レバノン、ハリリ首相候補が組閣を断念
https://www.cnn.co.jp/world/35174014.html
・レバノンは宗教対立を防ぐために、宗教宗派ごとに閣僚ポストを割り振っていた。
・宗教対立は緩和されたが、ポストの固定化は既得権益化へと繋がり、政治改革の妨げとなっていた。
・レバノンの最大勢力は、イランをバックに持つシーア派過激派のヒズボラ。
・ヒズボラは大統領のポストの他に、閣僚の中ではもっとも「旨味のある」財務相のポストを持っていた。
・港湾爆発等で史上最悪の経済状況であるレバノン。立て直しには欧米からの財政支援が不可欠。
・欧米の支援条件は 大規模な財政改革。特に財務相にはシーア派以外を置くことにこだわった。
・欧米からの支援を引き出したいハリリは、シーア派が財務相を手放すように 長期に渡りアウン大統領と折衝。アメリカやフランスもアウン大統領の説得を図ったが、大統領側はこれを断固拒否。ついにハリリの方が首相指名から降りた。
まぁレバノンに欧米の支援が不可欠なのと同様に、ヒズボラにはイランの支援が不可欠。そのイランの次期大統領には、反米強硬派のエブラヒム・ライシが当選したばかり。米国に舐められなくないライシは、ヒズボラへの締付けも強めているはずで、ヒズボラを基盤とするアウン大統領が欧米に妥協できないのは当然ではあった。
もちろん、そこをどうにかするために、ヒズボラからの暗殺の危機を乗り越えて、逆にヒズボラにある程度顔が利くようになったハリリが指名されたのだけれども、無理なものは無理だったという話。アメリカがスレイマニ司令を暗殺した時点で、もはやこの流れは止められなかっただろうなと。
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