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2021年07月06日19:42

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「違くて」

先日NHKラジオを聞いていると、「気になる日本語」というコーナーがあり、Jポップで使われている「違くて」という表現を取り上げていました。解説はNHK放送文化研究所主任研究員塩田雄大で、例としてあがっていたのはMr.Children『Everything(It's you)』ですが、最近の歌の歌詞でこの表現が使われることがようです。
私は使ったことがありませんが、宮城に赴任したときに職場の若い女の子に「それは違くて」と言われて、これは宮城の方言なのかなとしばらく思っていました。

「違う」は動詞なので、「違ワない・違ウ・違エば・違ッた・違ッて」と活用するので、「違く」とは言わないはずだと説明します。正しくは「違って」と言うべきでしょう。
一方で「違う」は他の動詞のような動作ではなく状態を表現するので、形容詞に近いとも言えます。形容詞の活用は例えば「白い」は、「白クない・白イ・白ケレば・白カッた・白クて」と活用します。
「違う」を形容詞「違い」として無理やり活用させたのが「違クない、違カッた、違クて」と活用したと考えられます。

さらに、最近は「違うよ」を「ちげ―よ」と表現する若者がいて、大人も感化されてこの表現を使う人が増えているそうです。「近いよ」を「ちけーよ」という影響で、「違いよ」という間違った表現を「ちげ―よ」と言っているのかもしれません。

映画では言葉遣いによって印象が変わります。邦画は若い俳優が主演することが多いので、「ちげ―よ」などの言い方は割と耳にしますが、これはそれほど違和感はありません。私が観るアニメは『宇宙戦艦ヤマト』だけですが、登場人物たちは軍隊の設定なので、くだけた言い方はあまりありません。他の若い子ばかりが出演するアニメはどうなんでしょう。
言葉遣いが印象的なのは黒沢清監督『スパイの妻』、戦前の若い裕福な夫婦が主人公の設定で、とても丁寧な言葉遣いをします。二人の関係性を表すと同時に時代性ともよくマッチして、よい雰囲気をがでていました。


写真は黒沢清監督『スパイの妻』
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