリコルドは、ゴローニン救出の交渉材料とするため、良左衛門やカムチャツカ半島に漂着した「歓喜丸」の漂流民を伴ない、「ディアナ号」と補給船「ゾーチック号」の２隻で国後島へ向かいました。９月８日に泊に到着、国後陣屋でゴローニンと日本人漂流民の交換を求めました。しかし、松前奉行調役並・太田彦助は漂流民を受け取りましたが、ゴローニンらの解放については既に処刑したと偽って拒絶しました。リコルドはゴローニンの処刑を信じず、更なる情報を入手するために９月１９日早朝、国後島沖で高田屋嘉兵衛の手船「観世丸」を拿捕しました。乗船していた高田屋嘉兵衛と水主の金蔵・平蔵・吉蔵・文治・アイヌ出身のシトカの計６名をペトロパブロフスクへ連行しました。高田屋嘉兵衛たちは、役所を改造した宿舎でリコルドと同居しました。そこで少年・オリカと仲良くなり、ロシア語を学びました。高田屋嘉兵衛らの行動は自由で、新年には現地の人々に日本酒を振る舞って親交を深めました。また、当時のペトロパブロフスクは貿易港として各国の商船が出入りしており、高田屋嘉兵衛も諸外国の商人と交流しました。１８１３年１月１０日、高田屋嘉兵衛は寝ているリコルドを揺り起こし、事件解決の方策を話し合いたいと声を掛けました。高田屋嘉兵衛は、ゴローニンが捕縛されたのはフヴォストフが暴虐の限りを尽くしたからで、日本政府へ蛮行事件の謝罪の文書を提出すれば釈放されるだろうと説得しました。その後、文治・吉蔵・シトカが病死しました。髙田屋嘉兵衛はキリスト教の葬式を行うというロシア側の申出を断り、自ら仏教、アイヌそれぞれの様式で３人の葬式を行いました。その後、自らの健康を不安に感じた髙田屋嘉兵衛は情緒が不安定になり、リコルドに早く日本へ行くように迫りました。リコルドはカムチャツカの長官に任命されていましたが、髙田屋嘉兵衛の提言に従ってカムチャツカ長官名義の謝罪文を書き上げ、自ら日露交渉に赴きました。幕府は髙田屋嘉兵衛の拿捕後、これ以上ロシアとの紛争が拡大しないよう方針転換し、ロシアがフボォストフの襲撃は皇帝の命令に基づくものではない事を公的に証明すれば、ゴローニンを釈放するとしました。これをロシア側へ伝える説諭書「魯西亜船江相渡候諭書」を作成し、ゴローニンに翻訳させてロシア船の来航に備えました。この幕府の事件解決方針は、まさに髙田屋嘉兵衛の予想と合致するものでした。１８１３年、髙田屋嘉兵衛とリコルドらは、ディアナ号でペトロパブロフスクを出港して国後島に向かいました。６月２４日、泊に着くと髙田屋嘉兵衛は、まず金蔵と平蔵を国後陣屋に送りました。次いで髙田屋嘉兵衛が陣屋に赴き、それまでの経緯を説明して交渉の切っ掛けを作りました。髙田屋嘉兵衛は「ディアナ号」に戻り、「魯西亜船江相渡候諭書」をリコルドに手渡しました。「ディアナ号」の国後島到着の知らせを受けた松前奉行は、吟味役・高橋重賢、柑本兵五郎を国後島に送りました。２人はシーモノフとアレクセイを連れて国後島に向かい、７月１６日に到着しました。しかし、リコルドが日本側に提出した謝罪文は、リコルドが髙田屋嘉兵衛を捕らえた当人であったという理由から幕府は採用せず、他のロシア政府高官による公式の釈明書を提出するよう求めました。日本側の要求を承諾したリコルドは、７月２１日に釈明書を取りにオホーツクへ向けて国後島を出発しました。一方、高橋重賢と髙田屋嘉兵衛らは７月２６日に国後島を出発し、８月１４日に松前に着いた高橋重賢は松前奉行・服部貞勝に交渉内容を報告しました。そして、９月７日にゴローニンらは牢から出され、引渡地である箱館へ移送されました。リコルドはオホーツクに入港すると、イルクーツク県知事・トレスキンとオホーツク長官・ミニツキーの釈明書を入手しました。そして、「若宮丸」の漂流民でロシアに帰化していた通訳のキセリョフ善六と「歓喜丸」漂流民の久蔵を乗せて、８月２３日にオホーツクを出港しました。２０日後には蝦夷地を肉眼で確認できる位置まで南下し、９月２２日に内浦湾に接近しました。しかし、暴風雨に遭遇しながら１０月４日に絵鞆（現・室蘭市）に入港しました。そこで、水先案内のために待機していた髙田屋嘉兵衛の手下・平蔵が「ディアナ号」に乗り込み、１０月９日夜に箱館に到着しました。入港直後に髙田屋嘉兵衛が小舟に乗って「ディアナ号」を訪問し、リコルドとの再会を喜び合いました。１０月１１日朝、髙田屋嘉兵衛が「ディアナ号」を訪問し、リコルドはオホーツク長官の釈明書を手渡しました。１０月１２日正午、リコルドと士官２人、水兵１０人と善六が上陸し、沖の口番所で高橋重賢らと会見してイルクーツク県知事の釈明書を手渡しました。松前奉行はロシア側の釈明を受け入れ、１０月１９日にゴローニンらを解放して久蔵を引き取りましたが、通商開始については拒絶しました。ゴローニンは、リコルドとともに飛び級で海軍中佐に昇進し、年間１５００ルーブルの終身年金を与えられました。髙田屋嘉兵衛は、「ゴローニン事件」解決の褒美として、幕府から金５両を下賜されました。ゴローニンは帰国後、日本での捕囚生活に関する手記を執筆し、１８１６年に「日本幽囚記」として官費で出版されました。三部構成で、第１部・第２部が日本における捕囚生活の記録、第３部が日本および日本人に関する論評でした。幕末にロシア正教会の司祭として来日したニコライ・カサートキンが同書を読んで、日本への関心を高めました。そして、同書は各国語に翻訳され、日本に関する最も信頼のおける史料として評価されます。日本でもドイツ語版を重訳したオランダ語版が１８２１年にオランダ商館長により江戸にもたらされ、翌年から馬場貞由、杉田立卿、青地林宗が翻訳、高橋景保が校訂し、１８２５年に「遭厄日本記事」として出版されました。同書は淡路島に帰っていた高田屋嘉兵衛も入手して読む事になります。

そのまた次に、武田観柳斎暗殺です。武田観柳斎は軍学者として近藤勇に重用され、副長助勤に抜擢されました。その後、五番組組長や文学師範、軍事方といった地位に就き、甲州流軍学による調練を担当しました。「池田屋事件」では古高俊太郎を捕縛した功により褒賞金２０両を賜り、「禁門の変」や「明保野亭事件」、また永倉新八や斎藤一らが近藤勇の専横を非難した際には仲裁を務めるなど、軍才を背景に存在感を示しました。しかし、新選組で洋式の調練が採用されるようになると、甲州流軍学の武田観柳斎は隊内での影響力を失い、伊東甲子太郎や薩摩藩と接触をし、不穏な行動を示し始めました。このため、京都郊外の鴨川銭取橋にて暗殺されました。武田観柳斎の暗殺には斎藤一や篠原泰之進が関与したと言われています。後日、加藤羆が武田観柳斎に同心した咎により、切腹させられています。

そのまた次の次に、西南戦争：敷根・福山・岩川の戦いです。第３旅団が７月１０日、敷根・清水の両方面から永迫に進撃し、相良長良が率いる「行進隊」十二番中隊を攻撃したため、「行進隊」は通山へ退却しました。一方、敷根・上段を守備していた「行進隊」八番中隊は、政府軍の攻撃を受けて福原山へと退却しました。「行進隊」八・十二番中隊は上段を奪回しようと政府軍を攻撃しましたが、破る事ができずに通山へ退却しました。７月１５日早朝、「行進隊」と「奇兵隊」は嘉例川街道を攻撃しましたが、政府軍の守りは堅く、「加治木隊」指揮長・越山休蔵が重傷を受けたため、攻撃を中止して通山へ退却しました。７月２３日、政府軍が岩川に進出したとの報を受け、高野から「雷撃隊」八・七番隊、「干城隊」七番隊を率いてきた辺見十郎太と合流しました。辺見十郎太・相良長良を指揮長として岩川へ進撃し、政府軍と交戦しました。１６時間にも及ぶ砲撃・銃撃戦でしたが、薩摩軍は政府軍を破れる事が出来ず、末吉へと退却しました。

最後に、壬午事変です。「江華島事件」以来、朝鮮は清朝の冊封国としての朝鮮のままであるべきであるという「守旧派」と、現状を憂い朝鮮の近代化を目指す「開化派」とに分かれていました。宮中では政治の実権を巡って、高宗の実父である興宣大院君らと、高宗の妃である閔妃らとが、激しく対立していました。朝鮮では財政難で軍隊への、米で支払われていた給料（俸給米）の支給が１３ヶ月も遅れていました。そしてやっと支払われた俸給米の中には、支給に当たった倉庫係が砂で水増しして、残りを着服しようとした為砂などが入っていました。これに激怒した守旧派の兵士達は倉庫係を暴行した後、倉庫に監禁しました。いったんこの暴動は収まりましたが、暴行の首魁が捕縛され処刑される事となり、再度兵士らが暴動を起こしました。これは、反乱に乗じて閔妃などの政敵を一掃、政権を再び奪取しようとする前政権担当者で守旧派筆頭である大院君の陰謀でした。反乱を起こした兵士等の不満の矛先は日本人にも向けられ、貧民や浮浪者も加わった暴徒は別技軍の軍事教官であった堀本少尉や漢城在住の日本人語学生等にも危害を加えました。また王宮たる昌徳宮に難を逃れていた閔妃の実の甥で別技軍教練所長だった閔泳翊は重傷を負い、閔妃一族を中心とした開化派高官達の屋敷も暴徒の襲撃を受け、多数が殺傷されました。この時、犠牲となった日本人は以下の１４人です。
堀本禮造、水島義、鈴木金太郎、飯塚玉吉、廣戸昌克、本田親友、宮鋼太郎、川上堅鞘、池田為義、遠矢庄八朗、近藤道堅、黒澤盛信、池田平之進、岡内格
大院君は清に連行され、李鴻章による査問会の後、天津に幽閉されました。「大逆不道罪」で、官吏である鄭顕徳、趙妥夏、許焜、張順吉、儒学者の白楽寛、金長孫、鄭義吉、姜命俊、洪千石、柳朴葛、許民同、尹尚龍、鄭双吉は凌遅刑により処刑され、遺体は３日間曝されました。なお、その家族一族郎党も斬首刑となりました。この後、日本と朝鮮は済物浦条約を結び、日本軍による日本公使館の警備を約束し、日本は朝鮮に軍隊を置く事になりました。やがて朝鮮をめぐり、日本と清の対立が「日清戦争」へと結びつく事になるのです。

今日の誕生日：山岡鉄舟、レイモンド・チャンドラー、石原まき子（北原三枝）、朝丘雪路、ミッキー・カーチス、松方弘樹、井崎脩五郎、三上博史、阿部知代、倉田真由美、野村克則、モーリス・グリーン、パッション屋良、山本貴司、和希沙也、小松彩夏、川村真洋（元乃木坂４６）、河田陽菜（日向坂４６）

今日の記念日：スポーツの日、文月ふみの日、米騒動の日、カシスの日、ドッグ・デイズ（犬の日）、日本歴代最高気温の日

今日の「今日訓」：本日は、スポーツの日です。１９６４年に東京オリンピックの開会式が行われた１０月１０日を、１９６６年から国民の祝日としました。２０００年からは「ハッピーマンデー制度」の適用により、１０月の第２月曜日となりました。「スポーツに親しみ、健康な心身をつちかう」ことを趣旨としています。この日が「大暑」になる事が多いことから「カシスの日」、１９７９年から郵政省（現・日本郵政グループ）は毎月２３日を「２（ふ）３（み）」の語呂合わせで「ふみの日」としていますが、７月は「文月」である事から「文月ふみの日」としてさまざまなイベントを実施しています。１９１８年７月２２日の夜からこの日にかけて、富山県魚津の主婦達が米の県外移出を防止する集団行動を起こしました。この「米騒動」は全国に波及した事で「米騒動の日」、おおいぬ座のα星「シリウス」が太陽と同じ方向に現れる事で「犬の日」、２０１８年の午後２時１６分に埼玉県熊谷市で、４１．１度を記録して日本の観測史上最高気温となった事で「日本歴代最高気温の日」となりました。

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