18960330 NO4747 京元•京開間電信線の返還要求
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011_0010_0027 駐韓日本公使館記録 11巻 一. 外部往来 (27) [京元•京開間電信線の返還要求]
文書題目 (27) [京元•京開間電信線の返還要求]
文書番号 照会第一五号
発信日 建陽元年三月三十日 ( 1896年 03月 30日 )
発信者 大朝鮮 外部大臣 李完用（イワニョン）
受信者 大日本 弁理公使 小村 （＊小村寿太郎・駐韓弁理公使）
(27) [京元•京開間電信線の返還要求]
照会第一五号
大朝鮮外部大臣李
為照会事照得本日接准我農商工部来照内開自漢城至元山電線在開国五百年由前電局架設通信至開国五百参年六月二十六日由駐京日本公館為軍用急務暫時借用該線現軍事已畢尚未還付誠屬未妥自漢城至義州電線在開国四百九十五年由我政府向�羚饑�府借銀架設者也該借銀償還前使�羶融担紐催徒浬衢�借項逐年排還銀額既多且日�羝鰊ブ疚�則將該線由本部管轄為妥故昨年十月由本部派員自義州至平壌開城漸次接務通信惟開城至漢城間尚有日本電局聯線而且緣各地匪擾元京間與漢城至開城間該兩處線桿現多絶傷未便地方行政玆庸照会請煩査照將此転照日本公使將該兩處電線卽速交還本部俾速修理通信為要等因准此査自開国五百参年六月二十一日以後凡我一切電務幷由 貴軍隊暫管蓋因 貴軍隊電務必要緊急所以本政府為念兩国交誼敦密將該各綫暫准 貴電局借用迄至参載尚遲讓還殊欠事面惟漢城義州間電綫在上年十月二十六日准
貴公使来文即令我電局派員管務應由漢城至義州沿途電線一律歸我電局管轄奈漢城至開城間尚由貴電局管理未便由我電局修線通報現我各地方匪徒滋擾此時電務尤係緊要不容稍緩一日亟將元京間與漢城至開城該兩綫刻急修補以有靈通寔合妥宜相應備文照会請煩
貴公使査照將該兩線刻卽讓還于我電局可也須至照会者
右照会
官印
建陽元年三月三十日
大日本 弁理公使 小村
〈＊私訳〉
(27) [京元•京開間電信線の返還要求]
照会第15号
大朝鮮外部大臣・李が照会します。
本日接手した我が農商工部の照会によれば、「漢城（ハンソン）から元山（ウオンサン」までの電線は開国五百(一八九一)年に我々のかつての電信局が架設し通信したものであり、開国五百三(一八九四)年六月二十六日になって京城駐在日本公使館が緊急な軍用でしばらくその電線を借用していたもので、現在軍事用務が終了しているのだがいまだ返還してもらっていないことはまことに穏当ではない事です。また漢城から義州（ウイジュ）に至る電線は開国四九五(一八八六)年に我が政府が清国政府から借款して架設したものです。 その借款を償還する前まで清国の人が暫くその電務を管掌したのだが、負っていた借款を毎年均等に償還しいたのですがその金額が相当に大きいものでした。また日清交戦も既に鎮定されたので今後その電線を本部（＊朝鮮政府農商工部）が管轄することが妥当であるので、昨年十月本部から人員を派遣し義州（＊鴨緑江河畔）から平壌と開城に至る区間の通信業務を漸次接収しました。そこでただ一つ開城から漢城に至る区間は今まで日本電局の電線と連結されており、また各地方で土匪たちの騒擾に起因して元山と京城間、および漢城から開城間のこの二か所にある電線が現在多く切断されており地方行政に役立たなくなっています。ここに私としては、願わくは煩わしいことですが、これを注意深くお調べ頂いてこの事情を日本公使に伝達し今後この二か所の電線を直ちに本部へ転換し壊されている電線を素早く修理し通信できるようにしてもらいたい」と言う内容でありました。
これを注意して調べて見ると開国五百三年六月二十一日以後から我々の一切の電務を 貴軍隊の電務が扱い急を要し緊要であると言う理由で貴軍隊が暫く管理していました。我が政府は両国の交誼が敦篤で親密であることを考え該当する各電線を暫く貴電報局が借用することを許可してから三年が過ぎたがまだ返還を遅延していることは事理を外れた事であります。
思うに漢城・義州間電線が、昨年十月二十六日貴公使が送った公文によって、直ちに我々の電報局から人を派遣して事務を管掌させて、漢城から義州へ到達することまで沿道の電線は一律的にその帰属が我が電報局管轄に入りました。しかし漢城から開城区間だけは引き続き貴電報局の管理に残っており、不便なので我が電報局で修理して使用すると通報したのでした。現在我が国の各地用では匪徒たちが騒擾を起こしており電報事務がなお一層緊要な状態にあるので一日も遅らせることは出来ません。したがって元山・京城間および漢城・開城間の二つの電線を早く補修・返還し我が国が利用することに合意することが当然なことであることを文章を整えて照会するので、願わくは煩わしいことですが貴公使におかれては注意深くお調べになって今後この二つの電線を速やかに我が電報局に移されることを照会するものです。
一八九六年 三月 三十日
大日本 弁理公使 小村
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