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2021年07月12日11:14

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食事中の咀嚼音、武勇伝…おじさんが嫌われる原因は?改善法を伝授


■食事中の咀嚼音、武勇伝…おじさんが嫌われる原因は?改善法を伝授

           
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            蕎麦なら啜ってOK!

 ここ数年、マナースクールで目立つのが、奥さんや彼女からパートナーの男性が送り込まれてくるケースだとか。「男だから少々粗暴であってもいい」なんていうのは過去のもの。ベストセラー著者のマナー講師が基本中の基本を指南。あなたはちゃんとできていますか。

 ◆◆◆

 パワハラやセクハラという言葉が溢れる昨今。そんな中であっても昭和の時代と変わらぬ立ち居振る舞いのオジサマたちがまだまだ大勢いらっしゃいます。

 特に若い女性が増えている職場では、男性だからといって粗暴な態度や言葉づかいが許されることもあり得ず、これまでのままの言動では、社会に受け入れてもらえなくなる恐れも。

 職場や街、家庭で、そんなオジサマ方に困り果てている、私の「マナースクール ライビウム」の女性生徒さんたちからは、「先生、男性のマナー本を!」という熱いリクエストを度々いただいておりました。

 また、おかげ様で現在46万部を突破しベストセラーとなっている拙著『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)は、若い女性のイラストが描かれたピンク色の表紙にもかかわらず、多くの男性が手に取ってくださっているよう。誰もが知る大手企業の社長や役員の方が読まれた後すぐに「ぜひ弊社で講演を」と、ありがたいお申し出もたくさんくださいました。

 こんなにニーズがあるのならばと、思いを込めて書き上げたのが『知らないと損をする男の礼儀作法』(SB新書)です。今回は、その「129の心得」の中から「週刊新潮世代」のオジサマ方にいますぐ認識していただきたい代表的なNGマナーをいくつかピックアップし、それらをさらに掘り下げてお伝えしてまいります。

 年齢を重ねるごとに、世の中の当たり前のマナーとは逆行してしまっている……そんなオジサマ方に簡単な改善のコツをお伝えできれば幸いです。

 おかげさまで私のスクールは、設立当初からテーブルマナー講座にたくさんのお申し込みをいただいてきました。ここ数年で目立つのは、奥様や婚約者、お付き合いしている女性から、パートナーの男性が我がスクールに送り込まれるケースです。

「主人の食べ方が本当に酷いのでテーブルマナー講座を受けさせたいのですが」「私の親に会わせる前に食べ方を直してもらわないと……」という切実なご依頼です。

 昨年からのステイホームで、家庭内で密な環境でいることを余儀なくされ、食事時の不作法が浮き彫りになったと言えるでしょう。朝昼晩3食、連日、不愉快な食べっぷりを間近に見ていれば、奥様だって、年ごろのお嬢さんだってそばに居たくはなくなるはずです。

 では、女性たちは家族やパートナーの食べ方について、一体どんなところが目につき、何が気に障るのでしょうか。なぜ一緒に食事をしたくないのでしょうか。実は、どれも本当に基本的なことばかりなのです。

 最も多いNGは「音」

           
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             肘をついて食べてはいけない 

 男性が嫌われる食事マナーでの最も多いNGが、「音」に関すること。そのトップに来るのが、咀嚼音です。

 口を開けたまま噛む、噛むみながら平気で話す、このような作法を無視した姿は、周りの女性たちを実に不快にしています。口は閉じて噛む。飲み込んでから話す、という、昔から言われているような教えをどうぞ思い出してください。

 もうひとつの不快にさせる代表が「啜(すす)る音」。もちろん、お蕎麦など日本の麺のお料理についてはこれに当たりません。また、中国料理とはいえ、もはや日本の代表的グルメになっているラーメンも、です。

 しかし同じ麺類でも西洋のもの、スパゲティに代表されるロングパスタや、また、スープ、コーヒーなどの飲み物については、啜る行為は通用しません。いくら日本のものでも日本茶も啜ってはいけません。よく指摘されることではあるのですが、洋食がこれだけ広まっているのに、いまだに守れていない方が多い。大人としてその区別はしっかりつけていきましょう。

 つづいて多くの男性方に反省いただきたいNGマナーが、「肘をついて食べる」です。定食屋さんや牛丼屋さんなど、サラリーマンのランチタイムによく見られる非常に残念なお行儀です。

 外でなさるということは、きっとご家庭でも同じようにされているはず。左手(利き手と逆の手)の肘から手首辺りをテーブルの上に載せ、上半身の体重を掛けているだるそうな姿は、せっかくのお料理も美味しく召し上がっているようには見えず、作り手は本当にガッカリしてしまうもの。

 それが、ちょっといいレストランだったりしたら、同席の女性こそ、「こっちの方が恥ずかしくなってしまう」と思うのもうなずけます。さらには、右手(利き手)の肘をついたままお箸を持って食べている方も! これを毎日の食事の度に見せられてしまっては、熟年離婚や婚約解消、交際破談となることも決してオーバーなお話ではないはずです。

 でも大丈夫。私が生徒さんにお勧めしている簡単、且つ、効果的な改善法があります。それは、自身の食事場面を動画撮影なさること。スマホで簡単にできます。恥ずかしいかもしれませんが、ありのまま、真のご自分の所作と音を確認なさると、必ず改善したくなるもの。奥様などご家族が撮ってさしあげてもよいですね。

 さて、これからの季節に女性たちが思わず顔をしかめてしまうオジサマの行いについても、忘れずにお伝えしておこうと思います。これもよく言われることですが、暑い時期に頻繁に目にすることになるであろう、おしぼりで顔や首まで拭くオジサマたちの姿です。美味しく食事を愉しんでいる私たちに失礼だとは思いもよらないようです。

          
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             おしぼりで首を拭かない

 その上、食事中にそのおしぼりで口元を拭くとは!

 おしぼり、お手拭きはその名の通り手を拭くもの。日本の美しいおもてなしの心です。顔はあぶら取り紙で押さえたりしましょう。「そうは言われても、俺は汗っかきなんだ」と開き直られる方へ――。身体にも使える男性用の使い捨てウェットティッシュが多く出ていますので、ドラッグストアなどでさがしてみるといいでしょう。

 ずいぶん昔々の功績や自慢、武勇伝を語るオジサマは、「出ました! また〇〇課長のあの話」と囁かれていることに気づいてもいないのでしょう。部下と営業先へ出向いた帰りなのでしょうか。私もそんな上司部下の会話をしばしば耳にすることがあります。「いやあ、僕が〇〇支社にいた頃はな、当時一番のクライアントの担当部長がね」と、得意げに話しています。しかも大きな声で……でも、本当に部下たちが聞きたいのは、武勇伝より失敗談。そちらの方がよっぽど参考になり、役に立つのです。

 古代からいつの時代にも言われ続けている「いま時の若いモンは」「俺たちの若い頃は」といったセリフも然り。これを「なるほど、そういうやり方もあるんだね」と言い換えてみるだけで、器の大きい素敵なオジサマのイメージにシフトできますよ。

 ここで取り上げるようなマナーにしても、「俺が、俺が」できた団塊世代よりも、今の若い男性のほうがよほど守っています。むしろ、オジサマたちは、若い人たちを参考にすべき時代になってきているのではないでしょうか。

 そして、女性たちが「絶対に見たくない」「近づくのはごめんだわ」と避けたくなるのが、デスクの下で靴を脱いでいるオジサマ。この季節、蒸れるのも十分わかります。だがしかし、デキる男、スマートな男性は決してなさらない行為ではないでしょうか。

           
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                靴を脱がない

 先日、ある編集者さんからお聞きした実話ですが、電車の座席で靴を脱いでいたオジサマに「臭いので靴履いてください」と、隣の席の若い女性が毅然とおっしゃったそう。周りの方はドキドキしていたことでしょう。その後オジサマはどうしたか? はい、素直に靴を履かれたそうです。

 夏場は蒸れにくい靴下を選び、帰宅後は靴に乾燥剤や消臭剤を入れ、最低1日は休ませるようにしましょう。

 また、ひと昔前の役所に代表されるオジサマのサンダル履きも、ビジネスシーンではもはや通用しない、と周知されているはず。若い世代の女性がいる職場で、いつまでも疑問を持たずにサンダルを履いていると、哀れなオジサマという眼差しで見られているかもしれませんのでお気をつけて。

 「大人の余裕」を

 「中高年の男性でどんなところが気になりますか?」という質問に対し、私の生徒さんたちからは、「くしゃみ・咳・あくび」という三大不作法の答えが返ってきました。

 女性の場合、くしゃみにせよあくびにせよ、なるべく人様に聞こえぬよう小さく……と当たり前に気を遣うものです。「先生、どうすれば上品なくしゃみができますか?」と真面目な顔で質問されるほどです! それに引き換え、オジサマ方のくしゃみはとにかく大きい。「だって、思い切りした方が気持ちいいから」という理由のよう。

 あくびに至っては最低限のマナーである口元を覆うこともせず、声まで添えて周りを平気で不愉快にさせます。手を当てないままの咳も然り。このような振る舞いを、他人はなかなか注意ができないものだからこそ、自身で律すること、あるいは、ご家族が指摘してあげることが必要です。

 奥様方、ご主人の評価のためにもぜひ優しい言葉で気づかせてあげましょう。「『週刊新潮』に取り上げられていたんだけど……」と切り出してもいいかもしれません。あとは、ご主人の目のつくところに、こっそりと私の本や「週刊新潮」を置いてみてください。

 周囲を不快にさせてはいけない――、という道徳的な観点からだけではなく、誰からも「素敵なオジサマ」と思われる振る舞いをした方が断然お得であることを知っていただきたいのです。まずは口元を押さえることから始めてみましょう。

 「週刊新潮世代」の殿方で、「レディファーストを意識している」と言える方はどれだけいらっしゃるでしょう?

 残念ながら私の経験上では、そんなことを全く考えていない男性が圧倒的に多いと感じています。だからこそ「After you」精神をお持ちのスマートで粋なオジサマに遭遇すると、とても感激してしまうのです。

 何も欧米人のようなレディファーストをしろと言っているのではありません。これだけ女性の社会進出が進んだ現在、ほんのちょっとしたことで女性に好印象を与えられます。

 まず、いつもガッカリさせられ、落胆するのがエレベーターホールでの場面。最初に待っていた私をグイッと押しのけて一番乗りするオジサマもいれば、私より先にいらしていたのに、エレベーターの扉が開くと同時に、ご自身の身体を一歩引いて、サッと手を出し、私を誘導してくださるエスコート完璧オジサマも。もし言葉掛けやジェスチャーが照れくさければ、乗った後でも、女性が先に降りられるように「開」ボタンを押すだけでもトライしてみてください。

           
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             エレベーターでは「開」を押す

 ビルのエントランスや商業施設のドア付近においては、もしかするとエレベーターよりご無礼な振る舞いが目につくような気がします。後ろから人が続いているのに、開けたドアを押さえずに、そのまま行ってしまうケースです。

 すぐ後ろから続いて入ろうとしている女性にとって、最初からドアを開けるより、閉まりかかった重いドアを押す方がさらに大変なことを想像していただきたいものです。

 レディファーストやエスコートなんてカッコ悪い、照れくさい、そんなもの今さらできない、とお思いかもしれませんね。なにも女性の立ち座りの度に椅子を引いてください、と言っているわけではありません。

 エレベーターに乗りこむ順番をちょっと譲るだけ(だからといって、エレベーターが出発する時間は変わりません!)、開いたドアを片手で2〜3秒押さえておくだけで、ほとんど労力の掛からない気づかいをしてくだされば嬉しいだけです。

 ましてや、こうしたマナーは高齢者が増える中、力が弱い高齢の方にとっても感謝されるマナーであるに違いありません。

 私たちは、日本の殿方たちに、「大人の男ならではの俯瞰力と余裕」を見せてほしいのです。

 「粋」で「格好いい」

 さて、耳の痛いお話の数々をここまでお読みくださり、ありがとうございます。もちろん「そんなこと言ったって、オバサンの方こそ」「不躾な若者だってたくさんいる」とおっしゃりたいお気持ちもお察しします。確かに、ご迷惑なオバサマや若い方の迷惑行為も目につくでしょう。私たち女性も反省すべきことはたくさんあります。ただ、これまで長いこと社会に君臨してきたオジサマにこそ大人の男として、若者や女性たちのお手本となっていただきたいのです。

 「品格」と「育ち」を感じさせる、「粋」で「格好いい」オジサマとして! ですので私としては、ご一緒に見直していただきたいことはまだまだ山ほどあるのですが、「いまさら聞けない冠婚葬祭の常識」「第一印象、本当にそのままでいいですか?」「オジサマに欠けているのはやっぱり清潔感だった」などのトピックも気になる方は、ぜひ拙著にてご確認いただけますと幸いです。

 マナーに限りませんが、私たち女性も「オバサンだから」「あと10歳若ければ……」「どうせ私なんか」「知ってる人とは会わないし(だから外見なんてどうでもいい)」などとできない理由を並べるのは得意です。やれない言い訳を探すのはとても簡単です。オジサマですと「俺はこのやり方でいまの地位を築いてきたんだ」も、でしょうか?!

 私たちは生きていく限り、世の中が変化していく限り、自分自身の進化も必要です。みなさまとご一緒に私自身も自分を見直し、そして、育てていきたいと思いながらこの原稿を書かせていただきました。


※記事元:諏内えみ(すないえみ)
「マナースクール ライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。皇室や政財界をはじめとするVIPのアテンダン卜指導などを経て、スクールを設立。本物のふるまいや会話、上質なマナーの指導を行う。
・デイリー新潮より 2021年7月8日号


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