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2021年07月08日18:56

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レイ・ブラッドベリー「華氏451度」

先月のNHKの『100分 de 名著』はレイ・ブラッドベリー「華氏451度」を取り上げました。
フランスの監督フランソワ・トリュフォーの同名の映画の原作で、この映画は観ていません。
フランス映画の原作だからフランスの小説とずっと思っていましたが、1953年に書かれたアメリカ小説です。

舞台は近未来のアメリカ、本を読むことが禁じられ、焚書官とよばれるメンバーが本を見つけると焼き払います。
焚書官の一人のモンターグは本を愛する人々と会うことで、自分のやっていることに疑問を持つようになります。
一方国は戦争に突入しようとしています。

この小説が書かれた時代は、アメリカではマッカーシズムの嵐のまっただ中で、彼は共産主義ではありませんが、盲目的な反知性主義を許すことができず、この作品を書いたのではと解説で福島正実が書いています。
マスコミが流す情報だけに左右される人々、物事を概略や省略で理解しようとする人々、「華氏451度」の世界は今の世の中にも当てはまり、恐ろしくなります。

この作品を紹介する『100分 de 名著』こそ名作の概略を伝える番組と、MCの伊集院光が自虐していました。今はネットで短時間でわかる情報が好まれます。
この番組で小説と映画でラストが違うことがわかりました。トリュフォー映画としては失敗作と言われる『華氏451』ですが、ファンも多いのも事実です。
この映画を観てみようと思っています。


写真はレイ・ブラッドベリー「華氏451度」、図書館で旧訳を借りてきました。

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