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2021年07月21日22:28

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21時の調べ

7月21日は、グランドピアノが届いた日。
1990年、社会人1年目のときです。

31年前の6月半ば。
KAWAIに勤める知人の紹介で、グランドピアノフェアに行きました。
到着するや否や、知人の上司まで至極丁寧に応対してくれました。
確実に購入するつもりで訪れているから、そんな気を遣わなくていいのに。

ショパンアニバーサリーという珍しい商品名のがありました。
キンキンしない、柔和な響きで気に入りました。
もちろん、音質は調律でいかようにもできますが。

それにしようか決めかけたとき、別のピアノを勧められました。
弾いてみても、プロじゃないから、違いがそんなにわからない。
自宅で弾くならこちらのほうが、と言われたんだっけ? どうだっけ?

どちらもプーランク「ナゼルの夜」の1曲を試しに弾きました。
自分で決めかけていたから、複雑な心境でしたが・・・
ここは勧められたとおりにしてみよう、と思いました。

それから1カ月、待ちに待ったピアノが届いたとき。
正確には、届くまで、ずっと前から。
最初に何を弾こう? 記念すべき第1曲めを何にしよう? 

ドビュッシー「ヒースの茂る荒れ地」にしました。
たった4ページ、すべて3段の楽譜に描かれた風景。
紫系の花が一面に広がるといっても、荒野なのでどこか寂し気。
そして夏の終わりから秋の訪れの知らせでもあります。

でもこの曲、やわらかな、おだやかな、透明感のある温もりを感じます。
高音で表現する鳥のさえずり。余分な音を一切省いた色彩。
楽譜上はそれほどでなくても、完璧に弾くには難しさもある、そんな曲。

今日は21時に帰ってきて、弱音ペダルを使わずに、この曲だけ弾きました。
そしてピアノに感謝の気持ちを込めて、お菓子も買ってきました。
ピアノに!? そう、ピアノに。いつもありがとう。今までありがとう。

練習の間が空くと弾けなくなるのは、単に指だけが原因じゃなくて。
弾けば弾くほど、ピアノは応えてくれる。生き物だと思ってます。
意識的に感情を込めるのではなく、自然に響くのが理想。あくまでも自然に。
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