mixiユーザー(id:2958687)

2021年07月01日10:36

69 view

6月の読書記録

先月はそれなりに読んだわりには、 ナイスがあまりいかなかったな。ここまで読んだ本の冊数をナイスの数に乖離があるのはかなり珍しいかも(笑)。

2021年6月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:5998ページ
ナイス数:112ナイス

https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly
■株式会社の世界史: 「病理」と「戦争」の500年
先に読んだ『資本主義の〜』とかなり志向性が似ているのが印象的。人類史から見れば、比較的新しい筈の株式会社という存在が世を席巻し、そしてフロンティアから収奪を繰り返している…しかし、それも段々と限界に近づいているという事実。そして、その収奪された糧として、我々の多くは百均などで安い日用品を手にしている…その事実の重みについて考えさせられた。経済学の突っ込んだ内容については、正直理解が怪しいところもあるが、とにかく経済というものが、非常に危ういもので、天国から地獄ということが容易にありうることは理解できたか。
読了日:06月30日 著者:平川 克美
https://bookmeter.com/books/16610116

■ロックで独立する方法
十一年ぶりの再読。ある程度その内容が頭に入っていると思っていたが、ものの見事にその大半を忘れていた(笑)。それはともかくとして、まさに清志郎という内容。今時のミュージシャン志望の若い子達は本書を参考にはしても、でもそのまま鵜呑みにすることはできないという気がする。彼の死から十年以上の月日に、日本は大きく変わってしまったし。今、清志郎が生きていたら、何を思い、何を歌にして叫ぶのか?ついそんなことを考えてしまいたくなる。また、音楽業界、ひいては芸能界という世界がいかに魑魅魍魎が跋扈する世界かも改めて痛感。
読了日:06月29日 著者:忌野清志郎
https://bookmeter.com/books/219936

■資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
地球に無尽蔵の土地と資源が確保できない限り、資本主義は行き詰まる…以前からそう思っていたが、その思いを一層強くした。本書が出て早数年。資本主義の迷走とグローバリズムの席巻はますますその度合いを強めている。本書が唱える「長い21世紀」は果たしていつまで続くのか。少子高齢化とゼロ成長の最新モデルに図らずもなってしまった日本。その先駆者として、建設的なヴィジョンを生み出す努力をせねばならないのに、未だに古い価値観に囚われている体たらく。若い世代に、近代を切り開いた思想家の再来を待ち望むのは、楽天的過ぎるか…
読了日:06月27日 著者:水野 和夫
https://bookmeter.com/books/7985997

■キリスト教倫理 I (新書94) (新教新書)
前々から読もうと思っていた本作だが、特に前半が難解で殆ど字面を追っていたという感じ。しかし、バルト独特の吸引力で、生半可な理解にも拘わらず、つい先へと読み進めてしまったのも事実。拙い理解ではあっても、気になる箇所には付箋を貼りまくった。後で、その箇所を改めて吟味することになるだろう。個人的には終盤の祈りについての記述がとりわけ興味深く読めたか。とにかく、人間は自発的に神に向かうのではなく、あくまで神の呼びかけに応えるという形で
神に向かうということを繰り返し説くバルトの熱に感服。今後、繰り返し読むだろう。
読了日:06月26日 著者:カール・バルト
https://bookmeter.com/books/795442

■空想居酒屋 (NHK出版新書 643)
『ひなびた〜』、『食い物の〜』に続くグルマンエッセイと言えるか。実際、上記の本と重複する箇所が少なくないし。それはともかくとして、同じ酒飲みとしては、こういう酒やつまみ、そして飲み屋に関する蘊蓄話はたまらない。本書では海外のエピソードも多く触れているので、飲酒は人類共通の文化であり、財産だと思えてくる。ただ、本書はただ楽しい話ばかりでなく、コロナという未曽有の現象が暗い影を落としているのが気になる。とりわけ著者が愛した店が廃業したという話には、本当に心が痛む。何より著者が限定で開店した居酒屋に行きたい。
読了日:06月25日 著者:島田 雅彦
https://bookmeter.com/books/17180606

■ホサナ (講談社文庫)
四年ぶりの再読。荒唐無稽というか、八方破れと言いたくなるくらいに、ストーリーは錯綜を極めるが、それでもどこか一貫した流れを感じさせるのが不思議。そして著者独特の言語感覚を遺憾なく駆使した言葉遊びを多用しまくりなのが、ファンにはたまらないはず。読後、自分の中に何も残らなかったようで、同時に何かが残ったような感じといえばいいのか、ナンセンスの極みでありながら、同時にシリアスで重いテーマを孕んでいるというべきなのか。二度読んでも、簡潔に感想をまとめることができない、何とも扱いに困る作品。でもそこが魅力かも。
読了日:06月23日 著者:町田 康
https://bookmeter.com/books/16731987

■本は3冊同時に読みなさい
読書法の指南書だと誤解を招くようなタイトルであるが、書評集。引用文が長いのが気になるが、概ね興味深く読めたか。一冊の本の内容を2〜3頁に凝縮させているため、どうしても付箋を貼る箇所が多くなってしまった。元インテリジェンスで、なおかつキリスト者という立場かの著者の読みには、一貫して通底するものがある。そこを汲み取ることができるかどうかが、本書を読む上での肝かと思う。また、書評集というだけでなく、間接的には社会批評的な側面もあり、所々現代社会への警鐘がなされていることにも注目。読みたい本が見つかったのが収穫。
読了日:06月20日 著者:佐藤優
https://bookmeter.com/books/17075295

■長期政権のあと (祥伝社新書)
この頃はまだ安倍政権だったんだな…と思うと、何とも言えない感慨が。その後、本書に名前が挙げられていない菅が首相になったことを思えば、一層複雑な気持ちは増す。そして、オイルショックから現在までの日本の政治史を振り返る時、決まってバブル崩壊後の日本の政治と知性の劣化を痛感させられるのだが、本書においてもそれは変わらず。いかに大衆が甘言や威勢の良いスローガンにコロッと騙されるかということが如実に理解できる。そして、安倍政権時代、そして恐らく今も、多くの大衆が思考停止に陥っていることも。最早、手遅れなのか…
読了日:06月19日 著者:佐藤 優,山口 二郎
https://bookmeter.com/books/16339033

■字が汚い!
字が汚いのがコンプレックス…パソコンで文章を書くのが定石となっても、やはり手書きで字を書く機会は無くならない。というより、本書でも指摘されているように、パソコンに慣れてしまうと余計に字が汚くなる。丁寧に書けば、まだそれなりに読める字は書ける。しかし、職場などでこちらが書きたいのは、美しくなくてもいいけど、とりあえず速く書けてしかも読みやすい字なんだよな…てなことをうだうだ考えながら読んでいた。個人的には一日五分でもいいから、自分の名前を練習するという件にはグッときた。とりあえずそれだけでもやってみよう…
読了日:06月17日 著者:新保 信長
https://bookmeter.com/books/11607783

■失われた近代を求めて 下 (朝日選書)
文学史の教科書からかなり逸脱した内容だけれど、でも恐らくかなり真っ当。常識と思っていたことが、かなり実情からズレているということに、目から鱗状態になることしきり。個人的にとりわけ印象的だったのが、藤村のクズっぷり。これは現在では、読まれななくなった文豪扱いされても仕方ないよな…と。また、正岡子規の知られざる一面も面白かった。そして何より共感を覚えたのが、爽やかな青春小説と言われがちな『坊ちゃん』のダークな面を捉えた記述。その辺りに光が当てられることが意外に少ない。後、露伴を読んでみたくなったのが収穫か。
読了日:06月16日 著者:橋本 治
https://bookmeter.com/books/13896339

■スノードロップ
それなりに興味深く読めたが、何だかな…感が拭えないというのが正直なところ。実際の皇室とは関係がないとは述べられているとはいえ、ある程度史実を踏まえている以上、関係ないでは済まされない。ふざけきったこの世の中に一泡吹かせたいという心情は理解できるし、これまでの著者の作品で試みられた同趣旨の幾つかの作品には胸がすく思いがしたのだけれど、本作品に対してはやはり微妙な気持ちになってしまう。とりあえず、このような作品が不敬とされることなく出版される状況を喜ぶべきなのだろうが、あまりに問題にされ無いのもどうか…と。
読了日:06月15日 著者:島田 雅彦
https://bookmeter.com/books/15603517

■日本の気配
どうして日本の政治と国民の知性はこんなにも劣化してしまったのか?かぎりなくフェイクに近い「気配」を読み取ることに血道をあげ、あちらでは人の気持ちを損ねないよう忖度を怠らず、こちらではヘイトの言葉を撒き散らす…そんなことを繰り返しているうちに、段々と我々の生活は息苦しくなっていく。ちょっと考えればすぐ分かるはずなのに、それになかなか気づかない(あるいは気づこうとしない)。安易なストーリーに乗っかってしまう。それは誰にでもありがちで、それが必ずしも悪いことだとは限らない。でも、第三者の目は常に持たないと。
読了日:06月14日 著者:武田砂鉄
https://bookmeter.com/books/12790609

■もう少し浄瑠璃を読もう
同趣旨の『読もう』も読んだけれど、未だに浄瑠璃と文楽との定義、それに歌舞伎との関係性がよくわからず(笑)。それと同時に、『読もう』を読んだ時と同様に、浄瑠璃の世界って、著者が言うように、相当にぶっ飛んでいて、ご都合主義で、訳がわからないものなんだな…ということは認識できたか。いみじくも著者が言及していたが、今日のような個人というものが確立されていなかった時代の作品を今日的な尺度で計ろうとするのは、無理があるのかも。また、実際に浄瑠璃を見れば、文章では伝えきれない魅力を覚えるのかもしれないが。要再読本。
読了日:06月13日 著者:橋本 治
https://bookmeter.com/books/14039401

■金閣寺
三十数年ぶりの再読。高校生だった初読の時、自分は一体この作品の何を理解していたんだろう…と思うことしきり。美という形而上学的なテーマと重層的な構造、それについ傍線を引きたくなる秀麗な表現の数々…ただ、どこかうわっすべりな印象を与えもするのだけれど、それがある意味作者の持ち味でもあるが。今回再読して驚かされたのが、主人公の退廃指向。退廃指向の一言で済ませられるものでもないのだろうが。後、気になったのが、金閣寺といわば対となるかたちで主人公に付き纏う有為子の存在。その辺りについて論じたものがあれば読みたい。
読了日:06月11日 著者:三島 由紀夫
https://bookmeter.com/books/415207

■浮上せよと活字は言う (平凡社ライブラリー)
活字離れってそんなに前から言われていたのか…それが今日まで続いていて、出版業界は虫の息状態だけれど、逆に言えば、それでもなお本の出版は続けられ、一定数の読書人がいるというのは、結構凄いことなのかも?と思えてきた。ふた昔前の角川に象徴されるようなメガヒット作品を狙うのではなく、本当に出したい本を読みたい人に届けること。それを細々とやっていけばいいのではないか?そんな風に思えてきた。もちろん、そんなに簡単なことではないだろうが、原点に立ち返ろうとすることで、見えてくるものもあるはず。本自体はなくならない。
読了日:06月09日 著者:橋本 治
https://bookmeter.com/books/474668

■失われた近代を求めて 上 (朝日選書)
近い将来、アカデミズムの立場から著者を本格的に論じるという現象が起こるのでは?ふとそんな気にさせられた。というか、あれだけ日本の古典の現代語訳に貢献し、また日本古典に多く言及してきた人がアカデミズムから殆ど無視されてきたということ自体が異常。本書の主題となる原文一致という問題。これまで幾度となく取り上げられてきたものであるが、著者の見解はやはり一筋縄ではいかない。著者独特の言い回しと論の進め方に、多くの読者は戸惑うだろうが、でもつい読み進めてしまう吸引力がある。それにしても田山花袋って何だったのか…
読了日:06月08日 著者:橋本 治
https://bookmeter.com/books/13896340

■虚人の星 (講談社文庫)
五年ぶりの再読。主人公が前首相がモデルと言われる本書。あの頃もろくなものでは無かったが、五年後の今はますます世相が悪くなっていることに深く嘆息。それはそうと、その主人公松平が割りにいい奴で、それ程愚鈍でもないというのが、印象的だったか。そして、解説でも指摘されている通り、リアルな政治状況がかなり克明に反映されていることに改めて驚き。こんなことが許されるんだな…と。後、今回の再読でとりわけ印象的だったのが、もう一人の主人公星の父親小栗。隠者に徹しながらも、最後にとった捨て身の行動は、読者に強烈な余韻を残す。
読了日:06月05日 著者:島田雅彦
https://bookmeter.com/books/12642480

■熱血シュークリーム 橋本治少年マンガ読本
著者にはもっと漫画論を書いて欲しかったな…と思うことしきり。正直、あまりに極論過ぎてついていけなかったり、元ネタの漫画を知らないと理解しづらかったりという箇所も少なくなかったが、それでも著者特有の語り口でつい読み進めてしまうことに。やはり圧巻は冒頭の「少年漫画の特殊性」。これまでごく当たり前のジャンルだと思っていた少年漫画が実はかなり特異的なものだという指摘はまさに目から鱗。それを英米の児童文学と絡めて論じるなど、著者でしかできない離れ業ではないか?そのスタンスからちばてつやに入る件は著者の真骨頂。
読了日:06月04日 著者:橋本 治
https://bookmeter.com/books/14251721

■見えないものとの対話~喪われた時間を呼び戻すための18章
年を経るにつれ変わってくるものと変わらないもの…著者と同じく長いこと実家を離れていた自分は、後年には、やはり著者と同じように実家に戻るのだろうか?かつての旧友と旧交を温めたりするのだろうか?恐らくその可能性は低いであろうと推察されると、改めてこれまでの自分の人生は何だったのだろうか?とふと考えたくなる。また、著者が引用する夥しいまでの数々の詩に、そこまで詩にのめり込み、自らの人生をそこに投影することができる著者の感性がふと羨ましくなる。あり得たかもしれない人生…そんなことを思ってもしょうがないのだけれど…
読了日:06月02日 著者:平川 克美
https://bookmeter.com/books/15722816

■そして、みんなバカになった (河出新書)
ああ、この人はもういないんだ…一読者としては、その事実が惜しまれてならないが、大病を患った本人に生への執着が希薄だったというのが、本人が語っていることに何とも言えないもどかしさを覚える。そして、いくら著者の作品を読んでも、著者の知性のあり方に掴み所のなさを覚えてしまう。本人曰く勉強が好きではなく、本もあまり読まなかったとのこと。それでいて、あれだけの該博な知識と他の追随を許さない知見を持ち膨大な著作を書いたという事実というのが、何とも不思議…著者の死後、ますますみんなバカになっているという事実が重い。
読了日:06月01日 著者:橋本治
https://bookmeter.com/books/15887013


▼読書メーター
https://bookmeter.com/

1 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年07月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

最近の日記

もっと見る