朝からむかついたけど

今朝、バス停に向かっているとバスのエンジン音がして扉が開く音がしたので、乗り込む為にバスに近づいた。
しかし、入り口がよくわからず、車体に触れていると扉が開いた。
さっき聞いた音は閉める音だったんだな。
バスに乗り込み、ICカードをタッチするがうまく行かずうろうろしていたら、運転手がマイクを通して「降りる際に処理しますから‥」と言ってくれた。
そして、座席を探して座ろうとしたら、運転手がマイクを通して「お客さん、あれはあきませんわ！」と言う。
僕は一瞬なんのことやらわからなかったが、バスは動き始めていたからバスに触れていたら危ないだろうというようなことを続けて言われた。
僕はあつかましく動き始めたバスを停めてまで乗せてもらおうと思ったわけではないし、かなりむかついたが、「目が悪くて状況がわからなかったんです。すみません！」と謝っておいた。
車内はほとんど人の気配がないくらい客は少なかった。
バスを降りる際に運転手のほうには行くことになるから、その時に言ってくれればいいのに、わざわざマイクを通してそうしたことを言われたことにふつふつと怒りがわいていた。
でも、最近の僕は常に低姿勢を心がけている。
降りる際にも「すみませんでした。」と言ってバスを降りた。
運転手は特に何も言わなかった。
そして、バスを降りてみるといつもと足元の様子が違う。
同じ熊野橋のバス停でも系統の違うバスの停車するバス停だった。
予定のバス停からは手前数十mほどのところだし、日ごろ使わないバス停だからいつもの横断歩道に向かうにも神経を使った。
すれ違うおじいさんらしき人も僕のうろうろしながらの歩きに「おっ、おっ」と危なそうに見ているようだった。
無事に横断歩道にたどりつき、いつもの道に戻り、無事に仕事場には着いた。
まさか運転手も意図的に違うバス停に降ろしたわけではないだろう。
相手もそれなりに動揺していたり、まだ僕に対してのいらつきがあったりしたのかもしれない。それでバス停を間違えたんだろうと思った。
以前の僕なら営業所に電話をして抗議するところだが、まあ、まともな運転手なら反省もしているだろうし、まともでないなら、こちらがどんなことを言っても改善はしないだろう。
他人を変えることなんてできないと思っているし、この先、またその運転手に乗せてもらわねばならないこともあるかもしれないから、こっちが黙っていることにした。
負けよしみのように聞こえるならそれでもいい。
でも、自分の為にも人を許すことは大事かなあと思うし、そうできた自分が大人としての成長ができたのかなと思う。